知事定例記者会見(平成30年7月19日)

知事定例記者会見

・日時/平成30年7月19日(木) 16:00~16:38
・場所/記者会見室
・記者数/25名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

  1 北海道への行幸啓について
  2  縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた国内推薦候補選定について
  3 全国知事会議in北海道について

記者からの質問

 1 旧優生保護法について
 2 縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた国内推薦候補選定について
 3 IR(統合型リゾート)について
 4 農作物の生育状況等について
 5 職員の不祥事について
 6 日EU・EPAについて
 7 JR北海道の事業範囲の見直しについて

知事からの話題

 

北海道への行幸啓について

〔配付資料:北海道行幸啓の概要(PDF)〕
 私から3点お話をいたします。
 一つ目は、本日、宮内庁と同時に報道発表させていただきました。皆さま方のお手元にも15時に配付させていただいた資料があると思いますが、天皇皇后両陛下には、来る8月3日から5日まで3日間の御日程で、道内を行幸啓いただくこととなったところであります。
 天皇陛下の御来道は、2011年9月以来、また、両陛下そろっての御来道は、2007年6月以来ということであります。御日程につきましては、5日に札幌市内において私どもが主催させていただき開催いたします「北海道150年記念式典」に御臨席を賜りますほか、地方事情の御視察として、北広島市の障がいのある方々を働き手として迎えておられる農園、利尻島にある利尻町のウニ種苗(しゅびょう)生産センター、利尻富士町のオタトマリ沼などにお立ち寄りいただく予定といたしているところであります。利尻島には飛行機でご移動ということでありますので、天候の状況によっては行程の変更などもあり得るものであります。
 私ども道民にとって、大きな節目、北海道命名150年の節目をお祝いする記念式典に両陛下の御臨席を賜り、併せて本道の事情を御視察いただくことは、この上ない慶びであり、道民の皆さま方と共に心からお待ち申し上げる次第であります。

縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた国内推薦候補選定について

 二つ目でありますが、ここにいくつかのぼりなどもありますが、本日午前中に政府の文化審議会世界文化遺産部会が開催され、その場におきまして、「北海道・北東北の縄文遺跡群」が、今年度の文化遺産の推薦候補に選定されたというご連絡を頂戴したところであります。13時に東京で発表があったと聞いております。
 今回の結果は、縄文遺跡群が自然との共生のもと、縄文ということでありますので、採集中心の文化であったにもかかわらず、1万年以上前から定住が開始されたということで発展・成熟した人類史上極めてまれな先史文化を現代に伝える貴重で高い価値が認められたということを、北東北三県の皆さま方とともに大変うれしく思う次第であります。
 一昨日、三村青森県知事と私とともに、秋田県と岩手県の教育長も参加される形で最後の要請活動を文部科学大臣などに対して行ったところでありまして、そういった中での今回の決定ということを大変うれしく思う次第であります。一方でお伺いしているところによりますと、文化遺産と自然遺産それぞれの国内の推薦枠の中で、どちらか1カ所を日本の代表としてユネスコへ推薦ということのようでありまして、これは予定では来年の1月に決定の方向のようでありますので、さらに関係諸方面への働き掛けを強くしてまいりたいと、このように思っているところであります。

全国知事会議in北海道について

 三つ目でありますが、北海道における全国知事会議の開催についてであります。来週の26日から27日まで、2日間にわたって、札幌市内におきまして全国知事会議が開催されます。道内における開催は、平成6年以来24年ぶりということになっているところであります。都道府県の数は47でありますが、私ども道庁として、北海道命名150年事業の一環として誘致をさせていただいたものでありまして、24年ぶりの開催ということであります。全国から多くの知事がお集まりになられるこの機会を捉えて、PR展示などにより、北海道の歴史、文化、食、自然など多様な魅力を発信したいと、このように考えているところであります。私からは以上3点であります。

 

記者からの質問

(HBC)
 昨日、優生保護について会見がありまして、事業所、医療機関ですとか、福祉施設の文書の保存状況に関する調査結果が公表されたのですけれども、われわれの取材では、文書の保存とは別に、優生保護の法律を拡大解釈して法律にのっとらない手術、例えば、女性の生理の介助が大変だからといって子宮を摘出してしまったというような証言も出ているのですけれども、ただ、われわれは当該施設にそういったことを尋ねても、記憶がないだとか、個人情報だとかで答えようがないというような回答を得ております。ただ、道にはそういった当時の優生保護に基づかない手術がどれだけあったのかという実態調査も期待したいところなのですけれども、どのような調査をするにしても、個人情報保護法が壁になっています。今後、医療機関や福祉施設が、個人情報を巡る対応というのは、救済するにあたっても重要なものだと思うのですけれども、その辺に対する今後の取り組みと言いますか、対応についてお考えがあればお願いします。

