知事定例記者会見(平成31年3月6日)

知事定例記者会見

・日時/平成31年3月6日(水) 15:40~16:01
・場所/議会記者室
・記者数/25名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 平成31年第1回定例会の閉会にあたって
2 胆振東部地震から6カ月を経過して

記者からの質問

1 4期16年を振り返って
 

知事からの話題

 

平成31年第1回定例会の閉会にあたって

 それでは、私から2点、お話をいたします。
 一つは、平成31年第1回定例会の閉会についてでございます。本日、北海道議会の平成31年第1回定例会が閉会いたしました。私にとって最後の定例会を終えたということでございます。
 先ほど、議長のお許しをいただきまして、16年間の道政運営への思い、そして議員の方々への感謝を申し上げたところであります。
 16年、私にとっては、短いようで長いようで短いのですけれども、いずれにしても、この年月を振り返りますと感慨深いものがございます。そして、私と同時に引退をされる先生方とも、本当にいろいろな思い出がございまして、心から感謝を申し上げる次第であります。
 本日、一般会計で、総額2兆6,097億円の当初予算案と種子条例等の58の条例案を可決いただいたところでございます。
 また懸案となっておりますJR問題について、さまざまなご議論があったわけでありますが、これから2年後の法改正も視野に入れた新たな検討の場というものを早く設置すべきであるというご指摘があったところでございまして、これは、庁内であらためていろいろな議論をして、私の任期中に、できる限り早期の設置に向けて関係者との調整を急いでまいりたいと、こんなふうに思っているところでございます。
 これからもしっかり仕事をやっていかなければということを思っている次第であります。

 

胆振東部地震から6カ月を経過して

 それから、もう一つは、胆振東部地震から6カ月を経過してということであります。
 昨年9月6日発生の胆振東部地震から半年という状況であります。あらためて、犠牲となられた方々に対して、心からご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げる次第でございます。
 これまでの間、国内外の多くの皆さま方からボランティア活動、あるいはお見舞金、義援金、それからメッセージ、多大なる励ましのお言葉もいただいてきたところでありまして、それぞれの皆さま方、関係機関に対して厚く御礼を申し上げる次第であります。
 多くの道民の皆さま、そして関係する方々のたゆまぬ努力によりまして、被災地域の復旧・復興に向けた取り組みは着実に進められていると認識しているところでありますが、そういった中で、先月(2月)21日、木曜日の夜でしたが、震度6弱という大きな余震が発生いたしました。幸いにも人的被害という意味では、軽傷の方が何人かおられましたけれども、若干安堵したところであります。気象台の見立てでは、引き続き、一連の地震の発生も想定されるということでありますので、道民の皆さま方の安全・安心を守るため、緊張感を持ってこれからも対応していかなければならない、こんなふうに考えているところであります。
 議会の一般質問が終わった次の日26日に、3町を訪問させていただきまして、その直前にございました余震による被害の状況、それからこの半年間の復興の状況などの確認と、首長の方々との意見交換もさせていただきました。
 むかわ町では、鵡川高校野球部の生徒寮の仮設住宅、鵡川高校は強豪校でありますので、すべての寮生は今のところ道内出身の高校生だと聞いておりまして、町外の方が野球部に来られるので、仮設住宅に入居しているということでありました。今は試験の直前だということで、皆さんが勉強しておられるところに参りました。それから同じむかわ町で、有名なししゃも店もあるメインの商店街が大きな被害を受けたというのは、昨年拝見させていただいたのですが、その中の何人かの方々が仮設の商店を作りたいということで、その仮設商店も大方出来上がっておりましたので拝見させていただきました。「ここでたい焼き屋をやるんだ」という方ともお話しできてうれしかったです。
