知事臨時記者会見(令和2年2月17日)

知事臨時記者会見

  • 日時/令和2年2月17日(月) 14:11~14:36
  • 場所/記者会見室
  • 記者数/30名(テレビカメラ6台)

記者会見風景

知事顔写真

会見項目

知事からの話題

  1. 新型コロナウイルスに関連した肺炎への対応について

記者からの質問

  1. 新型コロナウイルスに関連した肺炎への対応について(1)
  2. 新型コロナウイルスに関連した肺炎への対応について(2)
  3. 新型コロナウイルスに関連した肺炎への対応について(3)
  4. 新型コロナウイルスに関連した肺炎への対応について(4)
  5. 新型コロナウイルスに関連した肺炎への対応について(5)

知事からの話題

新型コロナウイルスに関連した肺炎への対応について

 本日はお忙しい中、臨時の会見にお時間をいただきましてありがとうございます。私から新型コロナウイルス感染症についてお話をさせていただきたいと思います。
 まず、道内において1月28日に1例目の患者が判明した後に、速やかに(北海道)感染症危機管理対策本部を立ち上げまして、道として感染症対策に対応してきたところでございます。今後とも道民の皆さまの不安解消にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。2月14日に道内在住の方で初めて陽性と判明した患者については、まず、同日、皆さんに速報として陽性反応が出たということについて、その時点の情報をお知らせさせていただいたところです。当該患者は現在も入院されておりまして、人工呼吸器管理継続中であります。一日も早い回復を願っているところでございます。その後、積極的疫学調査を行いまして、この患者の濃厚接触者43名については、保健所が健康観察中でございます。このうち主治医が感染を疑った方など16名については、ウイルス検査を実施いたしまして、全て陰性が確認されたところでございます。今後とも健康観察を続けてまいります。
 また、これまで、感染者の発生状況については、国との調整によりまして統一した公表を行ってきたところでございましたが、この2例目の患者が発生した際に、事前に国から新たに公表した項目、国籍についてでございますけれども、道に伝えられていなかったといった行き違いがあったところでございます。ですから、国のほうは国籍を公表し、道としてはその公表に至らなかったという行き違いがあったところでございまして、この部分について、皆さんが不安を持たれたことに関して、率直に申し訳ないと思っているところでございます。また、昨日開催されました国の(新型コロナウイルス)感染症対策専門家会議において、脇田座長のほうからは、だるさ、発熱、呼吸器症状が出たら相談センターに電話をしてほしいというコメントや、さらに加藤厚生労働大臣からは、患者が増加する局面を想定した対策を今からとるべきであるという趣旨の発言があったところでございます。こうした中、北海道内でございますけれども、渡航歴がなく、感染経路が不明な感染者が発生するなど、これまでとは状況が異なっておりまして、さらなる感染拡大の防止や道民の皆さまの不安解消に向けた対応が必要であると私のほうで判断いたしました。道としては、これまで、先ほど申し上げたとおり、国との調整をし、統一した公表を行ってきたところでございますけれども、道独自に感染症の患者が発生した際には、その情報をタイムリーに公表、発信してまいりたいということを決めました。
 具体的に申し上げますと、これまでの公表内容に加えまして、患者ご本人や関係者の個人情報などに配慮しながら、国籍や職業、さらには居住地、受診した医療機関、行動歴、滞在歴を振興局単位で公表する予定でございます。その内容については、道のホームページに患者の情報などについて新たに掲載いたしまして、随時更新してまいりますので、報道機関の皆さまには正確な情報の周知をお願い申し上げたいと思います。今後とも感染症に関する正しい知識の普及を図りますとともに、個人情報の保護に留意した上で、感染症の発生状況や動向、原因に関する情報のほか、予防や受診に必要な情報の積極的な公表に努めてまいりたいと考えております。
 また、道民の皆さまに対しては、日常的な感染予防策としまして、これまでも重ねて申し上げてきたところでございますけれども、せきやくしゃみをする際にはマスクやハンカチなどで口や鼻を押さえるせきエチケットや、こまめな手洗い、うがい等にしっかりと取り組んでいただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。こうした感染予防対策をはじめ、感染の疑いのある方などを確実かつ適切に医療機関につなげるために、保健所に設置しております相談センターなどを有効に活用いたしまして、冷静に皆さまに行動していただけるよう、道民の皆さまに向けたリーフレットを作成いたしまして、幅広く啓発していく予定でございます。
 私からは以上でございます。ご協力よろしくお願い申し上げます。