(知事)
 分かりました。今のご質問の一つのポイントは、法律に基づく措置自体が、今考えれば大変遺憾な措置であったわけでありますが、それをさらに超えて、さまざまな手術や措置がかつて行われたのではないかという証言も一部ありますので、その調査もすべきではないかということだったと思います。もう一つは、昨日、私どもから、道内医療機関、障がい者施設等にお願いをして回収した資料の調査結果の中で、107名という個人が特定されましたけれども、その個人情報を行政庁たる道に提供を求めることはできないという中で、十分な救済措置が行われるかどうかと、それについて何か思いがあるかと、その二つだと思います。前者の話も、報道を通じてわれわれも承知しているところでありますが、今段階で、そこまで調査を広げるということよりも、まずは過去に道内各施設において旧優生保護法に基づいて行われたことについての救済というコアの部分をまず固めて、その上でそれ以外の部分についても、国とも連携をしながら、どのように対応していくかという、そういう議論の流れではないかと思う次第であります。そして、旧優生保護法に基づく過去の道内医療機関等における手術等についてでありますけれども、これは昨日も担当からご説明申し上げたと思うのですが、個人名まで分かった方々が107人おられまして、それがどういう方々かということを、私ども道が行政庁としてご提供いただくということは、個人情報保護法という法律上できないと。一方で、その情報を踏まえて訴訟したいと思われる個人や親族の方が、当該病院や施設に直接情報開示の申請をされる場合には、とても手間が掛かりますけれども、道が情報開示請求の申請者の拡大を審査会(北海道情報公開・個人情報保護審査会)の答申を得て広げたということを前にご報告しましたが、それはあくまで道に対する情報開示請求の請求者の幅を広げるということでありますので、一般の道内の他の医療機関、あるいは福祉施設等への情報開示請求については、やはり依然として、大変狭い範囲の、ご本人を原則とする方々しか申請できないという問題もあるところであります。また、道がそういった情報を入手することができないことによって、われわれは相談窓口も開設しておりますし、それからわれわれが持っている氏名と重複があるかどうかというチェックもできないということなど、これから国、あるいは国会議員の有志の方々が中心となって検討を始めておられる救済措置というものが、十分にきめ細やかに、かつて、つらい思いをされた方々あるいはそのご親族の方々に行き及ぶのかどうかということについて疑義なしとしないと、と感じているところであります。であるからこそ、私どもはすでに国に対して6月(1日)に要請をさせていただいておりまして、そういった中で、この情報開示請求、もちろん個人情報保護ということは大変重要なのでありますが、そのことを前提としつつも、旧優生保護法の救済措置を十分なものにするための法整備はぜひしていただきたいということは、強く要請をしているところでありまして、これはもう全国一律の話でありますので、国への要請活動をこれからもしっかり続けていかなければならない、そんなふうに思っております。

(北海道新聞)
 北海道・北東北の縄文遺跡群、推薦候補に選ばれたということで、おめでとうございます。6度目の挑戦で推薦候補に選ばれたわけでありますが、2点ありまして、これまで候補に選んでもらうまでに、苦労したなと感じる点と、推薦枠、今後自然遺産と争うわけですけれども、その課題をどうクリアするか、その2点を簡単に教えてください。

