知事定例記者会見(令和2年10月16日)

知事定例記者会見

  • 日時/令和2年10月16日(金) 14:30~15:33
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/26名(テレビカメラ1台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について
  2. 航空機による北海道本島側からの北方領土上空慰霊等への参加について
  3. 「北海道レジ袋チャレンジ」について
  4. SDGs(持続可能な開発目標)推進モデル事業の実施について

記者からの質問

  1. 「北海道レジ袋チャレンジ」について
  2. 新型コロナウイルス感染症対策について(1)
  3. 新型コロナウイルス感染症対策について(2)
  4. 故中曽根康弘の内閣・自由民主党合同葬儀の対応について(1)
  5. 故中曽根康弘の内閣・自由民主党合同葬儀の対応について(2)
  6. 農業施策(パワーアップ事業)について
  7. 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(1)
  8. IR(統合型リゾート)について
  9. 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(2)
  10. 振興局の役割について
  11. 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(3)
  12. 高レベル放射性廃棄物の最終処分場について(4)
  13. 新型コロナウイルス感染症対策について(3)
  14. 行政手続きにおける押印の見直しについて

知事からの話題

新型コロナウイルス感染症対策について

 それでは私から冒頭4点、お話をさせていただきたいと思います。
 1点目でございますが、新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。まず道内において、昨日新型コロナウイルスに感染された1名の方がお亡くなりになられました。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。
 それでは、道内の感染状況について、ご説明いたします。はじめに医療提供体制の負荷の状況についてです。昨日時点の入院患者数でございますが、こちら102名となっています。うち重症者の方は1名となっております。いずれもステージ2の指標を下回っているところでございまして、入院患者数は減少傾向であるものの、引き続き100床を超えているという状況でございます。次に監視体制の状況についてでございますけれども、直近1週間の検査数でございますが、濃厚接触者に積極的に検査を実施していることもございまして、5434件で増加しております。陽性率でございますが、こちらは3.0パーセントでありまして横ばいという状況であります。次に感染者の状況についてでありますが、直近1週間の感染者数、こちらは164名となっており、ステージ2の指標の107名を上回っております。こちらは横ばいで推移しているという状況です。リンクなし、感染経路が分からないという感染者の割合についてですが、直近1週間の平均が36.6パーセントということで減少傾向であります。また、新規感染者の年代別割合でございますけれども、昨日時点では30代以下が約7割を占めておりまして、若い世代を中心に感染が続いている状況にあります。
 ここまで説明いたしましたけれども、新規感染者数は30名を超える日もございまして、また日高や空知振興局管内などにおいて集団感染が発生するなど、道内各地で散発的に発生しておりまして、感染動向の推移について引き続き緊張感を持って、注意深くモニタリングしていく必要がございます。
 こうした状況を総合的に勘案いたしますと、それぞれ新規感染者数の数字以外は、減少や基準以下という状況でございまして、現時点において直ちに警戒ステージを上げるという状況にはないわけでありますが、感染者数等を踏まえると予断を許さない状況にありますことから、これ以上の感染拡大を防ぎ、社会経済活動との両立を進めていくためにも、次のステージに移行させないという思いを持って、今できる対策にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
 こうした対策の一環といたしまして、一昨日、札幌市の秋元市長と意見交換を行いました。札幌市とも連携しながら、感染拡大防止対策の拡充・強化、リスクを回避する行動等に関する普及啓発、差別・偏見防止対策といった取り組みを進めていくということを確認いたしました。
 主な取り組みをご紹介いたしますと、まず感染拡大防止対策の拡充・強化として、集団感染が発生した際の迅速な対応、こちらに取り組んでおりまして、集団感染が発生した場合には、保健所設置市、医療機関などと連携した広域支援チームによりまして、徹底した感染防止対策を実施し、早期に封じ込めを行うこととしております。先ほど申し上げましたが、最近では日高や空知振興局管内における集団感染に対しまして、公衆衛生医師や保健師などを直ちに派遣し、迅速かつ効果的に現場対応に当たっているところであります。
 次に普及啓発についてであります。記者の皆さまには資料とチラシを配付させていただきました。あらためて感染症に関する基礎的知識や予防方法などを理解していただくため、さまざまな勉強会や研修などでご活用いただく資料として、道として作成いたしました。順次関係各所への配付を行いますほか、本日、道のホームページでも公開する予定です。感染拡大防止に当たりましては、道民お一人おひとりの理解と行動が重要であることから、特に地域で普及啓発の役割を担っていただける方々に向け、感染予防意識の徹底、偏見や差別、誹謗(ひぼう)中傷の防止を呼び掛けるために活用していきたいと考えています。
 具体的な活用の場面でございますけれども、例えば学校の教育現場や大学内での周知とともに、地域で開かれます健康セミナー、企業での社内研修会でご活用いただきますほか、今後道からの出前講座などを実施し、周知に努めたいと考えています。
 こちら(モニター)のスライドは、その資料の一コマでございますが、全体的に分かりやすさということを心掛けて作成したところであります。なお、この資料の中でも特にお知らせしたい、感染リスクを高めやすい五つの場面と「新北海道スタイル」については、お手元にお配りしたチラシ、こちらも作成いたしました。
 また、こちらは資料を配付しておりませんけれども、若い方の感染が拡大しているという状況を踏まえまして、若い世代の方々の間で感染防止対策の輪が広がるように、道庁の若手職員の有志によるリレー動画をスタートし、近々動画やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で発信を行う予定でございます。
 最後になりますけれども、偏見・差別防止対策についてであります。こちらも配付させていただいていますけれども、私からのメッセージでございますが、新型コロナウイルス感染症に感染された方々やそのご家族、そして医療・介護従事者の皆さまなどが、いわれのない偏見、差別、いじめなどにより心を痛め悲しむ事例が、大変残念ながら、依然として発生しているという状況がございます。このような差別やいじめなどの心ない行為は、決して許されるものではありません。また、さまざまな面で感染拡大防止の妨げにもつながるというものでございます。
 道民の皆さまには、「正しい情報の下、理解を深め、冷静に思いやりのある行動」、こちらをあらためてお願いいたします。
 また、本日から新型コロナウイルスに関連した人権問題でお悩みの方の相談を受ける窓口を庁内に設けました。こちら(モニター)、相談窓口になります。電話番号が「011-206-0497」ということでございまして、こちらの窓口では相談者のお話をしっかりとお伺いいたしまして、法務局など関係機関と連携した支援を行ってまいります。お一人で悩まないで、お気軽に相談していただきたいと思います。
 こちらが1点目です。

