知事臨時記者会見記録 H10.7.2

  • 日 時/平成10年7月2日(木) 14:33~14:44
  • 場 所/記者会見室
  • 記者数/29名(その他カメラマン等 13名)

[知事からの話題]
<「時のアセスメント」対象施策の対応方針について>
 今日は、3点ほど私の方からお話をさせていただきます。
 1つは、「時のアセスメント」の対象施策の対応方針についてでございますけれども、「時のアセスメント」の対象のうち、「白老ダムの建設」と、それから「トマムダムの建設」の2事業につきまして、西村副知事の方から「再評価調書」の提出がありました。先ほど開きました政策会議におきまして、道としての対応方針を決定をいたしましたので、まず報告をさせていただきます。
 最初に「白老ダム」でございますが、治水対策の面で、ダム及び代替案について事業費、それから効果等を比較、検証いたしました。ダムを建設する必要性や妥当性が低い、また、利水対策の面でも、今後、新たな水需要が見込まれないといったようなことから、建設を取り止めることにいたしました。
 白老川が治水面でまだ所定の安全度を確保できていないということもございますので、今後は道として、この河道改修による具体的な計画を策定をいたしまして、整備を図ってまいりたいと考えております。
 その際、白老町の地域振興計画等にも、道として十分配慮してまいりたいとこのように考えております。
 それから「トマムダム」でございますけれども、利水対策の面で、ご承知にようにリゾート開発の行き詰まり等によりまして当初計画どおりの水需要が見込まれない、また、当面不足が懸念される上トマム地区の水道用水は、地下水等によって確保が可能である、さらに、治水対策については、この河道改修により代替が可能でありますことから、これも建設を取り止めることにいたしました。
 この「トマムダム」を予定している八戸沢川がですね、この未改修河川で安全度が低いということもございます。そんなこともございまして、道として河道改修による具体的な計画を策定して、今後順次整備を図ってまいりたいと考えております。
 なお、その際には、また占冠村の環境整備にも、道として十分配慮してまいりたいとこの様に考えております。
 2つの対象施策については以上のとおりでございますが、「時のアセスメント」は、対象施策を選定してほぼ一年が経過をいたしました。これまで4つの事業について結論を得ることができました。
 この間、再評価作業につきましては、評価の手法とか基準等が全くない、まあ言ってみれば手さぐりの状態からスタートしたわけですが、様々な試行錯誤を繰り返す中で、徐々にではありますけれども、制度として育ってきたのではないかとこのようにも感じております。
 残りの5つの事業につきましては、これまで以上に厳しい課題を抱えているものがございますが、今後、これまでの経験を十分に生かして、鋭意、検討作業を進めてまいりたいとこのように考えております。

<北海道自主・自律シナリオ懇話会などについて>
 それから2つ目になりますが、いろんな機会に私の方からお話をさせていただいておりますが、「北海道の自主・自律シナリオ懇話会」でございます。
 北海道の自主・自律に向けた、いわば構造改革の取り組みについてでありますが、これまで、庁内の関係課長で組織する検討会議で、「経済」、「行財政」、「公共事業」、そしてまた「道民意識・道民活動」の4つ分野について、北海道の現状とか課題などについて基本的な検討を進めてまいりました。
 この検討に加えまして、このたび民間有識者からの提言をいただくために、「北海道自主・自律シナリオ懇話会」を設置をすることにいたしました。7月10日に第1回目の会議を開催することにいたしました。
 この懇話会は、委員6名で構成をいたしまして、11月頃までに5回程度開催をいたしまして、北海道の自主・自律に向けた具体的な意見・提言をいただきまして、それらの提言を庁内での検討に反映させながら、北海道の自主・自律化を推進するためのプランを策定してまいりたいと考えております。
 また、この懇話会の下に、経済分野の課題を専門的に検討するために「北海道経済構造改革専門部会」を置くこととしておりまして、この第1回の会議を7月7日に開催することにいたしました。
 今後は、この懇話会での議論を道民のみなさんにお知らせをして、また各方面からのご意見もいただきながら、プランの策定を進めてまいりたいと考えておりますので、どうか皆さん方にはよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 なお、後ほど政策室長の方から詳しい内容について説明をさせていただきたいと思っております。
 なお、「懇話会」の委員とかあるいは、「改革専門部会」の委員等についても、お知らせをしたいとこのように思っております