 それから厚真町のほうでは、全国初となる大規模な福祉仮設住宅を拝見させていただきました。ここは厚真町の高齢者の方々、あるいは障がいのある方々が安心して戻ってこられたという意味でも良かったのでありますが、100人近い方々がそこで働いておられるということでありまして、町にとっては大変大きな雇用の場も確保させていただいたということをあらためて認識させていただきました。
 安平町のほうでは、早来中学校の仮設校舎を拝見させていただきました。安平町では、今回の中学校の被災を踏まえて、小中一貫校を目指したいと、それを計画しているというお話もございまして、これは今の少子化の中で北海道内で各地域が模索をしておられる一つの教育の姿でございますので、大いに応援させていただくということを申し上げたところであります。
 それぞれの町が、首長、そして役場が中心となって、それぞれの思いで復旧・復興に向けて進んでおられるわけでありますが、私自身、3町長、そしてそれぞれの地域の方々とお話をさせていただく中で、あらためて復興に向けた取り組みを加速していかなければならない、この思いを強くしたところであります。
 また、被災された仮設住宅に入っておられる方々のアンケート調査を、いくつかのマスコミの方々がやっておられるのを拝見し勉強させていただきました。
 昨年、冬本番の直前に、応急仮設住宅が3町とも整備され、それまで避難所でプライバシーも確保されない中で不便な生活をしておられた方々が、それぞれのプライバシーが守られる応急仮設住宅にお入りいただくことができ、お正月を過ごすことができたことは、これはもうそれぞれ安堵されたのだと思うわけでありますが、年が明けますと、この応急仮設住宅への入居は2年が期限であるということ。そういうご認識の中で、その後のご不安ということが、それぞれの立場で皆さまが思われるのは当然のことであります。
 だからこそ今、これは厚真町長とも相当前から議論しておりますが、その先どうやって、被災された方々に地域で安心して暮らしていただくのか。このことを達成するために、住まい、暮らしの再建、そして地域産業の振興に向けた取り組み、これをしっかりと進めていかなければならないと考えているところであります。
 今後も地域の皆さま方のご意見も十分に伺いながら、本日、可決いただいた復興関連予算、そして今月中に策定を予定しております復旧・復興方針のもと、営農の再開、あるいは森林の再生などに向けた取り組みを進めてまいるとともに、町が実施する復興に向けた取り組みを支援することなど、国、関係機関、団体等と密接に連携しながら、1日も早い復旧・復興、これを果たしていかなければならない。私の任期以降は次の知事に引き継がなければならない部分もあるわけでありますが、そういったことを通じて北海道がさらに発展をしていくことができる、私の任期内は、このことに全力で取り組んでまいりたいと、このように考えているところであります。
 それからもう一つ、2011年、平成23年の東日本大震災から間もなく8年であります。あらためて、亡くなられた方々のご冥福、そして今なお行方不明でいらっしゃる方々の1日も早いご帰還を心からお祈りするところであります。
 そういった中で、道といたしましては、国による住宅の無償供与が終了した道内への避難者の方々に対し、低所得者世帯の家賃負担の激変緩和を図るために、2017年度から福島県による支援と合わせて家賃補助を実施してきたところでありますが、福島県や道と同様に独自の支援を行ってこられた他県の状況も踏まえて、今年度いっぱいでこういった支援を終えることとしたところであります。
 しかしながら、今なお道内には、支援対象となっておられる避難者の方々も含め、約
1,500名余りの方々が大変なご苦労をされながら、日々の生活を送っておられるという現実があるわけでありまして、引き続き、私どもとして情報紙の発行、あるいは電話相談などといった心のケア事業など、きめ細やかな対応を行ってまいりたいと、こんなふうに考えているところであります。
 私からは以上2件であります。

