知事臨時記者会見(令和2年2月26日)

知事臨時記者会見

  • 日時/令和2年2月26日(水) 14:31~14:56
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/24名(テレビカメラ7台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルスに係る学校への要請について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルスに係る学校への要請について(1)
  2. 新型コロナウイルスに係る学校への要請について(2)

知事からの話題

2.新型コロナウイルスに関連した患者の発生について

記者からの質問

3.新型コロナウイルスに関連した患者の発生について(1)
4.型コロナウイルスに関連した患者の発生について(2)

知事からの話題

新型コロナウイルスに係る学校への要請について

 私からお話をさせていただきます。新型コロナウイルス感染症についてでございます。報道等でもすでに皆さんご承知のとおりかと思いますけれども、2月27日、明日から3月4日までの7日間、全道の小中学校を休校とするということについて、各市町村の教育委員会、そして各市町村に対し要請させていただくことといたしました。
 この判断について、さまざまなご意見があると思いますけれども、ある意味で前例のない事態でありまして、また国についても、その答えを見出すことができない、そういった状況であろうと思います。
 まさに答えというものは、皆さんと共に作っていく、北海道の取り組みというものを作っていかなければならない、そういう状況の中で、この7日間休校という前例のない判断でございますけれども、皆さんのご理解、ご協力をいただきまして、そのような対応とさせていただきたいと思います。
 その背景について、少し皆さんにお話をしたいと思います。まずは、道内におきまして、児童、生徒、教員などにおいて感染者の方が確認されたという状況がございます。そのことに伴いまして、多くの保護者のみならず、道民の皆さま方から不安の声が寄せられてきているところでございます。
 そういった状況を踏まえまして、各市町村に多く存在する学校、教育に携わっております教員の皆さまをはじめとする方々の健康状況の徹底した把握、そして一定期間、子どもたち、児童、生徒については、休校という扱いをさせていただくという状況が必要だろうという判断でございます。
 特にこの1、2週間が、国も言っていますけれども、非常に大切な期間であるということを言っています。私もこの1、2週間がまさに勝負であると思っています。感染拡大防止にあって、極めて重要な期間だと思っています。なぜ1週間なのだという話もあると思います。それは一つは、この1、2週間の中でやるべきことは全てやるというのが私の方針でございまして、その中で2週間やれば良いではないかという声もあるかもしれませんが、保護者の方々にもご負担をお掛けします。そういう状況の中で1週間というのが、(休校を)受け入れるに当たって、保護者の方々にもご協力いただけるというところの一つの単位ではないかと考えました。
 この点について言えば、教育委員会、そして、国立感染症研究所の専門家の方などからもご助言をいただきながら、最終的には北海道の知事である私が、この7日間を一つ決めとして決定したということですので、この点については、何か別に前例があるわけではないですから、決めの世界だと思いますので、そのように対応させていただきたいということでございます。
 しかしながら、その間において状況の変化もあるかもしれません。これはなければないほうが絶対良いのですが、また学校などの教育現場における感染状況の確認などが判明したりだとか、これも状況を確実に見通せるという状況ではないわけですけれども、そういった状況変化については、当然のことながら、適切に対応していくということであります。