記者からの質問

(北海道新聞)
 今回、実質的に公表基準を変更したという形になると思うのですけれども、先ほど、より分かりやすい情報発信ということもありましたが、14日夜に公開した情報に関しては、道民からご批判の声も相次いでおりました。そういったご批判の声に対して、どう受け止められますでしょうか。

(知事)
 道民の皆さまが不安に思われている中において、先ほど申し上げた、まず1点目といたしましては、その国籍の公表にあたって国との行き違いがあって、その点で、さらに皆さまに対するそういった不安の気持ちを、結果として増す結果になってしまったということがまず率直にあると思います。
 また、北海道は大変広域な行政面積を有する中において、北海道という範囲での公開になったわけでございますけれども、その点について、各振興局単位という公表範囲とさせていただいたわけでございます。市町村単位ということはなかなか難しいかもしれないけれども、そういった範囲では、公表が必要ではないかという率直な意見も多く寄せられました。そうした多くの道民の皆さまの声も踏まえまして、今回、公表内容について改めるということとしたところであります。
 また、先ほど申し上げました濃厚接触者についても、他県では具体的な数字の公表などを行っていないところもございます。ただ、その濃厚接触者がどれぐらいの人数がいるかによって、接触した方々の規模感が分かるだろうということと、先ほど言った検査(結果)が陰性だということなども公表していくことによって、しっかりとわれわれが保健所などと対応していることもお知らせすることにもつながるだろうということで、他県での公表がない状況もございますけれども、道としては公表していこうということで決めたところでございますので、ぜひそこも併せて周知いただければありがたいなと思っています。

(北海道新聞)
 もう1点だけ。この会見の本当に直前まで、道内各地でうちの地域ではないかというような声がいろいろと上がっておりました。先ほどの重ねての確認になりますけれども、14日のこの国籍に限らず職業や居住地域を公表しなかったという当時の対応は、適切ではなかったという認識でしょうか。

(知事)
 これは二つあると思っていまして、まず1点目は、先ほど申し上げましたけれども、検査を行って陽性反応が出たということについて、まず、速やかに皆さまにお知らせすることが重要だということで、陽性反応が出てから1時間ちょっとぐらいで陽性反応が出たことをお知らせさせていただくということと、積極的疫学調査をやりました。状況が判明していない中で、不確実な情報は皆さまにお伝えをすることができない状況もございました。ですから、あの時点で一部、確かに居住の状況だとか、今人工呼吸器を装着されていてICU(集中治療室)に入られている状況もございました。そういったご家族の方々にも確認を要することもございましたので、そういった点で言えば、あの時点での発信の中で今と同じような情報が発信できたかというのは、できなかった部分もございます。とはいえども国籍の話だとか、あとは今後の見通しですね。今はこういう情報だけれども、今後は疫学調査を進めてこういう情報を皆さんにお示しします。今この場面の記者会見ではここまでしか言えないのですよ、申し訳ない、ということを冒頭言えば、記者の方々もそうかと、今この状況なのだなと、追加でこれぐらいのタイミングでこういう情報が来るのだなと分かれば、また違ったと思うのです。そういった点は、記者の皆さんへの説明の中で、一部丁寧な説明が不足していた部分はあったのではないかと思っています。

(NHK)
 2人目の道内の方に関して、今回、紙(配付資料)でも情報提供されておりますけれども、1人目の中国人の感染者の方についても、行動範囲も含めて、この基準を適用した上で今後公表されるおつもりなのか、お考えをお聞かせ願えますでしょうか。

