知事定例記者会見(平成30年5月18日)

知事定例記者会見

・日時/平成30年5月18(金) 14:30~15:07
・場所/記者会見室
・記者数/31名(テレビカメラ1台)

会見項目

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知事からの話題

1 中国・李克強総理の来道について
2 旧優生保護法に関する訪問相談等について
3 「第3回北のまんが大賞」の作品募集について
4 「みらいの宇宙イラストコンクール」について

記者からの質問

1 政治分野における男女共同参画推進法の成立について
2 TPP11について
3 旧優生保護法について(1)
4 札幌冬季オリンピック・パラリンピックの招致について
5 札幌市職員の住居手当の不正受給について
6 旧優生保護法について(2)
7 東京都における人権尊重の理念実現のための条例(仮称)について

 

知事からの話題

 

中国・李克強総理の来道について

 私からは、今日は4点お話をいたします。
 一つ目は、先週のことでありますが、中国の李克強(り・こくきょう)総理にご来道いただいた際の、あらためてのご報告でございます。先週、日中韓首脳会談のため訪日された中国の李克強総理が、(5月)10日、11日の日程で来道されまして、日中知事省長フォーラムにご来賓として出席をされたほか、トヨタ自動車北海道(株)、それから、えこりん村を訪問されました。今回の李総理来道におきましては、北海道の高品質で安全・安心なおいしい食を味わっていただくと共に、ものづくりの現場などをご視察いただいて、北海道の強みをアピールさせていただきました。李総理からは、「北海道は日本においても重要な食料供給地域であり、豊かな水産物や農産物を誇る地域である。農業分野で、北海道とより多くの協力を展開したい。」とのご発言があったところであります。また、個別の会談はできなかったのですが、李総理にご同行されました王毅(おう・き)外交部部長、あるいは鐘山(しょう・ざん)商務部部長ともお話をさせていただく機会がございまして、道としても今回の李克強総理一行のご来道を今後の地域づくりの大きなきっかけとしたいと、このように思っているところでございます。特に精米施設(石狩)の指定や燻蒸施設(小樽)の登録がなされたこともございますので、おいしい北海道米の売り込みなど、これからもしっかりと取り組みを進めてまいりたいと、こんなふうに考えております。昨日、東京のほうに参りまして、程永華(てい・えいか)大使にも御礼を申し上げたところでございまして、そこでも若干お話をさせていただいたところでありますが、今後とも北海道としては、日中の友好協力ムード、関係改善のさらなる進展に、地域として一定の役割を果たすと同時に、今回の北海道への皆さま方の訪問を契機に、中国とのつながりをより一層強固なものとし、中国の一般の方々にもアピールをしっかり行っていきたいと、こういうことを通じて北海道の活性化につなげてまいりたいと考えているところであります。

旧優生保護法に関する訪問相談等について

  二つ目は、旧優生保護法に関する新たな取り組みについてであります。昨日、道内のお一人の方をはじめ、全国で国家賠償請求訴訟が提起されたところでありまして、あらためて、この法律が社会に与えてきた影響の大きさというものを強く感じるとともに、こうした政策が道内でも推進されてきたことは、本当に残念に思うところでありまして、これからの審理の行方、それから並行して、国会の場で超党派の議連を中心に進んでおります救済法立法化の動き、こういったものをしっかり注視をしていきたいと、このように考えているところであります。
 道といたしましては、3月12日に相談センターを開設し、専任の職員を配置して、手術を受けられた方やご家族に対し、関係文書の情報開示請求やさまざまなご相談に応じてきたところでありまして、これまで67件のご相談をお受けをいたしたところであります。また、加えて、以前もこの記者会見の場でも話題になりました、情報開示請求ができる方の拡大ということにつきましては、(北海道情報公開・個人情報保護)審査会の場で、さらなる議論が必要ということで、まだ結論を得ておりませんので、今しばらく慎重に審議をしていただき、このことの結論が出次第、この情報開示請求の申請をしていただく方々の範囲の拡大についてもしっかりと対応していきたいと、このように思っているところであります。
 そして、加えて以下、これからの私どもの新たな試みとして考えているところについて、ご説明をいたします。実は先般、この場でテレビ局の記者の方からのご質問だったと思いますが、道として相談窓口を設けるなどの取り組みに加えて、道から積極的に手術を受けられた方々を確認するというような行動を起こさないのかというご質問をいただいたところであります。私ども北海道は手術件数が全国一多いところでございまして、さらなる取り組みにどのようなものがあるかということについて、われわれの内部的な議論のきっかけを与えていただいた質問であったかと振り返るところであります。そういった中で、当事者の方々の中には、相談センターに足を運ぶことが難しいと思われる高齢な方々、あるいは障がいのある方々もおられるところでございますので、こういったご高齢、あるいは障がいなどによって自ら声を上げることができない方々、こういった方々に対するよりきめ細やかな対応ということが必要であろうというふうに考えた次第でありまして、今後、障がい者施設、あるいは医療機関に入所されている方々に対し、ご希望に応じる形で職員が出向いて相談をさせていただくこととしたところであります。こういった施設に赴く場合には、ご本人に加えて、当該施設の担当職員の方々にもサポートをしていただきながらの対応になろうかと、このように思う次第であります。
 また、これまで道が所管する関係資料から手術が行われた方々などの確認をしてきているところでございますが、個人の氏名を確認できたのは、手術を受けたとされる方々の約半数というところでございますので、今後さらに医療機関や障がい者施設等に保存されている資料についても調査を行うこととしたところであります。道内、すべての医療機関、障がい者関係施設など約4,300カ所を対象として、保存資料の調査を行うことといたしたところでありまして、とても数は多いですが、できる限り早く、この調査も完成させたいと、このように考えているところでございます。

