知事定例記者会見
- 日時/令和7年6月17日(火)15:32~15:49
- 場所/記者会見室
- 記者数/20名(テレビカメラ1台)
会見項目
知事からの話題
- 令和7年第2回北海道議会定例会の開会に当たって
- 北方領土洋上慰霊の実施について
記者からの質問
- 北方領土洋上慰霊の実施について
- 政府与党による現金給付の検討について
- 米の作況指数等について
- 「えとぴりか」の一般公開について
- 倶知安町における開発行為について
知事からの話題
令和7年第2回北海道議会定例会の開会に当たって
私から二点お話しさせていただきます。
まず一点目でございますが、本日から令和2年第2回定例会が開会いたしました。この度、議会におかれては、議長、副議長の選出が行われたところでございます。また、道からは、高校生等臨時支援事業費など、総額約32億円の補正予算案と、10件の条例案を提案させていただきました。20日の金曜日から一般質問が始まります。こうした予算案、条例案も含めまして、道政上の重要課題に関して、議員の皆さまと真摯な議論を積み重ねてまいりたいと考えています。
北方領土洋上慰霊の実施について
二点目でございます。
北方領土洋上慰霊の実施でございます。今年は、戦後80年の節目の年であります。北方領土問題は、今もなお未解決のままであります。元島民の皆さまの平均年齢も89歳と高齢化が進んでおります。この問題の解決に一刻の猶予も許されない状況であります。
ロシアによるウクライナ侵略を受けた日露関係の現状などによって、先月13日、直接、私が総理に対して北方領土の1日も早い返還に向けた外交交渉の継続、今後の国際情勢に注視しながら、北方墓参などをはじめとする四島交流等事業の早期再開、また、今月28日から29日に、万博会場近くの大阪港で一般公開されることとなりました北方四島交流等事業使用船舶「えとぴりか」を活用することをお願いいたしました。総理のほうからは、四島交流等事業の再開、特に北方墓参は人道的な問題であるということを認識して対応していく、北方領土問題は国民全体の問題であり、政府として国民世論の啓発に取り組んでいくなどのご発言がありました。
四島交流等事業の再開について、道としては北方墓参が第一との考えに変わりはないわけでありますが、事業の実施の見通しが立たない間の別途の事業として、本年7月から8月にかけての洋上慰霊の実施について検討してきたところでございます。戦後80年の節目を迎える本年において、北方墓参の実施可否の判断は極めて重要であるということがございますので、伊東内閣府特命担当大臣に対しまして、墓参の現下の見通しについて文書で正式に照会いたしました。昨日、回答をいただいたところでございます。回答の文書では、政府として、特に北方墓参に重点を置いて四島交流等事業の再開を求めていくこととした上で、現在、事業が実施できていない状況にあり、大臣ご自身も身を切られるような思いを抱いていること、事業が再開可能な状況となった際には、速やかに実施できるよう準備を整えていくこと、洋上慰霊を実施する場合には、政府として必要な支援を行っていく旨を文書により、正式にお示しいただいたところでございます。
私はこれまでも元島民の皆さまから、「元気に参加できるのは最後ではないか」といった声など、切実な思いも直接伺ってまいりました。北方墓参ができていない現下の状況は大変遺憾でありますが、外交交渉の現状を踏まえ、せめて四島(しま)の近くで慰霊したいという元島民の皆さまの思いに寄り添うため、千島連盟など関係団体と協議を行い、北方領土洋上慰霊を7月20日から8月21日にかけて実施することといたしました。実施内容については、昨年度の洋上慰霊での元島民の皆さまのご意見などを踏まえ、千島連盟等と協議し、実施期間を1カ月早めるほか、1泊2日コースの回数を増やすなどの変更をさせていただいています。また、参加の時期は今後調整ということでありますけれども、洋上慰霊には私も参加させていただいて、四島(しま)で亡くなられた方々の御霊に対し、哀悼の意を捧げるとともに、元島民の皆さまからさまざまな思い、お話を直接今回もお伺いしたいと考えています。
私からは以上です。
記者からの質問
(北海道新聞)
洋上慰霊の関係で、今、知事のほうからお話があった、今年墓参ができるかどうかの判断を国に照会して、文書で回答いただいたということでしたが、墓参ができなくて洋上慰霊をやるというのは今年で4年連続になるわけですけれども、昨年までも、洋上慰霊の実施に当たっては、国として、墓参ができるかできないかの判断を今年と同じように文書で求めてきたという経緯があるのでしょうか。
(知事)
いえ、そこはありません。ただやはり、この戦後80年の節目で、総理に要請もさせていただき、また、5年ぶりとなる衆参(両院)に対する200万筆の署名の提出もさせていただき、政府のほうでも、この墓参を最優先で取り組んでいくといった状況の中で、現時点ではかなわないということを確認して、大変遺憾ではありますけれども、今回も洋上慰霊とならざるを得ないということをやはり、確認する必要があるのではないかと。
また国のほうも、そういった状況と併せて、大臣の思いというか、そういったこともいただきましたので、千島連盟などの関係の皆さまともそういうことも共有した上で、今後もしっかり外交交渉を行っていただきたいということも含めて、今回そういった対応を取らせていただいたということです。
(STV)
石破総理から国民1人当たりに2万円を給付する案が出ていると思うのですけれども、野党側からバラマキという批判だったり、給付するにしても2万円定額はどうなんだという声が上がっていますが、鈴木知事はこれをどのように評価するのかというのと、現段階で何かお考えがあったらお聞かせ願います。
(知事)