(知事)
 基本的には、1例目については濃厚接触者、いわゆる一緒に行動されていた方2名についても健康観察が終了し、陽性反応が出た方についても、状況はクリアに、2度の陰性ということになっています。
 われわれとしては、公表することによって、例えばこれは一つの事例で挙げておりますけれども、皆さんにこれ(資料)をお配りしていると思うのですが、例えば移動にあって長距離バスなどを利用されていて、濃厚接触の可能性がある方が特定できないだとか、そういった可能性がある場合については、それはこれからもしっかり公表していきますけれども、いたずらに皆さんの不安を助長するような形での情報発信というのは適切ではないと思っていますので、そういった意味での考え方の中で整理するということになろうと思っています。
 1例目については、そういった意味では、情報発信や公表に当たっては、適切な形で対応ができていると考えています。

(朝日新聞)
 いろいろたくさんあるのですけれども、まず国籍、居住地、振興局管内とあるのですが、振興局といっても北海道の場合、一つの県ぐらいの広さのあるところもありますし、あと職業についても、会社員、公務員とありますけれども、他の県ではタクシー運転手とか、あるいはバス運転手とか、要は他に感染させている可能性のある職業とか、そういうふうな可能性も分かるような公表をしている県もあります。今回の変更した公表基準で、知事は十分であると思われますでしょうか。

(知事)
 まず、振興局単位で公表する部分でございますけれども、これはいろいろご意見があるということは承知しています。ただ一方では、地方本部として振興局単位で対策本部を立ち上げていますので、そこと連動して有効に機能させようという取り組みがまず1点あります。
 また、振興局の中にさまざま今お話のあったとおり、人口や他県並みの広大な面積があるのではないかというお話がありますけれども、例えば小規模な市町村において言うと、情報が公表されることによって個人が特定される可能性もあるわけです。ですから、そういったところを総合的に勘案した中で、振興局単位とさせていただきました。先ほどの職業の話とも通じるところがあるのですが、やはりケース、ケースでいろいろ異なってくる部分もございます。例えば、和歌山県の医療機関における対応だとか、院内感染が認められるような状況が出てきた場合など、それは病院を特定する結果として、発生自治体が明らかになるわけです。
 ですから、そういった意味では、基本的には、そういった公衆衛生上の必要性ですとか、個人情報保護の観点というのを当然考慮しないといけないのですけれども、基本的には積極的に情報発信をしていきます。ただ、それも本当にケースごとに背景が違うのですね。ですから、疫学調査も進めながら、どういった影響があるのかというのをしっかりと理解した上で、ただそれをじっくり待っていて公開するのでは遅いですから、まずしっかり陽性反応が出たら皆さんにお知らせをしますし、公開可能な範囲でしっかりお伝えし、やっていかなければならないと思います。
 その上で、今回は、今まで国と統一の基準でしたから。要は、国と違った対応という形では考えていなかったところ、道としてはやはり単独でもこういうことを公表しようと1回整理したので、またケースが出てきた場合については、その理由も含めてしっかり説明し、積極的に公表していくというのを基本的な観点としておきたいと思っています。

(朝日新聞)
 例えば自営業と言ってもいろいろあると思うのですけれども、例えばお店を開くとか、そういった場合はいろいろな不特定多数の方が出入りして、濃厚接触する可能性もあると思うのですけれども、そういう可能性は今回はないということでよろしいでしょうか。

(知事)
 今、ケース、ケースというお話をしましたけれども、今回自営業ということで公表させていただいているところですけれども、会った人が特定できるという中で、濃厚接触が確認された方について、14日間健康観察を行うという中で、しっかりと抑えられるという状況の中で、当然ご本人の同意なども踏まえた上で公表させていただいたということです。

(朝日新聞)
 あと、先週14日の(地域保健)課長のブリーフィングで、どこの保健所の管内だとか、どこの衛生研究所の、道内の衛生研究所で、道立衛生研究所かどうかは言えないという発言があったりとかというようなこともあったのですが、今回というか、これからはそれは言えることになるのでしょうか。