「第3回北のまんが大賞」の作品募集について

 〔配付資料:「第3回北のまんが大賞」について(PDF)〕  
   それから、3点目でございますが、「第3回北のまんが大賞」の作品募集についてであります。
 道では昨年度に引き続き、札幌市と共催で北海道の魅力アップにつながる漫画作品を公募する「北のまんが大賞」を実施いたします。
 3回目となる今年度は、これまでの漫画だけではなく、新たに、「北海道150年部門」
と銘打ちまして、北海道に縁のある歴史上の偉人や名シーンのほか、北海道が誇る観光地や農林水産業の魅力を伝える「イラスト」を新たに募集し、北海道命名150年を盛り上げていきたいと考えているところであります。
 また、次の時代を担う子どもたちにも、積極的に応募していただくために、漫画、イラストを問わず、中学生以下の作品の中から、優秀な作品を表彰する「U-15部門」を新設いたしまして、本日(5月18日)から募集を開始するところであります。
 市町村教育委員会を通じて、各学校などへ広く周知を行いますが、マスコミの皆さま方からもこの第3回目を数える「北のまんが大賞」の作品募集について積極的なPRをお願いいたします。

「みらいの宇宙イラストコンクール」について

〔配付資料:「みらいの宇宙イラストコンクール」について(PDF)〕  
  四つ目でありますが、「みらいの宇宙イラストコンクール」についてであります。これは、北海道150年事業として、宇宙をテーマに、未来を担う若者たちの科学技術への関心を高めることを目指している「宇宙へのチャレンジ推進プロジェクト」の一環として行うものであります。
 実は、本日(5月18日)午前中に内閣府の宇宙政策を担当しておられる事務方のトップの方(内閣府宇宙開発戦略推進事務局髙田事務局長)が来られて、いろいろ私も教えていただきましたが、今、道内では、ゴールデンウイークの打ち上げ実験は延期になったところでありますが、大樹町における民間初のロケットの打ち上げ、こういった動きも道民は大変期待を持っているところでありますし、また道内においては大規模農業が展開されている中で、衛星データを活用したハイテク農業の展開というようなことも進んでいるところでありまして、髙田事務局長によれば、北海道は日本最強の宇宙産業の実験場であるというようなお話もいただいたところでございます。こういった中で、宇宙という大変夢の広がる、そして実際にビジネスチャンスにもつながる、そういった分野について、道産子の若い方々の関心を高めていただくという意味で、こういったプロジェクトを行おうとしているところでございます。
  このプロジェクトでは、三つの事業展開を企画しておりまして、今回はその第一弾として小学生を対象とした「みらいの宇宙イラストコンクール」であります。イラストのテーマは「50年後の宇宙」ということで、およそ50年前にアポロ11号で人類が初めて月に着陸したそうであります。そして今、それから50年を経て、国際宇宙ステーションに宇宙飛行士が長期滞在をするという状況まで発展をしているところであります。
 この先、50年後には、宇宙を舞台にどのようなことが実現できるのか、子どもたちの自由な発想で考えてもらい、イラストにすることを通じて、宇宙に対する理解や関心を高めることを目的としております。
 今回、趣旨に賛同していただいた企業の協力も得まして、応募作品の中から、150年にちなんで、150名の入賞作品を選定し、記念品を贈呈しようと考えております。
 また、入賞者には、今年の8月8日に札幌市内で開催をいたします、宇宙飛行士の山崎直子さんと宇宙について語り合うイベントに参加をしていただきたいと考えているところであります。
 ぜひこの機会に、多くの道内の子どもたちが、宇宙について学び、宇宙に思いをはせてほしいと考えておりますので、報道機関の方々におかれましては、幅広い周知をよろしくお願いいたします。