航空機による北海道本島側からの北方領土上空慰霊等への参加について

 2点目でございます。こちらもお手元に資料をお配りしておりますけれども、このたび、千島連盟(公益社団法人千島歯舞諸島居住者連盟)との共催の下で、道の新たな事業といたしまして、10月21日水曜日と25日日曜日の両日、HAC(北海道エアシステム)チャーター機による北方領土隣接地域沿岸上空からの計5回のフライトによりまして、元島民の方々など約90名のご参加をいただきまして、北方領土の上空慰霊を行います。
 私自身、北方領土を所管する北海道知事として、初回となります21日の第1便、こちらに搭乗いたしまして、慰霊及び元島民の方からのお話をお伺いし、搭乗後は中標津町の町内で上空慰霊に参加されました元島民の方々などと懇談を行うなどによりまして、元島民の方々の思いをあらためて受け止めて、領土問題の解決に向けて、世論喚起、機運醸成につなげていきたいと考えております。

「北海道レジ袋チャレンジ」について

 3点目でございます。道では、プラスチックごみ削減の取り組みの一環といたしまして、道と環境保全に関する連携協定を締結させていただいております、株式会社アドバコムと協働で、「みんなで減らそう! 北海道レジ袋チャレンジ」を企画いたしまして、10月12日月曜日からスタートさせていただいたところでございます。本企画でございますが、アドバコム社が道内の小学校に毎月無料配布しております、環境情報紙「エコチル」の紙面に掲載されたワークシート、こちらを活用いたしまして、家族みんなで1週間連続でレジ袋を受け取らないことに挑戦してもらおうというものでございます。達成者には、抽選で企業から協賛いただいた景品等をプレゼントするものであります。たくさんの小学生にご参加いただきたいと考えておりますので、報道の皆さまには積極的にご協力をお願いしたいと思っています。

SDGs(持続可能な開発目標)推進モデル事業の実施について

 最後でございます。道ではこれまで、「北海道SDGs推進ビジョン」、こちらに基づきまして、SDGsの推進に向けたさまざまな取り組みを行ってまいりましたけれども、今年度から、SDGsに取り組むことを検討しております市町村を支援する新たなモデル事業を実施することといたしまして、今回、支援先として厚真町、標茶町の2町を選定したところであります。道では、両町に有識者の方を派遣いたしまして、職員や関係者に対して研修会等を開催するほか、SDGsの理念を踏まえた次期総合計画策定や、事業実施等についてアドバイスを行うこととしております。また、このたびの取り組みのプロセスなどについてはモデル化いたしまして、同様の取り組みを進める市町村への参考事例として広く周知していく予定でございます。道では今後ともさまざまな手法を活用いたしまして、地域におけますSDGsの推進、こちらに取り組んでまいります。
 私からは以上であります。

記者からの質問

(朝日新聞)
 3点目のレジ袋チャレンジについてちょっとお伺いしたいのですが、確かいただいた資料によりますと、セコマが入っていると。セコマはレジ袋の無料配布を法的に認められた枠組み内で続けられていると。私昨年環境省におりましたと時、当時小泉大臣のイニシアチブでセブンイレブンが入っていましたが、その庁舎内においては配布しないという決断をしました。一方でセコマはこちら庁舎内の店舗などにおいても配布を続けている。例えばそういう道関係の庁舎内に入っているセコマからだけでも自粛をするように求めるとか、そういったお考えはありませんでしょうか。