 また、この期間中に、では何をするのだという話ですが、子どもたちは、当然のことながら、多くの人々がいるようなところに行かれますと、そういった(感染の)リスクが高くなりますので、基本的には不要不急の外出を控えていただくとともに、今北海道の中で、新型コロナウイルスに関する正しい理解がない状況の中で、一部不適切な発言、例えばどこどこの地域に住んでいるお子さんだというだけで、残念な言葉を掛けられたといいますか、そういう状況もあるわけであります。この点については、やはり新型コロナウイルスに対する理解、これはお子さん、児童、生徒ももちろん、保護者の方々にもやはりしっかりと持っていただかなければならないと思いますので、こういった正しい知識を学ぶということについても、併せて行いたいと思っています。
 また、予定どおり3月4日までの休校措置が終わって、3月5日が学校再開ということになった場合は、その日を「感染症予防の日」といたしまして、児童、生徒の最初の登校に合わせまして、必要な授業や、感染症に対する正しい理解、そして偏見などにつながらないような形での、正しい知識の習得などについて、全道一斉の取り組みを行いたいと思っています。
 これは本当に道民運動です。北海道全体で、道民一人ひとりが、極めて厳しい局面の中で、いかにして力を合わせてこの厳しい状況を乗り越え、いち早くこの状況を脱するのかということが問われていると思います。
 当然、私は知事として、また道庁、市町村、行政庁が一丸となって取り組みを進めますけれども、何といっても、道民の皆さまお一人おひとりのお力添えがどうしても必要でございます。ですから、道民の皆さまには、引き続きどうか力を貸していただきたいと思います。
 今回の児童、生徒の対応にあっては、朝晩の体温測定につきまして、急のご案内にもかかわらず、多くの保護者の皆さまにご協力、ご理解をいただいていることも、この場をお借りして心から感謝申し上げたいと思います。
 そしてこの休校措置に伴いまして、やはり保護者の皆さんのご負担が増えるということがございます。この点については、やはり企業などに対しましても、そういった対応がご家庭において取れるような態勢に対する理解について、しっかりと要請、お願いをしていきたいと思っています。
 また、今回の会見に当たりまして、先ほど萩生田文部科学大臣に対して、私から電話をいたしました。そして、まずは今回1週間臨時休校ということで、国のほうは部分的な地域に対する休校の検討ということでございましたけれども、全道の休校ということでございまして、国の示している内容以上に踏み込んだ形での対応になりますので、そのことに対する理解をいただきたいということ。そして、先ほど申し上げましたとおり、子どもたちが新型コロナウイルスに対する正しい理解をしないことには、そういった偏見などが生じかねない。これは北海道だけのことではないのです。ですから、これは国として、文部科学省として、しっかり学校教育の中においてもやるべきことだと私は思います。ですからその点について、政府内の会議の場でも大臣からぜひお話を上げていただきたいということについてお話を申し上げました。
 また、先ほど申し上げた、保護者の方に対する負担、こういうことについても、われわれは国が動こうがどうだろうがやります。ただ、国としてもやってもらわないといけないことがございますので、文部科学省のほうから、そういった経済団体といいますか、そういうところに対してもご協力についてお願いしてほしいということも依頼しました。大臣も国会対応などもございましたので、ちょっと時間がなく言い尽くせない部分などもございましたから、これは文書で早急にまとめて、文部科学省に対して要望ということで上げたいと思っています。
 いずれにいたしましても、やるべきことを全てやるという基本的な価値感を皆さんと共有させていただきまして、前例のないことでございますので、そういった意味では、やり過ぎではないかと言われるご批判もあるかもしれません。しかしながら、そこは、政治判断というのは結果が全てでございますから、その結果責任というのは知事が負うわけですから、そこはしっかり私自身が負うということで、ご理解、ご協力をぜひいただきたいと思っております。
 私からは以上です。