(知事)
 いいえ、それは基本的には、道内の衛生研究所ということになります。というのは、当然、保健所設置市と道立の保健所で管轄地域というのが明らかですから、それを公表することイコールいわゆる保健所設置市の中でそういったことが起きたということが明らかに分かってしまいますから。そういった観点から考えれば、振興局単位の公表と保健所設置市など検査実施主体などが結果として明らかになってしまうわけですから、その点については、今基本的には振興局単位で合わせてご説明させていただくということであります。 ただ、これからあらゆる動きが出てくる可能性があります。そういったことは起きてほしくないですが、今1件陽性反応ということですけれども、こういったものが拡大していく状況だったり、いろんなことが今後想定されますから、その中でどういった形でそれぞれの組織が最大限皆さんへの説明責任や、道民の皆さんに対する説明のみならず、道民に届けてくださるマスコミの皆さんに対してどうお伝えしていくことが最も適切なのかということについても、それは今の時点ではこういった形が望ましいのではないかと思っています。

(読売新聞)
 先ほど、小規模であれば市町村が特定されるなど、ケースによって異なるとおっしゃっていましたが、石狩振興局管内は、札幌市であったり、千歳市であったり、かなり人口が多い地域だと思います。これらのケースで公表を控えることは、現実として人数が増えたり、濃厚接触者がかなりの人数に及んだ場合に考えられるのかなと思うのですが、知事はどういうケースをお考えですか。

(知事)
 今、お話のあった質問というのは、その前にご質問のあった件と同じで、今は、こういった対応をさせていただきたいと、これは決めの世界だと思うので、今はまず、振興局単位で対策本部の設置をし、そことかみ合わせて、連動させて対応していきますけれども、今後、何が起きるかということをこの中で予見できている人はこの中にたぶんいないと思うのですけれども、その中で、限られた行政資源をどう最大限活用していくかという観点と、あとは道民の皆さまに対して適切に情報提供をしていくこと、また、個人情報保護の観点や公衆衛生上の必要性など、さまざまな状況をケースごとに判断して、適切なあり方というのを考えていくと。ただ、その上で、皆さんに重ねて申し上げたいのは、やはり積極的に情報を公表していくという視点で考えていくということについては、理解していただきたいと思います。

(読売新聞)
 自営業という点では、タクシー運転手であったり、バスだと自営だと私はあんまり想像はつかないのですけれども、こういう不特定多数の方と接触をする可能性が非常に高いと思うのですが、濃厚接触者がこれ以上増えることはないというふうに考えていますか。

(知事)
 いわゆる疫学調査は継続中でございますから、当然、今、現時点における濃厚接触者の人数は43名と申し上げましたけれども、現在、進めているところですから、この人数というのを固定的に考えていただくということではない、今後増えていく可能性があると考えていただいて。

(読売新聞)
 ただ、この公表内容は、現時点では最大限であるということでしょうか。

(知事)
 先ほど申し上げましたけれども、現時点における情報として皆さんにお話をしています。先ほどお話しした濃厚接触者が43名いらっしゃいます。そのうち、ドクターが感染を疑った方など16名については、陰性でしたというお話はしました。ですから、これは、現時点における情報として皆さんにお話をさせていただきましたので、この状況というのは変化していく可能性があるということになります。その情報についても、皆さんにお知らせをしていくということです。

(読売新聞)
 今、濃厚接触者の43人とありましたが、1人目の方の時には2人ということで、今回43人。これの数が増えた評価ですね、現時点で。全国的にも新局面に入ったとか、そういうような状況の変化があると思いますけれども、その辺も踏まえて、この43という数字を知事ご自身どういうふうに評価されているのでしょうか。

(知事)
 まずは、現時点でのそういった調査上、ご家族や同僚、患者、ご本人が受診した医療機関の医療従事者など、合計43名を特定したというところでございまして、われわれとしてはそういった意味では限られた時間の中で積極的な疫学調査があって、一定の特定ができると思っています。
 いわゆる濃厚接触者の人数についての評価ということでございますけれども、それが多いとか少ないとか、そういったことを私はこの場で申し上げるということは差し控えたいと思います。
 いずれにしても、今回陽性になっている方に対する濃厚接触者については、一定の特定を今もできていますし、これからもしっかり対応をしていくということに尽きると思います。


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。(文責:広報広聴課)

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