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ホーム > 総合政策部 > 地域創生局地域戦略課 >  北海道創生ジャーナル「創る」第5号 特集 むかわ町 後編


最終更新日:2019年3月13日(水)

5号 作る

 特集 恐竜・化石を活かしたまちづくり

 今回は、日本最大の恐竜全身骨格化石の発表を受けて恐竜研究の最前線である北海道で、「恐竜・化石」をまちづくりに活かす市町を特集します。

事例紹介 むかわ町 〔後編〕

 平成29年4月に「むかわ竜」が国内最大の恐竜の全身骨格化石であることが発表されたむかわ町。今回、編集部では、この太古からの奇跡の贈り物をまちづくりに活かしている方々の取組と今後の展望についてお聞きしてきました。

(取材者 地域戦略課 高野、横浜、貝澤)

海と陸、人と人をつなぐ日本最大の恐竜全身骨格

ワールド構想

 


「むかわ竜」第一発見者 堀田 良幸氏

堀田さん

(インタビュー内容を活かすため口語体で記載しております)

化石発見から発掘までの経緯

 趣味で年間何十回も山に入って化石採りしてんだ。クマに出くわすこともあって命がけの趣味なんだ。

 最初に「むかわ竜」の背骨の化石の一部を見つけたのは今から14年前で、もう大昔だ。最初は大きなワニかと思った。周りにもう少し骨があると思ったけど、そのときはそれ以上掘るのやめて、骨は穂別博物館の櫻井さんのとこにやった(寄贈した)んだ。しばらく音沙汰なくて、にわかに騒ぎ始めたのが平成23年くらい。それからあの化石を恐竜だと判断して、まさか本当に全身骨格を見つけるなんて、さすがは小林親分(北大・小林快次准教授)だ。  俺は平成25年7月の会見前、小林先生に「全身骨格」だなんて言うんじゃない、 (出なかったら)職無くすぞって言ったんだ。でも小林先生は「これに賭けてますから」って。結局あの人が正しかった。すごい人だよ。

 

堀田さんにとって「むかわ竜」の価値は?

 俺はアンモナイトを狙って掘っていたんだから、化石採りとしてはあたりが外れて、嬉しいばかりではなかったんだ。ただ今年6月の公開の時、子どもたちが喜んでくれたのと、地元のお店や宿が賑わってくれたことが良かったなぁ。夏休みには本州から親子連れで来る子もいて、サインしてくれって来たりするから、試しに化石クリーニングやらせてみると大層喜んだんだ。自分の息子にも初めて「お父さん、化石やってて良かったなぁ」と言われたんだ。同じ石でも恐竜がもつパワーってもんを実感したなぁ。

 

今後期待すること

 

 決して裕福でないこの町で予算をかけて発掘が行われたんだ。将来「こんなもの掘らなければ良かった」っていう言葉だけは聞きたくない。この地域で、おにぎり一つでも多く売れて、旅館の一部屋でも多く泊まってくれたら嬉しい。そのためには、町外から来やすくて、化石とむかわ町の良さを存分に味わえる環境を作ることが大事だな。


穂別博物館学芸員 櫻井 和彦氏

むかわ町 櫻井学芸員

発掘から現在

 平成23年、以前堀田さんから寄贈いただいた化石が恐竜のものである可能性が出てきて、北海道大学の小林先生に見ていただくことになりました。現場を確認したところ体の前方の骨が出てきたため、平成25年と26年に北大と共同し大規模な発掘調査を行うことになりました。

 北海道で大規模な恐竜化石発掘が行われるのは初めてでした。現場が道有林であったため、道の森林室へ様々な手続きが必要で、しかも書類は全てマル秘扱い。その点で若干苦慮はしましたが、森林室の皆さんが好意的に受け入れてくださいました。

 今年4月に国内最大の全身骨格化石であることは発表されましたが、現在も石の塊から骨化石を取り出すクリーニング作業は、穂別博物館・北大などで行われています。博物館でのクリーニングは、以前は1名体制でしたが現在は4名体制にボランティアの方も加わって行っています。

 

「むかわ竜」のインパクトとむかわ町の課題

    

  やはり「恐竜」は他の化石と別格で、皆が夢中になる存在です。今後も、更なる盛り上がりが期待できます。既に今年7月(有)ゴビサポートジャパンというレプリカ製作会社が町内に進出し、11月からは町内の7名を雇用し、「むかわ竜」のレプリカ製作に着手しています。

 今年4月の発表以来、博物館の入館者数は前年に比べて増え続け、今年10月末時点で入館者数は昨年の年間総入場者数を大きく越えています。今年6月に行われた実物標本の一般公開には鵡川地区・穂別地区合わせて、5000人を越える人が訪れました。飲食店などは大変な賑わいでした。

 もちろん経済効果はありましたが、そこで様々な課題もはっきりしてきました。博物館自体の駐車場だけでなく、食事処、お土産品やそのお店など、今後は、多くの人に対応できる体制づくりが必要となるでしょう。

 

博物館の今後

 

 アンモナイトやクビナガリュウはまさしく、このむかわ町(かつての海)で生きていた存在であり、むかわ町の自然史を語るには非常に重要な存在です。一方、「むかわ竜」は何らかの経緯でこの町に流れ着いた陸の生物です。「むかわ竜」の常設展示はまだ先ですが、海と陸の二本柱での展示を行って、海生爬虫類と恐竜が出たむかわ町の特性をアピールしていきたいです。

※平成2912月現在、穂別博物館では「むかわ竜」の骨格の一部のみ展示しており、全身骨格は研究中のためご覧いただけません。

むかわ町穂別博物館URL:http://www.town.mukawa.lg.jp/1908.htm

 


恐竜隊員(地域おこし協力隊) 中田 幸宏氏

 

   むかわ町 中田隊員

隊員としての活動内容

 

 今年7月より、恐竜隊員(むかわ町地域おこし協力隊)として就任してから現在まで「恐竜アカデミア」や道内初のティラノサウルス・レックスの全身骨格レプリカ展示などイベント開催に奔走してきました。

 現在は来年2月にプレオープン予定の「むかわ町子ども化石くらぶ(仮称)」の準備を進めています。化石くらぶは「化石を楽しみながら科学して将来の古生物学者を応援する」ことを目標に、町内をはじめ道内の小学生を対象に、平成30年5月から10月の間、月に一度、むかわ町内での化石関連の学習や実地体験を行う計画です。

 

むかわ町の印象と今後の展望

   

 むかわ町はフレンドリーな人が多く、僕にも興味を持って積極的に話しかけてくれます。自分も任期の間、新しいことにどんどん飛び込んでいくことを心がけ、むかわ町内外へ、「むかわ竜」や化石の魅力や価値を伝える活動に従事して、町の活性化につなげたいと思います。


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