記者からの質問

(読売新聞)
 先ほど、経済界のほうにも要請をしたいとのことでしたが、具体的に、道内経済団体、主要な4団体あるかと思いますが、どのような形で、いつの段階でどういった要請をされるのか教えてください。

(知事)
 できるだけ早く要請をしたいと思っています。その中身については、今の時点においても、体調不良などを訴えられて、例えば37度5分以上の熱がある場合について、企業側はその従業員の方に対して、自粛というかお休みくださいということも企業の中でされています。その取り扱いの中で、今回子どもたちが休校になりますから、特に低学年の子などは、保護者の方が一緒にいるということが必要な状況もあると思いますので、そういったことについて、会社としてご協力をお願いしたいということを呼び掛けていくことになろうと思います。
 どうしても皆さんそれぞれ働かれている中で、会社に対して、なかなか話しにくい、伝えにくいという環境もあると思いますので、そこは広く団体や企業の皆さんにも、とにかくこの1週間というのは、やるべきことを全てやるという対応をするので、ご協力をいただくことが、ひいては早期の北海道経済の回復もそうですし、感染拡大防止につながるものですから、そういったことをしっかりとお願いするということになると思います。

(読売新聞)
 具体的に要請先は、知事がある種団体に対して要請をされるということですか。

(知事)
 そうですね。そういった形で、団体からまたお伝えいただくというのが一番しっかり伝わっていくのではないかと思います。また、今回の会見もそうですし、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などもそうですし、とにかく決定から実行まで時間がないので、あらゆる媒体でお伝えするということについては、やっていきたいと思います。

(読売新聞)
 理由付けとしては、休校でお休みされるお子さんを考慮するために、企業にも要請をされるという理解でよろしいですか。

(知事)
 そうですね。

(読売新聞)
 あと、3月5日の感染症は何の日。

(知事)
 「感染症予防の日」、仮称ですけどね。

(読売新聞)
 予防の日。仮称。こちら全道一斉の登校日になるかと思うのですけれども、どういった取り組みをするか、再度教えていただけますか。

(知事)
 先ほど申し上げたように、休校中もやはり保護者の方や児童、生徒に対して、新型コロナウイルスはそもそも何かということもそうですし、何で私は家にいるのだろうということを、ちゃんと理解してもらわないと。ちょっと外出しようかなとか、そういうことになってしまいますので、そういったことはやはりしっかりお伝えしなければいけないと思っています。
 ただ、それとは別に、今回学校などで陽性反応が出ている中で、学校の授業として、やはりしっかり新型コロナウイルスに対する正しい知識を身に付けていただく、私はこう思うのですが、子どもが学校で学習してきたことは、家に帰って結構家族に話をしますよね。われわれもそういう意味では、子どもたちの話というのは、ある意味ではすごくストレートにしっかり聞けるところもあると思うのですが、やはり今回そういった学校関連で陽性の方が出たということは、ある意味では契機として、広く道民が正しい知識を得て、偏見などにつながるような部分も残念ながら出てきているところも含めて、しっかりと認識していこうという機会にしたいと思いますので、そういった内容についても先生方がしっかりそれぞれの学校などで考える時間も必要なのです。ですから、休校の期間中に、そういった授業においてどうやってやれば一番伝わるかということも、誰もやったことがないわけですから。どこの地域も。だからそこをしっかり休校期間中に各学校で先生たちにも考えていただく機会にもなると思います。

(読売新聞)
 休みの期間中、先生たちの中である種カリキュラムを組んでもらって、その休みの期間中、子どもたちにはそういう理解を深める時間にもなるかと思うのですけれども、その辺は子どもたち向けには何を考えているのですか。

(知事)
 今申し上げたように、何でお休みになっているのか、新型コロナウイルスに関する基本的なお話を、保護者の方や児童、生徒も分からないと、適切な行動が休校中にできませんから、そこについてはしっかり当然お伝えします。そして、登校されてきた時の授業としての中身を詰める作業、だいたい骨子みたいなものは、今道教委(北海道教育委員会)のほうで作っているのですけれど、学校ごとに特色もありますし、どうやれば最も伝わるのか、また学年ごとに伝え方は違うと思うのですよ。だからそういうところも含めて考えていきたいと思っています。

(読売新聞)
 大枠のカリキュラムは用意されているということで。

(知事)
 このようなパターンがあるのではないでしょうかというのは、今作っています。

(NHK)
 全道一斉に要請するということですけれども、札幌市の対応はどのように聞いていらっしゃいますか。

(知事)
 現時点で札幌市の方向性については決まっていないと聞いております。私自身、(北海道感染症危機管理)対策本部の中で、道教委に対して休校を検討してほしいということを要請し、道教委としてそれを受けた形で決定いただきました。この後の取り扱いについては、各教育長をはじめとする教育委員会、そして各市町村において判断していくという形になりますので、ぜひ私といたしましては、まさに今週と来週が勝負という状況の中で、この決断に至ったことも踏まえて、どうかご協力を多くの地域にいただきたいと思っています。