<食品保健推進連絡会議の開催について>
 それから3つ目でございますが、先程、「食品保健推進連絡会議」を開催をさせていただきました。
 この度の道内産の「イクラ」を原因とする、腸管出血性大腸菌O-157によります食中毒についてでございますが、被害を受けられた方々には心からお見舞を申し上げたいと思います。
 他県からの情報提供があった後、直ちに調査の結果、感染源が特定されましたことから、道としては、関係業者に対して食品衛生法による所定の処分を行いました。
 現在、専門家等による原因の究明に当たっているところであります。
 また、同じような事故発生を防止して、消費者の方々のご心配を解消するための、他の水産加工施設に対して、緊急監視を実施いたしますとともに、保健所等における検査を受けるよう指導しておりますが、幸いにも今回の業者以外からは今のところ、O-157が検出されておりません。
 道内産「イクラ」の消費が1日も早く元に戻りまして、消費者の方々に安心して味わっていただけるようになることを心から願っておりますが、私としては、本件をきっかけといたしまして、道産食品全体の安全性の確保に向けて関係者が改めて強い決意で取り組んでいくことを確認するために、本日すべての部を招集をいたしまして「北海道食品保健推進連絡会議」を開催をいたしました。そして、各部長に対し、道産食品に対する安全性、消費者の信頼の確保に向けた施策に真剣に取り組むよう指示したところであります。
 北海道はこれから本格的な観光シーズンを迎えるわけでございますが、関係者や関係団体がそれぞれの立場で全力を挙げて取り組んでいただきたいと考えておりますし、私としても、今後とも北海道の食品全体の品質の向上と消費者の方々の信頼確保に向けて、万全の措置を講じてまいりたいと考えております。またこれらの詳細についても、後ほどまた、保健福祉部長から説明をさせていただきたいとこのように思っております。
 以上でございます。

[質問事項]

(北海道新聞)
 「時のアセスメント」の士幌高原道路の問題で、近く「士幌高原道路まつり」というのがあると思うんですが、道庁からどなたか出席することになるのでしょうか。

(知事)
 今のところ考えておりません。
 私ども、今、鋭意再評価作業を進めております。今までの長い経過もございますから、様々な角度から考えなければならないと思っております。1つはやはり費用対効果の問題もありますし、利用頻度の問題もありますし、自然保護との関わりもございます。また、地元の熱意をどういうふうに評価するかという問題もありますので、いろいろな角度から検討・再評価を進めてまいりたいとこのように思ってお
ります。

(朝日新聞)
 また、「時のアセスメント」に関しての質問なんですが、「時のアセス」の今後の課題みたいなもの、例えば、農政部門とかまだ手をつけられていないんですが、他に知事から課題みたいなもの、ございませんか。

(知事)
 「時のアセスメント」という形で、事業の再評価というかそういうものを進めたわけでございますが、同時平行的にですね、私どもが進めている事業全体について、事業の再評価をどうするかという手法の検討を民間の方々を座長にしたチームの中でいろいろ検討をさせていただいております。今後、そういった再評価の手法を私どもシステムとして作り上げながら、私どもが進めている仕事全体について、そういう手法をこれからの仕事の中に取り入れていきたいと、このように考えております。
 よろしいですか。
 詳しい内容はまた、それぞれの部長からいたしますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございます。

- 以上で終了 -

(この内容については、重複した言葉づかい、明らかな言い直しがあったもの等を整理のうえ、作成しています。[記録作成:総合企画部政策室広報課報道係])

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