記者からの質問

(北海道新聞)
 国会や地方議会の女性議員を増やすために、候補者数をできる限り男女均等にするよう政党に促す、男女共同参画推進法が成立しました。そこで二つ伺いたいことがございます。法律は、国や自治体にも、性別にかかわらず政治に参加しやすい環境を整えるように促しています。道庁として何ができるのか、現時点でのお考えをお聞かせください。
 もう一つは、道議会の女性比率が13パーセントなのですけれども、この数字をどう捉えるかということと、女性議員が一般的に少ない理由について、どのような要因が考えられると思うかというところをお聞かせ願えますか。

(知事)
 まず、議員提案ということで、男女共同参画推進法が成立したことを、女性知事、そして一人の政治家の立場として、大変うれしく、心から歓迎したいと思う次第であります。国や地方公共団体における努力ということも規定されたわけでありまして、私どもとしては、さまざまな政策や方針の決定、こういった場面で女性の方々の意見を少しでも多く取り入れられるような形で、どのようなことができるのか、これからいろいろ考えて、方向性を出していきたいと、このように考えております。
 現時点の道議会議員の女性比率は13パーセントでありますが、立候補された方であれば、もう少しおられたと思います。13パーセントはやはり低いと思う次第であります。候補段階で1対1ということを目標にしていくというふうに聞いております。候補段階で1対1でも、そこから有権者に選んでいただくということがありますので、そこまで一気にいくのはなかなか難しい部分もあろうかと思いますけれども、各政党の方々にもご努力をいただいて、まずは候補の段階で女性候補の比率を少しでも高めるということが重要かなと思うわけであります。有権者は男女がだいたい半々であり、有権者として投票する候補の選択肢が増えることによって、女性議員誕生に向かっていくのではないかと推察されますので、大変良い法律であるとあらためて思う次第であります。
 なぜ(女性議員が)少ないのか。やはりこれは、一般社会、企業などでは、少しずつ女性の働く場面も増えてきているわけでありますが、政治家の活動というのは、一般の企業で働いておられる女性の方々以上に、決まった時間、例えば9時から5時まで何かやれば良いということではなくて、あまり良い例かどうか分かりませんが、夏祭り(などの地域行事)があれば土曜日でも日曜日でも行かなければならないこともあります。女性として議員活動を続けていこうとする場合の時間の不規則性もあるのかなというふうに思います。もとより、それ以外のいろいろな要素があるのでしょうけれども、お子さんを産み育てやすい環境を整備しながら議員活動を続けられるような、そういう環境整備を求める声も出てきておりますので、一つひとつ、関係の皆さんのお声をお伺いをしながら、われわれ行政としてできることに取り組んでいきたいと、このように思います。

(北海道新聞)
 TPPの関係ですけれども、TPP11の承認案と関連法案が国会で議論されておりまして、今日午前中に衆議院の外務委員会で承認案のほうは可決されて、今日にも本会議で決まって、この後、関連法案の採決も予定されているかと思うのですけれども、今回、承認案が外務委員会で決まったことの受け止めと、今後の国会の議論で期待することをお伺いできますでしょうか。

(知事)
 私も、今日の衆議院の委員会の採決を経て、衆議院の本会議でTPPの承認案そのものが採決されたという報告を受けたところであります。そして、承認案自体は外務委員会のご審議、そして私どもにとっても大変重要で、TPPが採択されるとすれば、すぐにでもやっていただかなければならないことなどが盛り込まれている関連法案につきましては、内閣委員会で審議をされておられると聞いておりまして、これも追って衆議院での議論を経て参議院に審議が移るというふうな流れとお伺いをいたしているところでございます。米国が入った段階での議論の経過もあったわけでありますが、今回、米国抜きということであらためて、しっかり審議をしていただくことが重要だと思うわけでありますが、そういった中で私どものやはり大きな関心事は、農業を中心とした一次産業についてのさまざまな課題をしっかりご議論、ご審議いただくことが重要だと思います。そういった点について十分な審議があったのか、農政部ともまたフォローアップをしなければならないと思っておりますし、もし十分なご議論がなかったのであれば、参議院においてそういったことを大いに期待をし、私どもとして注視をしていかなければならないと思う次第であります。
 そして、関連法案のほうは、例の畜産物の価格安定、マルキン(肉用牛肥育経営安定特別対策事業)関連の法案を含めて10本ありますので、こちらのほうもぜひ、しっかりとした審議をお願いをしたいと思うわけであります。いずれにいたしましても、米国が入った段階で議論が進んだ時に、もう予算措置というのは先行して行われておりまして、私どももそういった国の政策予算も十分活用しながら、道としての財政支出も含めた形で、強い農業づくり、競争力のある農業づくり、国内マーケットでの輸入品との代替に勝ち残れる農業づくり、また冒頭も申しました中国などに売り込みをしっかり行っていけるような農業づくり、そういう本道の農業を中心とした農林水産業の持続的な発展を期していくこと、これはTPPがあろうがなかろうが大変重要でありますので、このことを民間の方々ともしっかり連携をしながらこれからも進めてまいりたいと、こんなふうに考えております。