(知事)
 その点については、セコマの経営判断の一環として、そういった趣旨については十分理解している中で取り組みをしているものと考えています。またレジ袋を希望しない、マイバッグを持参されて買い物をされるという方も当然いらっしゃいますから、そういった方々は当然そういったレジ袋ではなくて、マイバッグにより買い物した商品をお持ち帰りになられるということもございますので、そういった点を一律(配布しない)ということを現時点で考えているということはございません。皆さんに対するこういった取り組みに対する理解、そして考え方ということを皆さんに知っていただくということをしっかり進めていきたいと思います。

(朝日新聞)
 1点追加なのですが、例えば職員の方が買い物するときに、マイバッグにするようにと奨励するというお考えはないでしょうか。

(知事)
 その点については、道庁内でこういった考え方について共有させていただく中で取り組みを進めていきたいと思っておりますし、庁内においても、多くの職員がそういった意識を持って日常的に買い物などの行動に移していると認識しています。

(北海道新聞)
 新型コロナの感染状況についてお尋ねします。先ほど知事のご説明からもありましたように、札幌以外の道内各地で感染者が増えていますけれども、この現状をどう見ていらっしゃるのか。例えば、拡大の原因などをどのように考えていらっしゃるのか。あとは今後の対策などはどのようにしていくおつもりなのかというところを教えてください。

(知事)
 この点につきましては、まずこれは一昨日、札幌市の秋元市長とも感染が拡大傾向にある状況の中で認識を共有させていただいたところでございますけれども、これは国の専門家のご意見の中にもございますが、やはりシルバーウィークの前後で、感染拡大傾向につながっていったのではないかというところが一つあると思っているところでございます。いずれにしてもこれ以上の感染拡大を防いで、かつ社会経済活動、これは両立していかなければならないと思っています。今できる対策をしっかり行っていくことが大事であると考えています。
 先ほど、ステージ2への移行の基準と現在の状況についてもご説明させていただきました。確かに新規感染者数については指標を上回っておりますけれども、それ以外の指標については現状では直ちにステージ2に移行するという状況ではないわけですが、いずれにしても予断を許さない状況でありますので、札幌市とも連携しながら、先ほど申し上げた集団感染、そういったものが発生した場合に、迅速で効果的な対応、また感染拡大防止対策の拡充・強化、感染リスクを回避する行動等について、道民の皆さまに対し、しっかりと呼び掛けを行って、普及啓発を図っていく。このことを今できることとして、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

(北海道新聞)
 もう1点、関連してお伺いしたかったのですが、昨日ですね、政府の新型コロナウイルス感染症対策の分科会が、ススキノだとかの歓楽街の、全国の歓楽街の感染状況だとかを分析して、ススキノでの対策が不十分だったのではないかというような話を発表されました。これに関して、札幌市と一緒に取り組みを進めてきた道としては、この政府の分科会の報告をどのように受け止めていらっしゃるのか。またこの政府の話を、分科会の話を受けて、今後何か対策を講じていく考えなどありましたら教えてください。

(知事)
 まずこの政府の繁華街における分析でございますけれども、これは患者発生の状況や人の動きなど、そういったものを一つの基準として分析されたと受け止めています。一方で、その終了後の大臣の会見時における発言などについては、どういった趣旨でご発言されているかについて、今現在確認中であります。ただ札幌のススキノ地区と他の地区では、感染の単位や状況というのも違う部分もございますし、また、その感染者数に応じて取った対策、例えば営業時間、夜の時間帯の営業時間を短くする、そういった対策をススキノ地区以外は取っています。ですからそういった対策による影響というのが当然出てくるのだと思いますし、ススキノ地区においてはそういった対策を取っていないわけですから、そういった意味では例えば人出の部分で、数字上顕著に動きが表れてこないということは、これは当たり前のことだと思います。
 そして一方で、(新北海道スタイル)集中対策期間ということで北海道としては札幌市と連携いたしまして、8月、9月に対策を行いました。ここでも何度も申し上げていますが、ススキノ地区の約500店舗に対して個別訪問を行いまして、呼び掛けをさせていただきました。また臨時のPCR検査センターの設置、個別店舗への出前検査、積極的なPCR検査、こういったことも行ってまいりました。また、商工関係団体の皆さまとの協力によります全道各地への啓発運動も行いましたし、繁華街等における感染防止における取り組みは重点的に取り組んできたところであります。この間、道民の皆さま、事業者の皆さまのご協力、ご理解によりまして、いわゆる首都圏などと比べて新規感染者数、これは一定程度抑えられてきたというところも事実なのではないでしょうか。ですからこうした一方で、先ほど申し上げた先月のシルバーウィークをはじめとして、人の動きが活発化する中で、道央圏をはじめ各地域で散発的な感染者の発生、また一部集団感染が発生するという状況がございますので、繰り返しになりますけれども、予断を許さない状況にあると考えています。先ほど申し上げたように、札幌市とも連携をしっかり強化して、今できることをしっかり取り組んでいきたいと考えています。