(知事)
 分かりました。苦労した点は山ほどありますけれどもね。まず、縄文遺跡というのは、細かく見ればない県もあるかもしれませんが、実は総じて全国にあります。そういった中で、多くの県が弥生文化を経て、大和朝廷、奈良時代、平安時代というふうに変遷するわけでありますけれども、どうして縄文遺跡は全国にあるにもかかわらず、4道県だけが手を挙げるのかという、この地域に限られる理由、これについて当初は、多くの専門家、日本国を代表する歴史の専門家の方々からのご指摘があり、われわれ4道県の行政職員だけが集まっても十分な対応ができないので、学芸員の方々や、あるいはそれぞれの分野の専門家の方々にもしっかり入っていただいて、そのユニークネス、他との区別、そういったことの議論を深めていったという経緯がございます。それ以外にも、この前も要請活動のときに、青森県知事ともいろいろ苦労話をいたしましたが、どうして5回もだめだったのかということも、語ればきりがないような苦労があったなというふうに振り返っているところであります。一つ挙げるとすると、今の点かもしれません。そういう中で、4道県というのは、これは文部科学大臣のところに行ったときも、4道県はいつもそのグループで動いているのですかという質問がありました。確かに、全国知事会のブロック分けという意味では、北海道・東北ブロックという区分けで会議もありますが、ただやはり、地理的な課題や、農業を中心とする産業構造の類似性など、北東北3県と北海道というのは共通点が多々あるということで、この歴史文化の問題以外も含めて、さまざまな政策課題について常に一緒に行動しているという、そういう仲であるというふうなことも申し上げました。結局5回だめでしたけれども、6回目の今年、少なくとも文化遺産の枠の中で推薦を勝ち取ることができたのは、4道県のそれぞれの知事を中心とした結束力ということもあるのかなというふうに振り返るところであります。今度、自然遺産との戦いというか、いかに日本国としての推薦を勝ち取っていくかということになるわけでありますが、この点につきましては、先方に関する情報収集や分析もまだでありますので、これから1月までの間、沖縄県の知事選もあるようですし、政治的な観点もあろうかと思いますので、そういうことも見極めながら、多様な観点からわれわれとして議論を尽くし、何としても1月に日本の門を出るように頑張っていきたいと思います。

(朝日新聞)
 カジノを含む統合型リゾートの法案が今、参院の委員会で可決される見通しになって、成立も迫っているかとは思うのですけれども、あらためて、誘致に名乗りを上げている自治体もある北海道として、このIRにどう向き合っていくかということと、ギャンブル依存症の懸念がよく言われていますが、これについてもどのような取り組みというか、対策を打っていくか、あらためてお伺いできればと思います。

(知事)
 分かりました。今日まさに、参議院内閣委員会で審議中、あるいは採決されたのか、そういう現状だと認識するところであります。整備法案が成立した場合に、道内では3地域が、特に苫小牧市と留寿都村は大変熱心に手を挙げて競い合ってさまざまな構想の発表もしておられると、そういうふうに認識をいたしております。全道の立場からしても、インバウンドの更なる拡大であるとか、あるいは雇用面では、最近はちょっと人手不足ということも言われておりますけれども、観光分野というのは、お客様が入る入らないといった季節性があって、夏と冬にはたくさん入るけれども、それ以外のシーズンにはあまりお客様がいらっしゃらないという流れの中で、雇用が安定しない非正規労働者が多い状況にあり、これが大きな雇用問題の一つになっております。観光のウエイトが大きいが故に、道全体としての非正規労働者の多さにも、私は反映されているのかなというふうなことを思っております。カジノばかり注目されますが、大きなホテルであるとか、アミューズメント施設、例えばテーマパークであるとか、コンサートホールであるとか、あるいは水族館であるとか、さまざまな壮大な統合型リゾートの展開であり、屋内の施設も多々あるので、そうすると春や冬など、お客様が比較的少なかった時期も含めて、安定した雇用の場というものが確保されるということを含めて、経済的な効果というものは大いに期待できるだろうということは、以前から申し上げているとおりであります。しかしながら、今、ご質問の中でも触れられましたとおり、ギャンブル依存症の問題については、根強いご不安の声が、これは日本国民全般にもございますし、道民の皆さまにもあるというふうに理解をするものであります。先般の道議会でもいろいろご議論があって、私どもも海外の先行事例の情報収集などをしますと、ギャンブル依存症について、一定の対応をすることによってその比率を減らしたという事例もあるということは、道議会でも答弁した経緯もあるところでありまして、そういったところの勉強もしなければならないし、国で行われるであろうギャンブル依存症対策に道として、また加えて何ができるのか、ギャンブル依存症というのは病気だと思いますので、特に道民の方々の健康を維持するために、われわれとして独自にプラスアルファで何ができるかという議論も必要でしょうし、それからもちろん誘致するとすれば、3カ所の中での箇所付けを明確にするということまでいかないにしても、どういうところがより良いのかなど、いろいろと議論を深めてその情報を道民の方々にご提示申し上げた上で、道民の代表である議会の議決を得なければ、道として提案はできませんので、まだわれわれとして判断できる状況にないというのは、先の道議会においても私から答弁を申し上げたところであります。賛成派の方々からは、「どうして早く言わないんだ」と言われ、反対派の方々からは「早く断念しろ」と言われ、ただわれわれは、どちらの議論にも乗れないと思うのは、やはりまだ詰めなけばならない点が多々あると、そういう意味で、これも議会で申し上げましたけれども、有識者の方々、すなわち経済効果など、そういう面の有識者とともに、ネガティブな部分に関する有識者の方々にも入っていただくような有識者会議をできる限り早く立ち上げて、その場で議論をしていただき、そして、その方向性を踏まえて、道民の方々に情報としてご提供申し上げた上で、道民の代表である道議会でどのようなご議論になるか、それを見極めていきたいというふうに考えております。

