北海道データブック2025_農業

北海道の産業 - 農業

専業的な大規模経営を主体に多くの農畜産物の生産量が全国一

北海道は、寒冷で積雪期間が長いなど厳しい自然条件下にありますが、明治以来、欧米の近代的な農業技術の導入や生産基盤の整備などによりこれらを克服し、稲作、畑作、酪農などを中心とした生産性の高い農業が展開されています。
2024年の北海道の耕地面積は約113万8,000haで、全国の耕地面積の4分の1近くを占めています。また、1農業経営体あたりの経営耕地面積は34.1haと都府県平均の13.6倍となっています。
農業経営体数は3万1,200経営体で、全国の3.5%ですが、主業経営体率は74.4%と都府県の19.3%を大きく上回っており、専業的な経営体により大規模で生産性の高い土地利用型農業を展開しています。
2023年の農業産出額は1兆3,478億円と全国の14.1%を占め、小麦、大豆、馬鈴しょ、てん菜などの畑作物やたまねぎ、かぼちゃ、スイートコーンなどの野菜、生乳や牛肉など数多くの農畜産物が全国第1位の生産量となっており、わが国の食料供給地域として重要な役割を果たしています。

地域ごとに特色のある農業を展開

北海道は、地形的に大きな広がりを持ち、気象や立地条件も地域によって異なることから、それぞれの地域ごとに特色ある農業が展開されています。
道南地域では、温暖な気候を生かし、野菜や米を中心に、馬鈴しょ、豆類等の畑作物を加えた集約的な農業が営まれており、道央地域では、水資源が豊富で比較的高温な夏季の気候を生かして、米や野菜などを主体とした農業が展開されています。
また、道東・道北地域のうち、十勝・オホーツク地方では広大な農地を生かした大規模な畑作や酪農が行われており、宗谷・釧路・根室地方ではEU諸国の水準に匹敵する草地型の大規模な酪農経営を中心に展開されています。

農業・農村の持続的発展に向けて

近年、世界的な人口増加による食料需要の増大に加え、不安定な国際情勢や地球規模の気候変動などを背景に食料の安定供給への懸念が高まる中、国は2024年6月、四半世紀ぶりに食料・農業・農村基本法を改正し、食料安全保障の確保を基本理念の一つに位置づけました。また、改正基本法の下、初めて制定された国の食料・農業・農村基本計画では、北海道が「主要穀物などの主産地」と明記されたところであり、食料自給率が200%を超え、国内の食料生産の4分の1を担う、本道が果たしていく役割は、ますます大きくなっています。
一方で、本道農業は、人口減少に伴う農業従事者の減少や高齢化、生産資材価格の高止まり、気候変動に対応した栽培技術の導入、さらには高病原性鳥インフルエンザを始めとした海外悪性伝染病の発生など、様々な課題や環境の変化に直面しており、これらに的確に対応していくことが求められています。
道では、本道の農業・農村を貴重な財産として育み、将来に引き継いでいくため、「北海道農業・農村振興条例」に基づき、2021年3月に「第6期北海道農業・農村振興推進計画」を策定し、持続的に発展していく本道農業・農村の将来像を「めざす姿」として、その実現に向けた施策を市町村や農業者、消費者、関係団体等と連携して総合的に進めています。
また、生産から消費に至る各段階で、食の安全・安心を確保する施策を道民と協働で進める「北海道食の安全・安心条例」と、遺伝子組換え作物の開放系での栽培についてのルールを定めた「遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例」を制定し、消費者から信頼される安全で安心な食品の生産と供給を進めています。

農業産出額の構成<2023年(令和5年)>

農業産出額

出典:農林水産省(2023年)「生産農業所得統計」

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