(NHK)
 ステージの移行に関しての質問だったのですけれども、指標を下回っているということなのですが、基本的にこれを総合的に勘案してというものなので、逆にこの現状のステージにあるというよりもステージ2に上げることで今の状況を抑え込むというような使い方をするという考えはないのでしょうか。

(知事)
 これは以前この場でも申し上げましたが、ステージ2が最後ではなくて、ステージ1から5段階、ステージを設定しています。そしてステージの移行に当たっては、原則全ての指標が上回った場合にステージを移行するということ。また、総合的に専門家の意見なども聞きながら判断するということです。さらにその指標の中でわれわれとして最も重視しているところは、この医療提供体制に対する負荷がどのような状況になっているのかという点。これは非常に重要だと思っています。その点で言いますと、ステージ2に移行する病床の基準、これは今150床です。そして今現在の状況が102床ということで、こちらの今の状況だけで見れば、減少傾向が見られます。そのうち重症の方(の基準)については、今15床ということですけれども、現在の重症の方が1名という状況でございます。こういったところなども総合的に勘案して判断していくということになりますが、現時点において直ちにステージを上げるという考えはありません。

(北海道新聞)
 明日、中曽根元総理の合同葬が行われます。これに併せて国からですね、各都道府県等にですね、弔旗の掲揚を求められているわけなのですが、道としても求められていると思うのですけれども、これ明日掲揚されるのかどうか、その対応についてお聞きしたいというのが一つと、あとその合同葬についてはですね、費用の半額に当たる9600万円を国費で負担してすることになっておりまして、その多額な公金投入、批判の声もございます。知事はこの点についてどのようにお感じになっているか教えてください。

(知事)
 まずこの対応についてでございますけれども、総務省のほうから協力依頼という形でございました。この協力依頼を踏まえまして道の対応でございますが、本庁舎および振興局庁舎において半旗の掲揚を行いまして、哀悼の意を表したいと考えています。
 またこのたびの対応についての考え方ですけれども、この合同葬儀は、中曽根元総理が長きにわたりまして内閣総理大臣としての重責を担われるとともに、生涯を通じて日本の繁栄のために全力を傾けてこられたこの功績、そして過去の先例などを総合的に勘案して執り行われると承知しております。そういった趣旨の下で政府として適切に執行をされるものと考えています。

(毎日新聞)
 中曽根元総理の合同葬の関係で追加であるのですけれども、今回教育委員会のほうに対しても参考という状況であるけれども、同じような通達が行っているというふうに聞いています。直接の対応は教育庁のほうでなされるとは思うのですが、こういう政治と教育の関わりに関しては議論があると思います。今回のこういったその通知、教育現場も含めてこういった文書が発出されたことへの評価ですとかお考えを聞かせてください。

(知事)
 報道などによりますと、10月2日付けの閣議了解を受けて、文部科学省から各国立大学法人などの関係機関に対して弔意の表明についての協力の要請という旨の通知が発出されたと承知しています。この通知の趣旨についてですけれども、国のほうではあくまで協力の依頼ということで、強制を伴うものではないということであります。私としては、この弔意の表明を行うかどうかについては、各関係機関において自主的に判断するものだろうと考えています。

(日本農業新聞)
 農地のパワーアップ事業について、来年度の継続に道内農家の関心というものが高まっているところなのですけれども、昨日の知事の視察で、事業の重要性をあらためてどう考えられたのか、教えていただきたいです。また来年度以降について、現時点でのお考えというものも教えていただきたいです。

(知事)
 パワーアップ事業(農業競争力基盤強化特別対策事業)についてでございますけれども、本道の農業が将来にわたって食料を安定的に供給していく、そのためには農業農村整備が重要な役割を果たしております。道では、道独自の農家負担軽減対策であります、いわゆるパワーアップ事業、こちらを実施して整備の促進に積極的に取り組んできたところでございます。これまで本事業を活用されました農業者の方々などからは、野菜などの高収益作物の導入が可能となって、農業所得が向上したということや、農作業の大幅な省力化に向けてほ場の大区画化をして、スマート農業に取り組んでいきたいのだといった声などが寄せられております。
 昨日、美唄市の基盤整備実施地区を私も視察させていただきました。直接生産者の方々から事業の継続を望む声、そういったものも伺いました。道内各地域の市町村や団体の方々と意見交換を行った際にも、本事業が生産力、競争力の強化や農村振興に大きく貢献しているという高い評価ですとか、事業の継続、そういったものを望む声、こちらは直接多数伺ってまいりました。担い手の皆さまが、将来に希望を持って安心して営農に取り組めるようにしていくことが私は重要だと考えていますので、市町村や農業団体の方々のそういった意向も踏まえた中で、パワーアップ事業の継続に向けて検討してまいりたいと考えています。

(HTB)
 寿都町と神恵内村で最終処分に向けた文献調査が来月にも始まるということで、われわれも取材ができているのですけれども、実際、応募と申し入れがあって文献調査ということであと1カ月ほどに迫っていることについての受け止めをお聞かせください。