(NHK)
 先ほど、農作物の作況が出たのですけれども、作況に遅れが見られるなど、大雨の影響について道内、懸念されることがあると思うのですが、そのことと、農家支援について、今、お考えになっていることを教えていただきたいと思います。

(知事)
 本日15時に7月15日現在の農作物の生育状況を発表したところであります。今年は、ここまで振り返りますと、雪解けは早くて良かったなと思う時期もあったのですが、ご記憶のとおり、6月は特に中旬以降、雨が多く、日照時間が不足したというようなこともあり、総じて見ますと前回発表した7月1日、すなわち半月前の状況との比較において遅れが見られるということで、とても懸念しているところであります。水稲で3日遅れ、小豆などで4日遅れ、とりわけ1番牧草の収穫作業が大幅に遅れて11日遅れと、収量あるいは品質の低下も見込まれているということを大変懸念しているところであります。また、西日本豪雨ほどの大きな被害とはならなかったものの、7月2日からの大雨により被害を受けました上川、留萌、空知、そして橋脚が沈下したのは遠軽町ですからオホーツクもですね。結構広いエリアで被害が出たところでありまして、これが道路や橋などのインフラの部分や農地にも大きな影響が出ましたので、私自身、7日に旭川の現場を2カ所視察したところでございます。
 昨日、一昨日とさまざまな中央要請をした中でも、自民党、公明党、与党の皆さま方にはお願いを申し上げたところであります。この大雨被害については、当然、政府として西日本中心の対策になるとは想定されるわけではありますが、北海道内でも厳しい状況が一部あるということ、ぜひ、政府としての対応の対象地域に入れていただきたいということをお願いしたところでありまして、国からの支援もいただきながら、私ども道においても、しっかり対応する形で、農協や市町村とも連携して、この大雨被害の復旧対策を急いでまいりたいと、このように考えております。
 生育状況の遅れ、あるいは被災した農地からの復旧支援などについて、全道の農業改良普及センターなどを通じまして、病害虫などへの対応も含めて、農家の方々にしっかりと指導し、共に考え、北海道の豊穣の秋を迎えたいと、こんなふうに思っております。

(室蘭民報社)
 明日で夏の交通安全運動が終わりになりますけれども、その最中に職員が飲酒運転で摘発されるという事件もありました。飲酒運転というのは、ある意味個人の意識の問題が多いとは思うのですけれども、こうして度々職員が捕まったりすると、道民の不信感を招くと思うのですが、そのあたり知事の受け止めについてお聞きしたいのですけれども。

(知事)
 本当に残念なことであります。今、おっしゃった事案が発生した直後に、当該職員が所属する振興局長が緊急の記者会見をさせていただき、そしてその後、臨時部長・振興局長会議を開催いたしまして、再発防止の徹底を図ったところであります。道庁職員というのは、札幌ばかりではなく、全道津々浦々、室蘭にある胆振総合振興局の職員も含めて、全ての職員が道民の皆さんの先頭に立って、飲酒運転根絶を目指していかなければならない立場にございますので、あらためて意識改革ということをしっかりやっていかなければならない、こんなふうに思っております。

(毎日新聞)
 17日に日欧・EPAの関係で、調印後なのでまた一言いただければと思うのですけれども、大枠合意から約1年間くらいあったと思うのですが、この間、主に農業対策に関して、今、道がどういうことを進めていて、何を検討されているのか、進捗具合や、今後の見通しについてお答えをお願いします。

(知事)
 分かりました。安倍総理が豪雨災害への対応を優先されて、ヨーロッパなどへの外遊日程をキャンセルされたと、それに対応する形でEUの首脳の方が東京に来られて、17日火曜日に日EU・EPAの署名が行われたということであります。
 私ども北海道は何と言っても、日本国民全体に対する食料供給基地としての役割を果たすという責任も有しておりますので、競争力や生産性の向上も含めた対策をしっかりとっていかなければならないと思っております。その対策として、国は、TPP11への対応策ということをまずはベースとする形で、その後もいくつかの農業対策を盛り込んだ総合的なTPP等、この「等」というのは、TPPのほかに日EU・EPAも含まれているわけでありますが、総合的なTPP等関連政策大綱というものを取りまとめ、それを現に実施しておられるところであります。その意味では、私どもはそういった政策も十分に活用しながら、また私ども自身の政策ツールもしっかり使いながら、北海道の農業をはじめとする一次産業の競争力強化に向けて、しっかりと取り組んでおりますし、これからもその思いを強くしてまいりたいと思っているところであります。

