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三笠市にある(株)中央食鶏は、道内では数少ない廃鶏(採卵期間を終えた鶏)処理業者として、道内の処理量の約6割に当たる年間160~170万羽を、肉や鶏ガラ等に処理・加工し食品メーカーに卸している。その処理の過程で発生する内蔵部分は、骨や羽を除いても全体の約3割ほどもあり、これまでは全て産業廃棄物として費用をかけて処理していたが、中央食鶏では「ナンプラー」や「ニョクナム」のような発酵風味調味料原料として鶏の内臓を有効活用できないかと模索をしていた。
こうした中、平成17年度に「食品リサイクル法」が改正され、循環型社会の構築に向け、食品循環資源の再生利用や、食品関連企業の取組が一層強く求められるようになったことから、農林水産省の食品産業クラスター事業を活用し、鶏の内蔵を活用した発酵風味調味料の開発に本格的に取り組むこととなった。
商品開発の中で特に苦労した点は、内蔵独特の臭みを抜くことであったが、道の研究機関等の協力を得て、約2年の歳月をかけて研究を進め、臭みがなく、自然のうまみが豊かな発酵風味調味料を完成させた。
新しく開発された味調味料の特徴は、新鮮な鶏の内蔵に特殊ブレンドした麹と天然塩、鶏エキスを加え時間をかけて発酵・熟成・濾過を繰り返したことで、うまみ成分である天然の高濃度アミノ酸が豊富に含まれるようになり、料理に少量加えるだけで素材の持つ本来の風味が引き出される点にある。また、添加物を使用せず、低カロリー・高タンパク質・低脂肪であることから、健康志向に合った調味料ともなっている。
中央食鶏では、この発酵風味調味料を三笠市の新しい特産品とすることを目指し、商品名を「三笠の鶏醤」と命名。商標権・製法の特許を取得し、製品の販売を開始した。しかし、主要事業の業務用鶏肉卸とは全く異なる分野の製品であり、また製品自体、鶏を原料にした発酵風味調味料という、これまでになかったものであることから、どのように普及と販路拡大を進めるかについては、全て手探り状態からのスタートであった。
このため、まずは商談会やイベントなどに積極的に出展し、「鶏醤」を知ってもらう機会づくりに取り組むとともに、業務用としての普及拡大を目指し、料理店などへの積極的な売り込みを行った。また、消費者にはなじみのない商品であることから、ただ商品棚に陳列するだけではなく、使い方を説明しなければ購入につながらないと考え、「鶏醤」を使ったレシピづくりにも取り組んだ。
さらに、料理の用途に合わせた最適な希釈割合についての研究を進めるとともに、道の「道産原料使用登録商品」に登録するなど、クリーンな道産原料を使った「安全・安心」の面からのアピールにも力を入れている。
また、調味料として販売するだけではなく、
「鶏醤もつ鍋」や「鶏醤ラーメン」等の製品を開発することで一層の普及と消費拡大を図るとともに、空知管内の乳製品メーカーと連携し、鶏醤を使った調味料にカチョカバロ(ひょうたん型をしたイタリア生まれのセミハードタイプのチーズ)をつけ込んだ「ながぬまカチョカバロ鶏醤造り」の開発・販売なども行っている。
中央食鶏では、三笠市の新しい地域ブランドとしての定着を目指し、今後も地域や他の企業と連携しながら、「鶏醤」の一層の知名度アップと消費拡大に取り組んでいきたいとしている。
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