(知事)
 寿都町においては今月9日、文献調査に正式に応募し、また神恵内村では今月9日の国からの文献調査に係る申し入れ、こちらを受けまして、15日付けで村長が正式に受諾したというところであります。両町村においても、これは私も繰り返しお話ししてきているわけですが、このたびの応募等において住民の皆さまですとか地域の関係団体の皆さまはもちろんでありますが、周辺市町村など内外の関係者の皆さまに対して、まず丁寧な説明を行っていただきたいと思っています。
 また、文献調査が実施されるという場合でありますけれども、全国で初めてということになるわけでありまして、今後どのような形で進められていくのかということをしっかり注視していかなければならないと思いますし、道として何ができるのか、また何を行っていくことが妥当なのか、考えていく必要があると思っています。最終処分法(特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律)では、これは繰り返し申し上げていますが、文献調査について知事の意見、こういったものを求められるというものではないわけでありますけれども、道の条例(北海道における特定放射性廃棄物に関する条例)は、最終処分場を受け入れる意思がないとの考えに立つものであります。両町村に対しては、仮に文献調査が実施された後に、さらに概要調査に移行しようとする場合には、これは繰り返し申し上げていますが、私としては現時点で反対の意見を述べるという考えでありますということと、併せて条例を順守していただきたいということを、引き続きさまざまなレベルにおいて対話を重ねていくことに変わりはございません。

(HTB)
 道の話から逸脱するのですけれども、道内全国で初めて文献調査が始まって、これは寿都町長も常々おっしゃっているのですけれども、一石を投じるような形で、他の自治体が応募なり、申し入れの受け入れなりのようなことがさらに進んでいったとした場合でも、道内であれば知事お変わりなく反対の意向を示されると思うのですが、これ道外の自治体でも、こういった応募の動きが加速した場合、これは好ましいこととお考えでしょうか。どうでしょうか。

(知事)
 そのことについて、私がコメントする立場にはないのではないでしょうか。地域においてそのような議論がどのような形で行われるかについても、今の時点では分かりませんので、それは各地域において、さまざまな考え方などがあると思いますので、私は北海道の知事として、今二つの地域が文献調査に応募し、今後文献調査が開始される、そういう状況に対してしっかりと対応していきたいと思います。

(NHK)
 IRについての質問だったのですけれども、先日観光庁が整備計画の申請を受け付ける時期を来年1月から7月までとしていたものを、後ろ倒しで来年10月1日から再来年4月まで延期したのですけれども、それについてのお考えは。7月までの整備計画の申請は断念されたと思うのですけれども、それを断念したのをまた撤回するということがあるのかというのと、今の現時点でのIRについての認識をあらためてお伺いさせてください。

(知事)
 今のご質問の件ですけれども、国においては新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、海外の関連事業者における経営状況ですとか、出入国制限に伴います事業者等の準備作業の遅れなどを踏まえて、申請期間を延長することが適当と判断したということであります。
 道としては、まずこのたび示されました基本方針案の内容について、当然でありますが確認する、精査する、こういったことが必要だと思っています。苫小牧市と連携して、候補地の特定に向け幅広く検討を行いまして、北海道らしいIRのコンセプトの構築に向けて計画的に取り組んでまいる、このことに変わりありません。

(NHK)
 今、苫小牧市ということでおっしゃられたと思うのですけれども、申請する場合、現在苫小牧市を念頭に今後も進めていくということになるのでしょうか。

(知事)
 これはIRの議論で、この場でも何度もお話しさせていただいていますけれども、苫小牧市と連携して幅広く候補地の特定に向けた検討を行って、計画的に進めていくということに変わりありません。

(NHK)
 最後なのですけれども、現在は、7月の段階では断念しているということなのですけれども、計画的に進めるというものの中には、10月から再来年4月までとなった場合には、まだ提出するということはあり得るのでしょうか。

(知事)
 国のスケジュールが変更になったという状況の中での検討の考え方については、何かその検討という言葉の意味合いが変わってきたのかとか、そういったことに対しては変わりありません。これは今までもここで申し上げてきたとおり、計画的に取り組んでいきたいというところであります。

(朝日新聞)
 先ほどの寿都町、神恵内村関連に戻ってしまうのですが、やや話は飛びますが、先日テレビ東京の番組で知事も出演されているのを拝見しました。その中で確かに今の復活しようとしている北海道の姿が描かれていました。その中で一つ気になったのが、セコマの部分で、セコマすら出ていない町村、地域というのが数カ所地図で映し出されました。今回の核のごみの最終処分場の話というのは、そういう場所で起きた話であろうかと思います。そこで振り返ってみますと、国やNUMO(原子力発電環境整備機構)などは現地の状況を極めてよく把握しているということ、そして文献調査が始まるにつれて、現地もしくは現地近くに拠点を設けるであろうということが言われています。知事は、かねてから独立したある種並列のパートナーであるということをおっしゃっておられますが、今回のような事態を招いたことを考えますと、その179ある市町村との、住民と道の付き合い方というのが今問われているのではないかと思うのですが、今後どのような形で地域の声を聞いていこうとお考えか、お聞かせください。

