北海道データブック2020_農業

北海道データブック2020北海道の産業-農業

 

北海道の産業 - 農業

 

 

わが国最大の食料供給地域

 北海道は、寒冷で積雪期間が長いなど厳しい自然条件下にありますが、明治以来、欧米の近代的な農業技術の導入や生産基盤の整備などによりこれらを克服し、稲作、畑作、酪農などを中心とした生産性の高い農業が展開されています。
 2019年の北海道の耕地面積は約114万4,000haで、全国の耕地面積の4分の1近くを占めています。また、農家1戸あたりの耕地面積は28.5haと都府県平均の13.0倍となっています。
 農家戸数(販売農家)は3万5,100戸で、全国の3.1%ですが、主業農家率は70.9%と都府県の19.2%を大きく上回っており、専業的な農家により大規模で生産性の高い土地利用型農業を展開しています。
 2018年の農業産出額は1兆2,593億円と全国の13.8%を占め、小麦、大豆、馬鈴しょ、てん菜などの畑作物やたまねぎ、かぼちゃ、スイートコーンなどの野菜、生乳や牛肉など数多くの農畜産物が全国第1位の生産量となっており、わが国最大の食料供給地域として重要な役割を果たしています。

地域ごとに特色のある農業を展開

 北海道は、地形的に大きな広がりを持ち、気象や立地条件も地域によって異なることから、それぞれの地域ごとに特色ある農業が展開されています。
 道南地域では、温暖な気候を生かし、野菜や米を中心に、馬鈴しょ、豆類等の畑作物を加えた集約的な農業が営まれており、道央地域では、水資源が豊富で比較的高温な夏季の気候を生かして、米や野菜などを主体とした農業が展開されています。
 また、道東・道北地域のうち、十勝・オホーツク地方では広大な農地を生かした大規模な畑作や酪農が行われており、宗谷・釧路・根室地方ではEU諸国の水準に匹敵する草地型の大規模な酪農経営を中心に展開されています。

農業・農村の持続的発展に向けて

 農業・農村を取り巻く情勢は大きく変化しており、TPP11協定、日EU・EPA及び日米貿易協定の発効など経済のグローバル化の進展をはじめ、離農や高齢化による担い手不足、人口減少による集落機能の低下や国内食市場の縮小、消費者ニーズの多様化など、さまざまな課題への対応に迫られています。
 こうした中、政府は2019年12月に「農林水産業・地域の活力創造プラン」を改訂し、生産基盤を強化し、農業を国際競争や自然災害にも負けない足腰の強い産業とするための政策パッケージ「農業生産基盤強化プログラム」を追加したほか、「農林水産業の輸出力の強化」「CSF・ASFなど家畜疾病対策強化」「戦略的な知的財産」なども追加しました。
 道では、本道の農業・農村を貴重な財産として育み、将来に引き継いでいくため、「北海道農業・農村振興条例」に基づき、2016年3月に策定した「第5期北海道農業・農村振興推進計画」に沿って、需要に応じた安全・安心な食料の安定供給はもとより、六次産業化や輸出促進、多様な担い手の育成・確保、基盤整備や戦略的な技術の開発・導入、活力に満ち、心豊かに暮らしていける農村づくり、さらには、農業・農村に対する道民理解の促進など、「地域の共感と協力で次代につなぐ農業・農村づくり」に向けた施策を推進しています。
 また、生産から消費に至る各段階で、食の安全・安心を確保する施策を道民と協働で進める「北海道食の安全・安心条例」と、遺伝子組換え作物の開放系での栽培についてのルールを定めた「遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止に関する条例」を制定し、消費者から信頼される安全で安心な食品の生産と供給を進めています。

 

 

農業産出額の構成<2018年(平成30年)>

 

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※計が100とならないのは、表示単位未満を四捨五入したためである。
出典:農林水産省(2018年)「生産農業所得統計」

 

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