まだ詳細が示されていない状況の中でありますので、ある意味では、そこが示されてから申し上げるべきなのかもしれないのですけれども、こういった国の給付金というのは、今回初めてではなくて、これまでも実施してきました。私も市長経験者でもあり、今、知事として仕事もさせていただいているのですけれども、国のほうは、こういった給付金をやりますよ、ということで、実施されるという方向性を示されて、実際に事務負担を行うのは、市町村だったり自治体ということです。ですから、こういった給付の必要性だとか、そういったある意味では問い合わせや苦情についても、市町村の職員の皆さまがそういった対応に追われるということでありまして、やはり何度も、国からこういった給付金が、これまでも行われてきた中で、知事会や市長会、町村会におきましても、国民の皆さまに給付する仕組みをやはりしっかり国で作っていただきたいということを、繰り返しわれわれ申し上げてきている中で、また同じような形。まだ詳細は示されていないので、今までのように市町村にそういった負担が生じることがないように、まずしていただきたいのですけれども、これまでと同じようなやり方ということであれば、それは、なぜ国で、そういった円滑に給付できる仕組みを作っていただけないのだろうかということについては、私は疑問に思うところですし、仮にこういったものをやっていくということであれば、やはり自治体の皆さんの負担を考えると、その負担が生じないように、しっかり根本的な給付方法を考えてお示しいただくことが必要ではないかと思っております。そういった点は、各自治体が、繰り返し、問題提起していることはどうしても申し上げなければいけないということであります。
(NHK)
コメ問題の関係で、まず一点お尋ねします。今朝、小泉農林水産大臣がコメの流通実態の報告を求める考えを示しました。昨日の夕方には、コメの作況指数の廃止を、統計の考え方で廃止しますということも打ち出しています。これらについての、今の知事の受け止めをお聞かせいただければと思います。
(知事)
いろいろな見直しといいますか、そういうお話が今出てきていまして、まずはこのコメの作況指数の公表を廃止することと、収穫量調査を見直すと、さらには、流通のより詳細な調査を実施するということで、相次いで発表されているということであります。これはまず米政策を中長期的に、関係閣僚会議を開催して、高騰要因分析をしながら、検討を進めると言っている中で、こういうお話が出てきています。大臣のほうも、「この政策の基盤であるデータへの信頼を高めるためのものです」と発言されていまして、そういった意味においては、道としても、政策立案の基礎となるデータの確度を高めることは重要だと考えています。また、今回のコメの統計情報ですけれども、道内においても、生産現場の皆さまからは、実感と乖離しているという声がありました。そしてこの声については、道としても、農林水産省に地域の声としてお伝えしてきましたので、そういった意味では、今回国が示した一連の見直しについては数字の精度を高めると。そして、より現場の実態に合ったものになることを期待しているところです。ただ、矢継ぎ早にいろいろなお話が出てきている中で、この見直しに当たっては、やはり関係者の皆さまの理解と共感を得ていくことが重要だと思いますので、その点をぜひ留意いただきたいと思いますし、道としても、農業団体のみならず、流通、また消費者、こういった皆さまなどの幅広い声を聞いて、国のほうにはこの道内の実情を伝えた上で、今後の政策検討に生かしていただくべく、取り組みをしていきたいと思っているところです。
(NHK)
二点目ですが、先ほど冒頭言及のありました北方墓参関係で、えとぴりかの一般公開が今月28日から大阪港で予定されているかと思うのですけれども、先日知事が大阪万博視察の際に、吉村(大阪府)知事と面会されて、そこ(の場)で28日は吉村知事も現地に行くので、知事も一緒に情報発信しませんかという要請があったかと思います。これについては、現時点で、知事は現地に行かれて、同じように吉村知事と一緒に情報発信するお考えがあるかどうかをお聞かせいただければと思います。
(知事)
日程調整の上、検討していきたいとは思っております。吉村知事とお話をさせていただく中で、大阪府、大阪市の中で公開されるという状況がありますので、われわれとしてはぜひ多くの府民の方に、こういう問題について理解していただきたい。その旨お話しした中では、知事としても協力したいということで明確にお話しいただけたので、本当に感謝していますし、今までにない、ある意味では北海道以外の地域で、この戦後80年の節目の中で、解決を見ていないこの北方領土の問題を知っていただく、非常に貴重な機会にはなると思っています。ただ、私自身の参加については、日程調整の上で検討していきたいという状況です。
(HTB)
倶知安町の森林伐採の問題について何点か伺います。今後、再発防止策として検討していることや、具体的に実行予定のものがあれば教えてください。
(知事)
まず、この問題については、前回の会見でもお話しさせていただいたのですけれども、今回の件については、まず本来必要な事前許可申請がなされておりません。ですから、工事の停止を指示している状況にあります。ですので、この状況が是正されない限り、工事は停止されるということであります。今後の対応としては、この事業者が、これらを是正するように指示してまいります。道として、適切に対応していきたいと考えています。
(HTB)
何度か申請の不備だったり、森林伐採が続けられていたというのもあると思うのですけれども、今は工事は中止していますけれども、今後、申請書の提出とか、事業者がしかるべき対応をした場合は、工事が再開する可能性があるのですけれども、その辺りは知事はどのようにお考えですか。
(知事)
われわれとして、まだ中身が確認できていませんので、何とも言えませんが、何度も提出を呼びかけた中で、提出いただけていない状況など、悪質性があると思っておりますが、そこはしっかり、まずは出していただいた中で適切に対応していくということで、厳正に対応していきたいと思います。
この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責 広報広聴課)