(知事)
 これは今回の文献調査、最終処分法に基づく文献調査のお話に限ったことではないと思いますけれども、(道内には)179の市町村がございます。私は知事に就任した際も申し上げましたけれども、広域自治体として、地域としっかりスクラムを組んで課題を乗り越えていくことが重要であると思っています。この点については、今回の件のみならず、あらゆる機会で地域としっかり連携を高めていく、このことにある意味終わりはないと思いますので、そういったさまざまな声をしっかり受け止めながら、より地域にしっかり寄り添って、活力ある北海道を実現するための体制というものをしっかり追求していきたいと思います。

(朝日新聞)
 1点だけなのですが、総合振興局、振興局という形で全道にネットワークを道として張り巡らせているわけですが、今の、むしろ統廃合のほうが進んできた流れの中で、今後もどういったあり方が良いと知事はお考えでしょうか。現時点で簡単で結構ですので、よろしくお願いします。

(知事)
 これだけ広域な行政面積を有している中で、ますますそういった振興局が果たすべき役割というのは重要になってきているというのが現実的な見方ではないかと思っています。それぞれの市町村における課題がより厳しさを増し、広域自治体に求められるものも大きくなっていく中で、振興局が果たすべき役割というのは、大きいものがあると思っています。今回の件についても、やはり振興局においてさまざまなレベルで情報を共有したり、またお伝えしたりということはもう現に行っておりますけれども、こういった機能というのは、やはり私は重要であろうと現時点で考えています。

(時事通信)
 核のごみの関係です。北海道として最終処分場の受け入れに関しては知事、政治家としてもこれ反対だという理解でまずよろしいでしょうか。

(知事)
 これはかねてから申し上げてきたとおりであります。

(時事通信)
 条例で基礎自治体に対して慎重な判断を、概要調査に移行する際は反対だということを言っていますけれども、条例以外にもその慎重な姿勢ですとか、その反対意見、反対の立場を取られる理由というのは何かあったりするものでしょうか。

(知事)
 これは梶山(経済産業)大臣にも申し上げましたけれども、現在の進め方の中で巨額の交付金、こういうものを前面に出して地域の合意形成を図ろうというふうに理解されかねないというのが今の状況ではないでしょうか。この点については、そのように感じるのは私だけではないのではないかと思っていますし、私としては地盤の問題、地盤が安定しているのか、輸送の面、そういったところで適しているのかとか、そういったものはやはり国が選定し、この対象が約900(カ所)あるわけですから、そういう状況の中で国がまず文献調査ということで、文献の過去の調査と言っていますけれども、これは市町村でないとできないものなのでしょうか。
 ですから、そういったことも含めて選定し、また都道府県、周辺自治体、今回の件もそうですけれども、さまざまな声が寄せられました。一方で、都道府県知事や周辺の自治体というのは、意見を申し述べるということもございません。ですから、都道府県や周辺自治体はもちろんのこととして、広く住民の皆さまに丁寧に説明して理解を得る。そういうことについて国が主体的に責任を持って検討する。これが私は望ましいのではないかというスタンスですので、そういった意味でもこのように申し上げているということです。

(時事通信)
 先ほどのお話で1点気になったのですけれど、誤解があったらすみません。「文献調査は市町村でやらなければいけないのでしょうか」という問題提起というのは、すなわち、文献調査の段階ではその地元のコンセンサスは取りあえず抜きにして、まず国が自由にフリーハンドでできるようにする、そういう設計に改めてはどうか。そういうことなのでしょうか。

(知事)
 ちょっと誤解を与えるような発言だったと思いますが、文献調査というのが過去の文献における事実関係の調査と、あと対話活動がございます。そういった過去の文献を掘り起こして、その地域が適切かどうかということについて言えば、それは、普通に調べられるのではないかと思います。ただ対話活動というのは、確かにその文献調査の中に大きな目的としてありますから、その部分というのは確かに国が一方的にやるということにはならないのだとは思うのですけれども、そういった点については、私は、普通に文献を調べて、ここはこういう問題があるとかは分かるのではないかと素人ながら思うということを申し上げました。

(時事通信)
 となると、今の法体系上の整理を振り返りつつですけれども、三つ調査があって地元のコンセンサスを得ながら進めていくという、そういう体系になっていると思うのですけれども、どういう形になるのが望ましいというふうに。

