北海道苦情審査委員の勧告と是正措置報告の概要

 

 -介護支援専門員の受験資格について-

 

1 経過

(1) 勧 告【平成15年4月4日、内容は2のとおり】

北海道苦情審査委員は、介護支援専門員の受験資格に係る苦情審査を行った結果、受験資格の審査の方法について、是正の措置を講ずる必要があると認めたので、道に対し是正勧告を行った。

 

(2) 是正措置報告【平成15年5月20日、内容は3以下のとおり】

道は、平成10年度以降の全受験申込者について受験資格の再点検を行い、これを踏まえた改善方策と、既に名簿に登録された介護支援専門員の今後の取扱いを定め、苦情審査委員に対し是正措置報告をした。

 

2 勧告の内容

介護支援専門員実務研修受講試験の受験申込みをした申立人が、道から実務経験の期間が足りず、受験資格がないと言われたことに対し、自分と同じ実務経験しかない知人が前年の試験を受験しているとして苦情の申立てがあった。

これを受けて、平成13年度試験の受験申込者4,860名について、当時、道が行った受験資格の審査の状況を再点検した結果、資格を満たさない受験者が10名に及ぶことが判明した。

厳正に行われるべき試験制度を預りながら、道の基本的な事務処理のミスにより、受験者に対し不公平な取り扱いを招く結果となったことは、介護保険制度への信頼感を大きく損ねるものである。

今後、このような問題が再び起きることのないよう、速やかな是正措置を求める。

 

3 受験資格の再点検結果

区        分

10年度

11年度

12年度

13年度

14年度

 受験申込件数

12,442

9,287

7,265

4,860

5,085

38,939

 うち、資格が確認できなかった件数

149

81

18

18

5

263

 

 

 

錯誤の

免許登録日の確認もれ

143

76

12

12

4

243

上記以外

6

5

6

6

1

20

介護支援専門員名簿に登録済みの件数

46

39

7

7

2

96

        ※「資格が確認できなかった件数」には、資格がなかったと断定できないものを数多く含む。

 

・錯誤の内容は、主に国家資格等の免許登録日以前の期間を誤って実務経験期間に算入したもの、実務経験証明書による実務経験期間の確認もれや算定誤りなど。

原因は、実務経験期間の内容や確認方法について、支庁への周知徹底が足りず、審査が甘くなってしまったものと考えられる。また、省令に定められている受験資格要件が非常に複雑であることも背景の一つと考えられる。

 

4 今後の改善方策

(1) 受験資格審査の厳正な実施

(チェック・プログラムの作成などコンピュータによる資格審査、等)

(2) 受験資格審査マニュアルの見直し

(3) 受験申込み関係書類の見直し

(4) 受験申込み希望者への受験資格要件等の周知徹底

(5) 受験資格要件の改善提言

 

5 名簿に登録された介護支援専門員の取扱い

受験資格が確認できないまま、介護支援専門員名簿に登録された96名の方々は、試験合格後、実務研修を修了しており、介護支援専門員として必要な一定の資質を有しているものと思料されること、また、受験資格が確認できなかったことは、道の審査ミスによること、取消しによる影響が登録された介護支援専門員のみならず、関係する事業者、利用者等にも及ぶ広範なものであることなども考慮し、登録を取り消さないこととする。

 

 

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