●港湾の知識

(1)法令・行政用語

■港湾法
 
交通の発達及び国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため、港湾の秩序ある整備と適正な運営を図り、航路を開発し、保全することを目的に、昭和25年5月31日に制定された法律。

■港湾管理者
 
港湾法に基づき、港湾を開発、保全、管理する公的主体。港湾管理者になることができるのは地方公共団体のみである。道内の港湾では、市町村または道と地元市で設立する一部事務組合が港湾管理者となっている。

■海岸保全区域
 
海岸法に基づき、波浪などによる被害から海岸を防護し、国土の保全をするため知事により指定された区域。既設の海岸保全施設がある区域、海岸保全施設に関する計画がある区域、あるいは海岸保全上特に行為の制限を行う必要があると認められる区域に指定される。

■港湾隣接地域
 
水域である港湾を保全し、水域にある港湾施設を維持し、港湾の背後地を保全するために、港湾区域に隣接する地域において、港湾管理者が指定した地域。

■海岸管理者
 
海岸法に基づき、海岸保全区域及び一般公共海岸区域(海岸保全区域以外の公共海岸)の管理を行う者であり、原則として都道府県知事が管理者となる。ただし、海岸保全区域が港湾区域及び港湾隣接地域と重複する場合は港湾管理者の長が管理者となる(海岸法第5条第3項)。

■国際戦略港湾
 長距離の国際海上コンテナ運送に係る国際海上貨物輸送網の拠点となり、かつ、当該国際海上貨物輸送網と国内海上貨物輸送網とを結節する機能が高い港湾であって、その国際競争力の強化を重点的に図ることが必要な港湾。

国際拠点港湾                                                                                                                                                              国際戦略港湾以外の港湾であって、国際海上貨物輸送網の拠点となる港湾。 道内には2港(室蘭港および苫小牧港)

■重要港湾
 国際戦略港湾及び国際拠点港湾以外の港湾であって、海上輸送網の拠点となる港湾その他の国の利害に重大な関係を有する港湾。道内には10港。

■地方港湾
 国際戦略港湾及び国際拠点港湾及び重要港湾以外の港湾。 道内には23港。

■56条港湾
 
港湾区域の定めのない港湾で、港湾法第56条に基づき、都道府県知事が水域を公告した港湾。道内には6港。

■避難港
 
暴風雨に際し、小型船が避難のため停泊することを主たる目的とし、通常は貨物の積卸や旅客の乗降の用に供せられない港湾。道内には6地方港湾が該当(松前、奥尻、えりも、椴法華、宗谷および天売)。

■港湾計画
 
港湾管理者が、港湾についての長期的な開発、利用及び保全の基本的な方針を定めた計画で、その港湾整備を進める上で、また管理運営を行う上での指針となるもの。

(2)港湾施設及び機能

■航路
 
船舶の航行に供するために設定された水路。

■航路標識
 
船舶に自分の位置を知らせるための灯台や浮標灯などの標識。

■泊地
 
船舶が安全に停泊するための水域。

■上屋
 
船舶から降ろされた貨物や船積みされる貨物の一時保管場所。

■野積場
 
石炭、鉱石、木材のように、屋外に置く貨物の一時保管所。

■ガントリークレーン
 
橋桁の両端に一定の間隔を置いて2本の走行脚を設け、車輪により地上のレール上を走行する構造のクレーン。コンテナ埠頭に設置されるものが代表的。

コンテナ
 もともと「容器」を意味するが、一般には貨物、特に雑貨輸送の合理化のために開発された一定の容積を持つ輸送容器をいう。材質は鋼などもあるが、近年はアルミ製が主流。サイズは通常長さで表示され、20、40フィートのものが主流。また、コンテナの幅と高さはそれぞれ8フィート、8.6フィートが標準であったが、最近では40フィートコンテナのうち、高さが9.6フィートの背高コンテナが使用されるようになってきている。