(知事)
 今言ったとおりです。ですから、いろんな課題があると思うのですけれども、そういった地盤が安定しているかとか、輸送に適しているのか、そういった観点から検討する。これは普通のことだと思います。今約900カ所対象があるわけですよね、可能性があるところが。そういった中で、国がそういった候補地を選定する、これは約900カ所がそれぞれやるよりは、普通の考え方なのではないでしょうか。その上で都道府県、周辺の自治体、当然こういったところに理解していただかなければならないわけですから、文献調査から先に行っても、例えば都道府県知事の意見を聞くわけですよね。ですからこれ、最初の段階でしっかり都道府県や周辺の皆さん、そういったところに丁寧に説明して、その上で理解を得て、それを国主体でやる。こういった責任を持った対応が必要なのではないかと私は考えます。

(時事通信)
 今の国のやり方ではちょっと不十分な感じがあるというふうに。

(知事)
 課題があるのではないかと思っています。

(時事通信)
 分かりました。それと核抜き条例、かねてから会見の中でも、十分処分方法が確立されていないというところで、一度見解を賜っていたことがあると思うのですけれども。今の地層処分という技術そのものは、世界的に最も合理的な手法だという、共通認識はあるのはこれ事実だと思うのですけれども、もし仮に北海道として、この技術が十分確立していないのだとすれば、日本の一地方が世界の共通見解に対して否定しているような、そういう構図になってしまうのかなと思って、どうしても何かすっと入ってこない部分があるのですけれども、これは、今も条例が指摘するところというのは、知事は間違いないものだと、そういう認識でしょうか。

(知事)
 これは条例上、処分技術が十分に確立されていないということでございますけれども、国のほうでも地層処分技術について信頼性を向上させるため、科学的知見の蓄積を踏まえた継続的な検討が必要なのだと、これは私が言っているわけではなくて、国が言っているわけですね。また、幌延深地層研究センターのみならず、他の地域でも地層処分の研究が行われているわけでありますから、そういった状況の中で、今研究開発が進められているというふうに私は認識します。

(朝日新聞) 
 先ほどの質問のこの文献調査の手続きが始まったことへの受け止めの際のご回答としてですね、道としてもさまざまなレベルで対話を重ねていきたいというふうにおっしゃったかと思うのですけれども、これはちょっと細かくて恐縮ですけれど、文献調査を受け入れた寿都町と神恵内村とさまざまなレベルで対話を重ねていくという、そういうことでよろしいのでしょうか。

(知事)
 はい。文献調査は2年程度でございます。その先、概要調査に移行するかどうかという話があります。今回文献調査が実施されるとなると、初めてのことです。ですから、どういった形で手続きや具体的なスケジュールが進んでいくのかについても、しっかり注視しなければなりませんし、その都度、さまざまなレベルで確認しなければならないことも出てくるかと思いますので、そういった取り組みについてはしっかり行っていきたいということで今お話をさせていただきました。

(朝日新聞)
 そうしますと、その今後2年間でと言われている文献調査の期間の中でも、道としてその必要な対話をされていくと。

(知事)
 必要なことはやっていかなくてはならない、これは当然のことだと思いますので、まだ全国で例がない中でどういったことができるのかについても、それは検討しながら対話を続けていきたいと思います。

(朝日新聞)
 今の段階で、具体的にどのようなことを対話をされていかれるのかということなのですけれども。

(知事)
 先ほど申し上げたように、何ができるのか、また何を行っていくことが妥当なのかということについて、しっかり考えていくことが大事だろうと思います。

(朝日新聞)
 知事がこれまで再三にわたっておっしゃっていたと思いますけれども、その道の核抜き条例を尊重してほしいというふうな、何て言いますか、その説得も重ねていくという、その対話の中にはそういった説得みたいなことも含むという認識でよろしいのでしょうか。

(知事)
 今回文献調査に手を挙げるか否かという状況の中で、それぞれの町村長とも直接お会いし、考え方などもお伝えしてきました。ですから、そういった意味では、それぞれ考え方については一定の理解をしていただいているのではないかと思いますけれども、これは、今後文献調査、これはいつから始まるというのは正式にまだ決まっていないわけでありますが、どのような形で進んでいくのかについては、全国でまだ行われた所はないわけですから、その中で基本的な考え方としては先ほど申し上げたような条例制定の趣旨も踏まえて、順守を引き続き働き掛けていかなければなりませんし、そういった取り組みについては、あらゆるレベルで行っていく。この考え方の中で、具体的な行動について検討していきたいと思います。

(朝日新聞)
 そうしますと、これまでも説得はされてこられたとは思うのですけれども、結果的に話としては平行線をたどってしまったというふうな、そういう結果として今はあると思うのですけれども、仮にそういうふうになったとしても、やはり道としてはこれはこれまでの主張を粘り強くお話を重ねていくという、そういった方針ということでしょうか。

(知事)
 文献調査から概要調査に移行する場合については、知事の意見を申し述べることができると。これは最終処分法上、位置付けられていますし、その場合、意に反して進むことはないということで、大臣もお話をされています。一方で、今回文献調査に手を挙げられる中で、そういった状況もご理解いただいているのかいないのかという部分についても、しっかり確認していかなければなりませんが、例えば概要調査や精密調査、その先の建設、そういったところに対してどういったお考えを持っていらっしゃるのか。こういったことについてはやはり、しっかり確認していかなければならないと思いますが、私の認識としては、知事が概要調査に移行しないということで、意思をはっきりさせれば、プロセスから外れると考えているものですから、そう考えると文献調査より先は、今の時点では進むことは難しいということを、大臣もお話をされていると私は理解しています。ただ、その点について、やはりそれぞれの町村、町長、村長がどのように受け止めていらっしゃるのか、この点については、ある程度状況、認識を共有する、そういったことが必要なのかと思います。