(TVh)
 先ほどの旧優生保護法の道の対応について、もう少し教えていただきたいのですけれども、具体的に例えば職員が出向いたり、医療機関の調査というのはいつ頃から行う考えでしょうか。

(知事)
 できる限り早く行いたいと考えております。

(子ども未来推進局長)
 今日以降、(障がい者施設や医療機関に)通知を出しますので、早ければ来週からです。

(知事)
 受け入れ先のご準備のご都合もあろうかと思いますので、整ったところから、順次行っていきたいと思っております。

(TVh)
 医療機関のほうの資料の調査というようなお話につきましては、それは現在保管されている資料の調査に止まるのか、例えば資料を探すところまでやるのかというのはいかがでしょうか。

(知事)
 道内に存在する全ての医療機関、障がい者施設等約4,300カ所に調査をして、調査と同時に保存をお願いをするということであります。

(TVh)
 札幌市が招致を目指している冬季オリンピックですけれども、2026年から2030年というようなお話になってきて、それに併せて北海道新幹線の延伸前倒しを国に要請する方針なども市のほうで固めていらっしゃるという話も出ているのですけれども、それに対する知事のお考え等はいかがでしょうか。
 
(知事)
 分かりました。冬季オリンピック・パラリンピック誘致の目標年度を2026年から2030年に変更できないかということを札幌市中心に模索しておられるというのは、私どももご相談を受けておりましたし、月曜日に竹田JOC会長と会談をされた直後に、秋元(札幌)市長から電話でご報告もいただいたところでございます。このような一大プロジェクトというのは、道内の関係自治体ともしっかりスクラムを組んでやっていかなければならないことでありますので、相互に意思の疎通を図りながら、地域づくり、まちづくりに最大限この一大イベントを活用できるよう、そして世界のお客様を最大限におもてなしをし、お迎えできるように、そういったタイミングを狙って誘致をしていくという思いは、私も札幌市長と同様でございます。誘致のタイミングをどのようにするかということは、まだ最終的な決定には至っておりませんので、今後も札幌市としっかり情報の共有を図りながら、判断していきたいというふうに思います。
 そして、新幹線の札幌延伸の前倒しということにつきましては、これはもちろんオリパラとの関係もあろうかとは思いますけれども、われわれ道民の一般的な悲願ですよね。やっと数カ月前に札幌駅ホーム位置の決定を関係者の間で見たところでございますし、私はこれはしっかりと、北海道新幹線の札幌延伸の前倒しということの運動はしっかりとやっていかなければならない、このことはオリパラと切り離したとしても、私自身の強い思いとして持っているところでございます。加えて、北海道新幹線の開業から2年ちょっとを経て、開業当時の盛り上がりから落ち着きつつあるということもあり、新幹線のプロモーションについて、JRとも協力をしながら、さらに取り組んでいかなければならないし、札幌延伸の前倒しを含めて、関係者と意思の疎通を図りながら、運動の盛り上げをできる限り早くやっていかなければならないということを、担当部局に指示をして議論を進めているところでございます。
 そうすると話が早いかもしれませんが、その先をどうするかということも大いに関心がありますよね。できれば稚内までと思いますけれども、それだと道東の方々はどう思われるのかと。さらには収益を上げるという意味では、新千歳空港までつないだほうが良いというご意見とか、いろいろなご意見が道民の方々にもあります。一方で道外を見ますと、例えば四国の方々であるとか、山陰の方々であるとか、今、新幹線の具体的な工事などが全く進んでいないけれども、新幹線を走行させたいという思いを持っておられる地域の方々と、いろいろな所でお話をしますと結構盛り上がっておられるところもありますので、私どもも札幌延伸の早期実現ということの運動をしっかり盛り上げると同時に、その先をどうするかということも、そろそろ議論を始めていいのかなと。気が早いと言われるかもしれませんが、そのようなことも最近考えているところであります。また、いろいろご意見をいただければと思います。