(釧路新聞)
 JR問題について、昨日オール北海道で石井国土交通大臣に要請されました。終了後にぶら下がりの記者会見も行われておりますが、ぶら下がりの会見の場合は道のホームページに文字も動画も出ないものですから、知りたい方も大勢いらっしゃると思いますので、あらためての受け止めなどについて、お願いできますでしょうか。

(知事)
 昨日は、要請書に沿う形で大臣に要請をさせていただきました。その後のぶら下がりで申し上げたのは、前回、大臣に要請をしたのは去年の12月でございまして、そのときとの比較においては、若干、そこは主観も入りますので何とも言えませんが、いずれにしても前向き度が高まったかなという印象を私は持ったということは、その場でも申し上げたところであります。要請書に沿う形で申し上げれば、本道固有のコストを負担軽減してほしいという項目があって、例えば、青函トンネル、これは本州と北海道を結ぶトンネルなので、論理的にはJR東日本が運営しても、JR北海道が運営してもどちらでも良いような気がしますが、仕切りとしてJR北海道が運営をしておられると。やはり維持管理費というのが相当掛かっていて、こういった固定経費に対する負担軽減ということや、それからJR貨物に対する負担軽減は全国的に行われていますが、北海道は特にJR北海道自体も厳しい経営にありますので、ここの負担のバランスという意味における負担軽減、コスト軽減をしてほしいということについては、大臣はご自分のお言葉で、こういう分野については支援しますということをおっしゃったところであります。
 それからもう一つ、増収策への支援ということであります。私どもの要請書の中では、快速エアポートの増便など、要するにもうけるところでもうけてくださいと。そしてそこでもうけた部分を赤字の厳しい地域の運営経費に充ててくださいと。会社全体としては回りますので、そのような意味で増収策への支援ということもお願いいたしましたが、そこにつきましても、その支援を前向きに考えたいというご発言もあったところでございます。
 また、新幹線の整備促進ということについては、一つはやはり札幌までの早期開業ということもあるのでありますが、特に、高速化を含めてトンネル内をどうするかという問題がございます。この高速化ということについても、大臣はご自身のお言葉でしっかり対応していくというお話もあった記憶がございます。
 あとは(国からの支援の)期間でありますが、われわれやJR北海道も含めての共通認識は、新幹線札幌開業の2030年までに経営の自立を目指すということを考えた場合に、これは毎年毎年、われわれ地方が一定の負担をするということはこの要請書の中でも明確に書いておりますし、さらにさかのぼれば3月にまとめた(北海道)交通政策総合指針の中でも、道議会のご議論も踏まえて、あるいは地域の皆さま方のご議論も踏まえて、そういうふうに地域も一定の負担をするということも書いておりますが、当然、その前提として国からの支援は2030年までいただいていくというのが、私どもの思いであります。ただ、それを実現するためには、2年後の2020年度に期限を迎える国鉄・債務処理法(国鉄清算事業団の債務等の処理に関する法律)を改正しなければならない、これについて大臣は、この法律を改正するためには、これは条例ではなくて、法律ですから全国の方々の理解を得なければならないと、全国の方々の代表たる国会議員の理解を得なければ、法律の改正はできない。そのためには、これから2020年までの2年間の支援に対する成果がしっかり出ているということを国会にも示していかなければならないというようなことも強くおっしゃったところでありまして、それからわれわれ道内自治体の厳しい財政状況を踏まえて地方財政措置のことも申し上げたわけでありますが、それについても大臣からお言葉もございましたし、総じて言えば、去年の12月の要請時との比較において、より具体的に一歩踏み込んだような形で、私どもの要請に対する大臣のお返事というものがあったかなというふうに思っているところでございます。
 そういう中で、国会の会期が22日まででありますので、それが終わった後にも、どこのタイミングかは分かりませんが、近々、大臣ご自身が大まかな方向性を発表するということをあらためて私どもにもおっしゃいましたので、そこが議論のスタートラインだと思います。棚野北海道町村会長(白糠町長)が特に強く言っておられましたが、これで「はい終わり」にしてほしくはないと私も心強く思ったわけでありますけれども、大臣のお言葉で言うと、大まかな方向性というものを、国土交通省からいただいた上で、これからまた双方向の議論をし、より良い形の支援ということにまとめていければと、こんなふうに思っております。

 

 


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。
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