 

 

記者からの質問

(読売新聞)
 議場でも話されていましたし、会見の冒頭でもおっしゃいましたけれども、知事として今日、最後の道議会定例会をお迎えになったということで、議場でも万感迫る思いがあると述べていらっしゃいましたけれども、あらためて今の心情、最後の道議会を終えた心情をお聞かせください。

(知事)
 分かりました。そうですね、いろいろなことがあったなあと振り返っているのですけれども、今まで申し上げたことだと全然面白くないので、別のことをいくつか申し上げます。私の記憶では、実は私は2回かな(実際には3回)。どうしても道議会の出席がかなわない日がございました。
 一つは、2004年、私が知事に就任後初の当初予算のご審議をいただく、第1回定例会だったのですが、胃がんの手術の直後で、ドクターストップまではいかないけれども、やはり療養すべしというお話もございまして、ほぼ出席できませんでしたので、副知事にお任せいたしました。ただ、やはりそれでは議員の方々に申し訳ないと思って、最終日に出席をさせていただいた記憶があります。
 それからもう1回は、何年前だったか忘れたのですが(2010年第2回定例会)、風邪を引いて声が出なくなりまして、それで4日間、やはり欠席せざるを得なかったことがございます(このほか2014年第3回定例会も2日間欠席)。16年やっていると、そのようなことは他県の知事もあるのかもしれませんが、道議会の先生方に対して大変申し訳ないという、私の思いであります。
 あとは、振り返ってということで、16年もありましたので、先ほど道議会で、いろいろなことを申し上げました。道知事というのは、国で言えば総理大臣と一緒で、全方位のすべての政策分野、課題に対応する立場でありますので、全部お話ししていたらきりがないのでちょっと考えたのです。2点に絞ってお話しいたします。
 一つは、私が引き継いだ時、とにかく道の財政再建が待ったなしでありました。このまま推移したら破綻ですと。当時は夕張市の財政破綻は、世の中に出ていなかったタイミングでありまして、広域自治体としての財政運営に大変な危機感を持って臨みました。周りの財政関係の職員も新知事になるのを、「待ってました」という形で、さまざまな説明も、厳しい厳しいという説明をされて、もう全国一の取り組みをしない限りは乗り切れないということで、一時期はすべての職員の方々に対して、これはもう新規採用の方も含めてでありますが、10パーセントの給与カット。もちろん、こういうものは、上には厳しくやりますので、私も相当厳しい削減を行いましたが、若干ジョークですけれども、私は共稼ぎですので、そんなに個人の家計としては響かなかったのですが、副知事や部長には大変申し訳ない、そして一般の職員の方々に本当に申し訳ないと思いながら、こういう給与カットも含めて、相当の財政再建をやらせていただきました。
 これも、いろいろな数字がありますが、私どもとして思いますのは、臨時財政対策債、これも形式的には道債の残高の一部として位置付けられるものでありますが、財政にお詳しい方々はご存じのとおり、これは本来、交付税として国からいただけるはずのものを、国のほうがお金がないので、それぞれの広域自治体の債務として積み上げるというものでありまして、この臨財債を除いた形で言えば、2003年、私の就任時に5兆900億円あった道債残高は、3兆8,700億円まで減ってきております。これは本当に職員の方々をはじめ、皆さま方のご協力のたまものであるというふうに感謝を申し上げる次第であります。
 しかしながら、どなたがお考えになってもお分かりになると思いますが、今でもやはりこの広大な北海道というのは行政サービスのコストが掛かります。例えば、面積の狭いところに、人がたくさん住んでおられるのであれば、サービスの提供でも、移動時間一つとっても、コンパクトにできると思いますが、北海道はそれができませんので、行政コストが高いという構造的な問題がありまして、大変厳しい財政状況は変わっておりません。
 このことを引き続き認識しながら、贅沢はできないわけでありますが、ただ若干は政策的なことに予算を回せる余地も出てまいりましたので、このことが一つ、16年間皆さんと一緒にやらせていただいたなというふうに思います。
 もう一つは、グローバルな面であります。
 ここにおられる方、皆さんも全然覚えておられないかもしれませんが、2006年、私が就任した3年後に「日中韓観光担当大臣会合」を北海道で開催して、こういうグローバルでマルチな会合を、たぶん初めて誘致をさせていただきました。当時の北側さんという観光立国担当大臣、国土交通大臣が大阪のご出身の方で、日中韓のこのような形の会合は、これが初だったのですが、自分は地元の大阪ではなくて、ぜひ北海道でやりたいということを言っていただいて、釧路と旭川と札幌と3極移動する。当時はものすごくおおらかだったのですね。2泊3日で回らせていただきました。
 そして、その際に、今は結構厳しいお顔で対日批判なども、最近はされていないかな、しておられたことのある王毅(おう・き)さんという、中国の外交部長、彼が当時の駐日大使で、北海道に来られましたね。日本語がとてもお上手な方で、私もその時お話しさせていただいたことを大変印象深く残っているわけでありますが、その後、ご案内のとおり2008年に「北海道洞爺湖サミット」の誘致に成功いたしました。世界の20を超える国々のトップの方々にこの北海道にお越しいただいた。そしてそれぞれの方々が国に戻って、北海道はこういうところだったということをPRしていただいた。
 このあたりから、北海道にインバウンドというか、海外からの北海道ブランドに対する、食を含めて観光スポットとしての素晴らしさ、そういったことを見ていただける機会になってきたかなというふうに思うわけであります。その次の年、これも皆さんもご記憶にあまりないかもしれませんが、麻生政権の時に、「太平洋・島サミット」をトマムリゾートで開催いただきました。この時は南の島の首脳の方々が集まられて、北の寒い地域での会合を大変楽しんでいただきました。その後、民主党政権時代も、私は保守系の知事ではありましたが、誘致活動させていただいたのに対して、政府サイドが呼応していただいて、「APEC貿易担当大臣会合」をやっていただきました。これは札幌で開催されました。
 そして、2018年、昨年は「日中知事省長フォーラム」、李克強(り・こくきょう)総理のご来道ということもございました。そして、今年の秋の「G20観光大臣会合」の開催決定というような形で、グローバルの面もですね、みんなで力を合わせての結果でありますが、いろいろな思い出ができたなというふうに振り返っているところであります。すみません、少し長くなりました。別の機会にまた別の分野もぜひ聞いてください。ありがとうございました。

 


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。 (文責 広報広聴課)

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