■コンテナヤード
 
船舶に積み卸すコンテナと輸送用のシャーシを受け渡したり保管する場所で、コンテナターミナルの大半の面積を占める。

■シャーシ
 
フレームにエンジン、駆動装置、車軸などが取り付けてあるものをいう。海上コンテナ用トレーラを一般にシャシと呼ぶ場合もあり、これは普通のトレーラのように床板や荷箱及び自走設備が装備されておらず、フレームがむき出しになっている。

■バルク貨物(bulk cargo)
 
穀物、塩、石炭、鉱石などのように、粉粒体のまま包装せずに積み込まれる貨物。ばら積み貨物ともいう。

■ユニットロード
 
船舶や自動車、鉄道などの貨物積載方法及び積載状態(積載量)による経済性・効率性を高め、このことが貨物輸送全体の効率化を図ることとなるよう、雑貨などの物品を1つにまとめた貨物。代表例として、コンテナやパレットおよびシャシを用いた貨物輸送がある。ユニットロードの効果としては、機械荷役を可能とすることによる荷役効率や輸送機関の運用効率の向上が図られることの他、物品の破損・紛失の防止、包装費の節約などがあげられる。ユニットロードに対応する船舶輸送としては、フェリー、コンテナ船およびRORO船によるものが代表的である。

■バース
 
港内で荷役などを行うため、船舶を停泊・係留する場所のこと。

■耐震強化岸壁(耐震バース)
 大規模な地震が発生した場合に、緊急物資や避難者の海上輸送を確保するため、通常よりも耐震性を強化して建設された岸壁。

■ウォーターフロント
 海岸や河川などの水辺に接する地域。各地で親水性を持つ都市環境としての開発が進められている。

■マリーナ
 
プレジャーボートを係留、保管等するための港湾。道内では、小樽や室蘭、函館、江差などで整備されている。

■中核国際港湾
 
中枢国際港湾を補いながら、地域のコンテナ輸送を担う、国際海上コンテナターミナルを有する港湾。道内では、苫小牧港が指定されている。

■中枢国際港湾
 
いわゆる国際ハブ港湾とも呼ばれ、長距離の国際航路網を持ち、国内と世界とを結ぶ拠点となる、国際海上コンテナターミナル群を有する港湾。

■スーパー中枢港湾
 日本の特定重要港湾のうち特定国際コンテナ埠頭(次世代高規格コンテナターミナル)の形成により国際競争力の強化を図ることが特に重要なものとして政令により指定されている港湾。平成16年7月、京浜(東京・横浜)、伊勢湾(名古屋・四日市)、阪神(大阪・神戸)の三港湾が指定されている。 

■国際海上コンテナターミナル
 
岸壁の水深が12m以上、ターミナルの長さが概ね300m以上で、高能力の荷役機械を備えたコンテナターミナル。

多目的国際ターミナル
 
岸壁水深10m以上で、多様な荷姿の外貿貨物を取り扱うターミナル。

トランシップ
 
積荷港から荷卸港まで、同一船舶で運送されずに、途中港で積み替えされること。A国から積み出された貨物が、B国の港湾で他船に積み替えられてC国へ運送される場合、この貨物をトランシップ貨物または、外貿フィーダー貨物という。

■複合一貫輸送
 
特定の貨物が船舶、鉄道、自動車、航空機など種類の異なる2つ以上の輸送手段により連続して運送される場合を複合輸送あるいは複合運送というが、このうち、荷送人の戸口で貨物が詰められ、かつ封印された貨物を輸送の中継地で一度も開封することなく、荷受人の戸口まで単一の運送人の一元的な管理のもとに貨物を届けることをいい、コンテナの普及とともに広まった。

港湾EDIシステム
 港湾関連の申請や届出など行政手続の電子情報処理化を推進するために、国土交通省港湾局、海上保安庁などが港湾管理者と協力して開発した情報通信システム。現在、通関情報処理システム(NACCS)、乗員上陸許可システムと相互に接続・連携することにより、一回の入力・送信で関係官庁に対する必要な手続きを行うことが可能となっている(シングルウィンドウ化)。