(NHK)
 札幌市については、知事が特段、直接お願いしたりとか、電話でとかありましたか。

(知事)
 札幌市長にもご連絡申し上げようとしているのですが、今議会中のようでして、議会に入ってしまって連絡が取れないという状況でございますので、引き続き、検討中ということでございますから、どういう状況を答えとして出されるかということはありますが、私としては、何とか難しい判断かもしれませんが、ご理解とご協力をいただきたいと思っています。

(NHK)
 あと、道内の感染者が増えるにつれ、知事の発信しているツイッターにも、休校にしてほしいという声が日に日に多くなっていたと思うのですけれども、それも今回の決断の後押しになりましたか。

(知事)
 あらゆる状況を考えながら判断をしております。当然それは道民の皆さまからの声というものも大切にしなければならないわけでありまして、今回の件は、先ほどから申し上げているとおり、前例がないわけですね。前回こうだったからこうするということがない。役所というのは、そういう判断が非常に弱いところなのですね。そんな中で、やはり首長が方向性を示した上で、最も適切な形に、協議をしながら決定していくという観点からすると、さまざまなご意見があると思いますけれども、私はこのような決定をさせていただいたということです。

(NHK)
 聞いているのは、ツイッターとかでの、休んでくださいというのは後押しになりましたかと伺っているのですが、やはりなりましたか。

(知事)
 当然、さまざまな声が寄せられています。道政相談センターだとか、いろんなところにもさまざまな声が寄せられていますので、当然そういう一つ一つの声をしっかり受け止めるということが大事だと思います。

(NHK)
 最後に一つなのですけれども、今回は1週間ということでしたけれども、高校受験とかいろんなこともありまして、本当は知事としては、2週間完全に、完全というわけではないけれどもやりたかったという気持ちはありますか。

(知事)
 高校受験なども控えている中学生がおりますので、補習対応などについては行いたいと思っています。確かにこの1、2週間が勝負という状況の中で考えると、2週間という考えもあるのかなと思いますけれども、保護者の皆さんに対する負担や、さまざまなことを総合的に判断した中で、1週間とさせていただきました。
 冒頭申し上げたように、前提条件が大きく変わるような事態があれば、その点については、やはりしっかり機動的にまた判断していくというふうに考えています。

知事からの話題

新型コロナウイルスに関連した患者の発生について

 質問の途中で大変恐縮でございますけれども、ただ今メモ入れというか、一報がございまして、新型コロナウイルスに関連した感染症患者の方が3名発生したという中で、その中に、昨日2月25日でございますけれども、お亡くなりになった方がいらっしゃいます。函館にお住まいの高齢者の方でございます。謹んでお悔やみを申し上げたいと思います。
 今入ってきた情報については、その範囲でございますけれども、この後詳細について、函館市より公表される予定ということでございます。いずれにいたしましても、道といたしましては、なお一層感染拡大の防止に全力を尽くしてまいりたいと思っております。

記者からの質問

(HBC)
 今の内容をもう1回確認してもよろしいですか。

(知事)
 繰り返しますね。本日、新型コロナウイルスに関連した感染症患者が3名発生し、その中に、昨日2月25日にお亡くなりになった方が入っておられたということでございます。3名が発生して、その中にお亡くなりになった方が含まれるということです。亡くなった後に確認したということかな。

(NHK)
 亡くなった後に検査したら、新型コロナウイルスに感染していたということですか。だからちゃんと発表してほしい。

(広報広聴課長)
 この後、第一報をまとめて道政記者クラブに配付させていただきます。

(知事)
 今、入ってきた情報の中でしか申し上げられないのは大変申し訳ないのですが、今の状況を整理しますと、お亡くなりになったのが2月25日ですので、お亡くなりになった後に検査をされたということですね。(亡くなる前に検査依頼は受けていたが、)お亡くなりになった後に検査をされて、(結果として)陽性ということ。函館にお住まいの方で、高齢者の方ということであります。大変申し訳ございませんけれども、詳細について函館市より公表される予定ということでございます。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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