「産消協働」実践行動事例集(97

   

「産消協働」は、生産者と消費者が連携し、地域資源を活用することによって地域循環を高め、地域経済を活性化しようとする運動です。

恵みの庭 柴田農園(北海道恵庭市) 

柴田農園写真1 柴田農園写真2   柴田農園写真3
 

   
   


地域連携の背景

   

 

 恵庭市の花苗農家「恵みの庭 柴田農園」では、料理好きの奥さんの柴田照子さんが、「西洋野菜を使った料理を作りたい」との思いから、自家用で西洋野菜の栽培を始めたことをきっかけに、道内ではほとんど作られていない西洋野菜の栽培に取り組んでいる。
 消費者にはあまり知られていない野菜であるため、当初、販路の拡大に苦労したが、実際に野菜を料理するレストランのシェフたちからのアドバイスを受け、品質の向上に活かしていったことで、利用者から高い評価を得るようになり、現在では100種類以上の西洋野菜を栽培するまでになっている。

    


地域連携の概要

 恵庭市で4代続く花苗農家である「恵みの庭 柴田農園」の奥さんの柴田照子さんは、以前、食べ歩きを趣味にしていた程の料理好きで、海外の料理本を参考にした料理もよく作っていたが、レシピに載っている西洋野菜がなかなか手に入らなかったことから「自分で作ろう」と思い立ち、外国から種を取り寄せて、畑の空いている畳1畳ほどのスペースで自家用の西洋野菜の栽培を始めた。

 初めて見るような野菜ばかりで、最初は栽培方法も分からなかったが、花苗農家として長年培ったノウハウを応用し、立派に育つようになったことから、次第に西洋野菜の美味しさや栽培の面白さに惹かれ、「西洋野菜を普及させて、たくさんの人たちに食べてもらいたい」と、本格的に栽培に取り組むこととなった。

 しかし、消費者になじみが薄く、調理法もよく分からない西洋野菜は、初め小売店での販路ルートがほとんどなかったが、イタリアンやフレンチ等の専門のレストランであればニーズがあるのではないかと考え、恵庭や札幌のレストランで売込みを行ったところ、海外や道外から入手するしかなかった西洋野菜が道内でも作られていることが注目され、次第に取引先を増やしていくことができるようになった。

 そして、ホテルやレストランとの取引が拡がるにつれ、実際に野菜を料理するシェフたちから、「この野菜は料理でこう使うため、こういうふうに育てないといけない」といった指導を直接受けたり、味だけではなく、料理になった時の見た目へのこだわりなども学ぶことができ、使い手側のニーズを把握して、それを栽培に反映させ、野菜の品質向上につなげていったことで、大変高く評価されるようになり、今では、柴田農園の野菜を使っていることがシェフたちにとっての一つのステイタスになるまでになっている。

 最初、畑の空いているスペースから始めた西洋野菜の栽培であるが、現在ではビニールハウス8棟にまで増え、プンタレッタ、フィノッキオ、セルリアック、カーボロネロなど一般には聞いたことがない野菜をはじめ、またトマトでも、味や見た目の違いだけでなく、サラダ等の生で食べるのに適した種類や火を通すなど調理向きの品種など用途別に数種類が育てられており、シェフからの要望を受けたり、季節によって入れ替えたりしながら、年間を通して100種類以上の品種が栽培されている。

 鮮度が求められる野菜は、一度に大量に出荷できず、少量づつ頻繁に出荷することが求められ、家族経営の柴田農園にとっては、それぞれ栽培方法が異なる西洋野菜を多品種少量栽培して、それをこまめ発送することは大変な負担ではあるが、夫の健一さんの全面的な協力も得て、夫婦二人三脚で、手間暇を惜しまずに品質の高い野菜を良い状態で送り出し、シェフをはじめとする利用者たちからの厚い信頼を集めている。

 今や西洋野菜の食材の宝庫といった感のある柴田農園であるが、照子さんの最初の目的であった「レシピの材料を揃えて料理する」ことは、野菜づくりに忙しくてなかなか実現が難しいことが、うれしい悩みでもある。
 今後は、道内外のスーパーや百貨店での販売や、様々な野菜を少量づつ詰め合わせたサラダセットを商品化するなど、一般の消費者の方にも西洋野菜を食べてもらう機会を提供して、西洋野菜の美味しさをもっと大勢の人たちに知ってもらいたいと考えている

 

 

 

Eye
生産者(柴田農園)が使い手(シェフ)との間に良い関係を築き、使い手のニーズを把握して、改良を重ね品質を向上させることで、優れたモノづくりに対する相乗効果を挙げている事例
(H23)

   

 

 
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