(HBC)
 公務員の住宅手当についてなのですけれども、先日、札幌市の職員が、親や親類などと賃貸借契約をしたにも関わらず実際は家賃を払っていないということで、住宅手当を不正に受け取っていたことが分かったのですけれども、その後は道内の別な自治体だと同じようなケースで、実際に家賃を払っているかどうかの確認が不十分ということも分かってきました。そういった公務員の住宅手当のあり方について、知事はどのように思っているのか、今回のこの問題についてどんな感想をお持ちなのかお願いします。

(知事)
 分かりました。数日前に札幌市職員が不適切な住居手当を受給していたと発表されたのは衝撃でした。私自身も国の公務員をしていまして、かつて公務員宿舎に入っていましたし、その後住居手当をもらっていたこともあったことを思い出していたところでありますが、やはり公務員というのは、国民、道民あるいは市民の皆さま方から税金を納めていただき、そういったものを踏まえて、われわれの生活というものがあるわけでありますので、一般市民の方々以上にこうした規律の部分というのはしっかりしていかなければならないという思いの中で、今回の札幌市の職員の方々の不正受給というのは大変衝撃でありました。私ども道の状況も調べたところ、国に準拠ということで、親族と当該職員の間で契約がしっかりあって、家賃を支払っている領収書などの証拠書類の提出の義務付けなどを毎年1回行っているというのが道の運用の状況でございまして、その意味では不正な受給というのはないと思う次第でありますが、いずれにいたしましても、こういった事案が道内で起こったことの重みを踏まえまして、チェックのあり方ということをしっかり道としても点検をしていかなければならない、そのような思いを強くしたところであります。

(共同通信)
 旧優生保護の関係ですけれども、本日鳥取県が、被害者の強制不妊手術を受けられた方の訴訟支援に取り組む意向を表明しました。内容としては行政手続とか弁護士との打ち合わせの付き添いを想定しているそうで、6月の県議会で150万円の補正予算案を提出、計上するというように言っているのですけれども、北海道としてこのような訴訟支援に取り組むようなお考えはございますでしょうか。

(知事)
 鳥取県の事案については、今初めてお伺いしましたので、担当局長もおりますので、あとから議論させていただきたいと思いますが、われわれとしては先ほど申し上げたような、全国一手術件数が多いという中で、まずはご親族の思い、あるいはご本人の思いにもしっかり寄り添う形で、手術をされた方の所在の確認などを鋭意やっていくと、そちらのほうが先決かなというふうに思っております。鳥取県は手術をされた方々の数が北海道よりも少ないということもあって、一気にそこまでできたのだと思いますが、私どもの場合には、一つひとつできるところから、丁寧に物事を進めていきたいと、こんなふうに思っております。

(共同通信)
 もう一つ、五輪の関係なのですけれども、2020年にオリンピック・パラリンピックの開催都市として、東京都が11日に、五輪憲章がいかなる差別も許されないというふうな理念を掲げていて、その理念を盛り込んだ条例を制定するというふうに発表しました。内容としてはLGBT、性的少数者や差別とかヘイトスピーチを規制する、都の施設で利用制限をするというような内容のようなのですけれども、札幌市でも今後、将来、五輪を誘致していくという方向を持っていますので、直接的には札幌市なのでしょうけれども、北海道として、開催地域の自治体として、こういった差別解消に向けてどのような取り組みをされていくのかということについて、お考えをお聞かせいただければと思います。

(知事)
 東京都の条例として、小池(東京都)知事が記者会見で方向性を述べられたのは、今、おっしゃったとおりオリンピックの開催地の役割として、LGBTを理由とする差別の撤廃、あるいはヘイトスピーチのない東京の実現、こういったことをしっかり取り組んでいきたいという意味での条例だというふうに理解をしております。
 大変重要なことだと思うのでありますが、私どもとして考える場合には、例えば、LGBTの内容などについて分かりやすく説明した冊子を作って、道民の方々にご提供したり、あるいは札幌市は、札幌市パートナーシップ宣誓制度を作っておられます。少しずつ、こういったことへの取り組みも道内でも進んでおりますし、まずは東京都でどういう条例を目指されるのか、そういったことも勉強をしながら、われわれとして取り入れられることがあれば、検討してまいりたいと、こんなふうに思います。

 

 

 


この文章については、読みやすいよう、重複した言葉づかい、明らかな言い直しなどを整理し作成しています。
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