リサイクルポート(総合静脈物流拠点港)
 港湾における「静脈物流」(生産や消費活動で排出したものの輸送)の拠点化や低コストで環境負荷の小さい海上輸送を活用したネットワークの形成を図るべく、広域的なリサイクル施設の立地等に対応した静脈物流の拠点となる港湾として、国土交通省より指定を受けた港湾。現在北海道では室蘭港、苫小牧港および石狩湾新港が指定されている。

■モーダルシフト
 
輸送の方式を転換すること。具体的には、トラックから鉄道、または船舶による輸送に切り替えること。これにより省エネ効果、交通渋滞の緩和などが期待できる。

■TEU(Twenty-foot Equivalent Units)
 長さ20フィートのコンテナに換算したコンテナ取扱個数の単位。20フィートコンテナ1個が1TEU、40フィートコンテナ1個が2TEUとなる。

(3)船舶

■総トン数(Gross Tonnage,GT,G/TまたはG.T.)
 
船舶のトン数の測度に関する法律により定められた、船舶の大きさを表す指標。船舶の内部の総容積から、国土交通省令で定めた基準に該当する開口容積を除き立方メートルで表した値に、さらに一定の係数をかけて算出した値。なお、国際航海に従事する船には、条約に基づいて国際的に統一された計測方法により算出される「国際総トン数」が用いられる。

純トン数(Net tonnage,NT,N/TまたはN.T.)
 
旅客又は貨物の運送の用に供する場所とされる船舶内の場所の大きさを表すための指標。総トン数から機関室、船員常用室など航行に必要な部分の容積を除いたもの。船にかかる税金や手数料は純トン数をもとに計算される。

重量トン数(Dead weight tonnage,DWT,D/WまたはD.W.T.)
 
船舶の航行の安全を確保することができる限度内における貨物等の最大積載量(自己の燃料や飲料水等も含む)を表すための指標。貨物を満載したときの重量から、貨物を積載していない時の重量を引いて求める。載貨重量トンともいう。

排水トン数(Displacement tonnage)
 
船の水面下の体積と等しい体積をもつ水の重量により表される、船の重量を示す指標。特に軍艦の大きさの表示に用いられる。軍艦等は積荷の可能量、又は積荷による総重量の変化を考慮する必要性が乏しいため主に排水トン数を用いる。

■フェリー(自動車航送船)
 
海上運送法による免許又は許可を受けて、旅客および貨物を自動車ごと運搬できる船舶のこと。

■ライナー(liner)
 
定期船のこと。不定期船はトランパー(tramper)という。

■RORO船(ローロー船)
 
「Roll on Roll off ship」の略で、車輪つきの車両をランプウェーを通して船に自走または牽引により積み下ろしができる船。クレーン未整備の港湾でも荷役ができ、コンテナより迅速な荷役が可能である。 

■コンテナ船
 
貨物輸送の合理化のために開発された一定容量を持つ輸送容器(コンテナ)を輸送する船。近年、国際貿易では定期船貨物量のほとんどがコンテナ貨物である。

■プレジャーボート
 
ヨット、クルーザー、モーターボートなどの、主にレジャーを目的とした船舶。道内における在籍数は年々減少している。

タグボート
 他の船舶を押したり引いたりするための船。引船、曳船(ともに読みはひきぶね)、押船(おしぶね)とも言う。道内でも多くの港湾で港内に出入港する船舶の操船の補助として使用されている。

■パナマックス
 パナマ運河を通過できる最大の船舶のことで、概ね5万トンから8万トンの大型船。

 

(4)出入港の手順

■入港前
 
船長は、入港予定時刻、船舶の大きさ、積載貨物の種類、数量等を船舶代理店等に連絡する。
 船舶代理店は、船舶の入港手続き、貨物の積卸の準備をする。

■入港直前
 
船長は、検疫錨地(港外)に停泊し、(1)伝染病の有無(検疫所)、(2)密輸品(税関)、(3)密入国者(入国管理局)の調査を受けて入港する。

■出港
 
荷揚げした船舶は、船内の清掃や点検をし、燃料・食糧・水等を積み込んで出港する。
 貨物を積んで出港する場合は、入港時と同じ手続きが必要となる。

 


港湾トップページにもどる