(TVh)
 ちょっと新型コロナウイルスに戻ってしまうのですけれども、昨日、静内高校のほうで、小中学校、高校まで合わせて初のクラスターが発生したということで、こちらの受け止めのほうを教えていただければと。

(知事)
 これは学校に限ることなく、クラスターが発生した際には迅速に対応し、感染拡大をしっかり抑え込んでいく、このことが重要であります。今回、学校におけるクラスターが発生した、このことに対しては、われわれとしてもしっかり受け止めなければならないと思います。また今日、冒頭お話をさせていただきましたけれども、偏見、差別、いじめなど人権侵害につながるようなことがないように、特にその点については注意しなければならないと学校現場でも当然認識していると思いますし、報道関係者の皆さまにもそういった側面からの引き続きのご理解とご協力をお願い申し上げたいと思います。

(TVh)
 昨日段階で静内高校8人のクラスターを確認しているということで、17日までに373人のPCR検査を実施するということでした。本日、先ほど発表があった道の発表分の新規感染者で、日高管内で12人ですか、新たにその感染というのが出ているのですけれども、本日ブリーフィングが行われないということで、ちょっとこの辺りクラスターが増えたのかどうか、ちょっと確認させていただければと思います。

(知事)
 それは後刻説明をさせていただきたいと思います。発表の時間とか、もう発表されたのですか。

(保健福祉部次長)
 速報が15時に出されました。速報のほうは15時にさせていただいていますので。17時にまた詳細の情報については、公表させていただくことになります。

(TVh)
 今現在分かっていないですか。

(保健福祉部次長)
 情報収集中です、今。

(HBC)
 脱はんこの動きについて伺いたいのですけれども、いわゆるはんこを使わないようにしようという動きが国や他の自治体でもありますけれども、道庁内ではですね、現在どのような場面ではんこを使用しているか。また国の脱はんこの動きに伴いまして、道庁内で何か具体的な取り組み始められていることがあれば伺えますでしょうか。

(知事) 
 これはそういった脱はんこの話が出る前から、道としては「Smart道庁」ということでさまざまな取り組みを行ってまいりましたし、申請手続きのオンライン化などに取り組んできたわけでありまして、本年7月に総務省から全国の都道府県に対して書面規制、押印、対面規制の見直しを進めるように通知がありました。この通知を踏まえて、本年の8月になりますけれども、道民の皆さまから申請をいただく許認可などの1768件の手続きを対象にいたしまして、押印の必要性の有無などについて全庁調査を実施いたしました。こうした中で、先日、河野行政改革担当大臣から、国の各府省における行政手続きでの押印について、印鑑証明が必要なものなどを除き原則廃止すべきといった発言がありました。私としても、この河野大臣のご発言、考え方に対して同じ思いを持っています。
 そして、道におけるこうした見直しについて加速するように指示しました。現在、担当課において、先ほど説明した調査結果を基に、押印が必要としている理由、廃止に当たっては法令の改正が必要であるなどのそういった課題を明確化するため、関係部署へのヒアリングなど、今順次進めています。押印を必要とする理由別に見直しの可否、時期といった内容を示す見直しの考え方、この見直しの考え方については、年内を目途にできるだけ早く取りまとめていく考えであります。そして、それを取りまとめた上で可能なものから速やかに実施する、そう考えています。

(HBC)
 今ほどですね、河野大臣の考え方について、知事も同じだというご発言がありましたけれども、知事としましてはどういう観点でですね、行政手続きの押印について廃止すべきというふうにお考えでいらっしゃいますでしょうか。

(知事)
 やはりこれは一部、はんこ文化に対する否定だみたいなお話もあるのですけれども、そういうことではなくて、押印という行政手続き上の手続きが容易にできるように、こういったコロナ禍で気付かされたさまざまな課題に対応するという観点から、やはり必要性があるだろうと思いますし、道民の皆さまに対するサービス向上の観点からも私は必要だと思っています。
 また、私も知事に就任してあらためて思ったのですけれども、例えば道職員が出勤するとはんこを押すのですね。この出勤簿のはんこ押印というのはこれ全国で北海道庁だけなのではないかというような記憶が私はあるのですけれども、それもやはり見直していくということも必要だと思いますし、今「Smart道庁」の中でもそういったことも当然一体的に議論していますけれども、今までなかなか変われなかったところについては、今回を契機として、道庁もしっかり変わっていかなくてはいけない。そして道民の皆さまに対して、どうやってサービスを向上させていくのかという観点で考えていくということが重要だと思っています。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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