北海道のコンテナ苗の取り組み

<コンテナ苗とは>

コンテナ苗は、林業先進地の北欧などで実用化されている硬質樹脂等で作られたコンテナ容器で育苗された根鉢付きの苗木です。普通の苗(裸苗)は芽の成長が休止している春と秋に植栽するのに対し、コンテナ苗は根に培地がついている状態で植栽することから、植えやすく、苗の取扱いが簡単、活着が良い、植栽適期が長いなど、多くの効果が期待されています。

コンテナ容器

コンテナ苗

取り出したコンテナ苗木

<コンテナの種類>

コンテナ容器は、底面が開口し空気に触れることで根の成長が止まる根切効果と側面のリブ(肋骨状の突起)やサイドスリット(細長い切れ目)により根の変形や根巻を防ぐ工夫がなされています。

リブ

サイドスリット

また、林野庁が開発したマルチキャビティコンテナに加え、宮崎県林業技術センターが開発したMスターコンテナ、北海道山林種苗協同組合や道総研林業試験場が開発した北海道型コンテナ、オーストリアで使用されているコンテナなど各種タイプによるコンテナ育苗が道内の苗木生産事業者において育苗されています。

マルチキャビティ

Mスターコンテナ

植栽1年後の根系 (左:裸苗、右:コンテナ苗)

北海道型コンテナ

310ccサイドスリット(オーストリア製)

<コンテナ苗の生産量>

道内でのコンテナ苗の生産量は、平成23年度の3.2千本を皮切りに急速に増加し、令和3年度には1,698千本と苗木総生産量の約1割を占めており、主に国有林、道有林及び一部の会社有林の植栽に活用されています。
これらのコンテナ苗は、国有林では平成23年度から試験的な植栽が開始され、平成25年度には全道24箇所の森林管理(支)署に拡大し、令和2年度から裸苗との本数割合で約5割を超え、令和4年度においては、約8割となる1,330千本が植栽されました。
道(道有林・治山事業)では、平成24年度から試験的な植栽が始まり、これまでに全道12振興局管内で植栽されており、令和3年度には約72千本が植栽されました。
一般民有林においては、平成26年度に初めてコンテナ苗が植栽され、令和3年度には約636千本が植栽されました。

北海道のコンテナ苗生産量の推移

<生産・利用本数の拡大に向けた取り組み>

北海道の気候や地質等に適したコンテナ苗の検討を進めるため、平成25年2月に北海道森林管理局、道水産林務部、試験研究機関、林業関係団体等による「北海道型コンテナ苗協議会」を設置し、植栽後の成長状況等の検証などを行うことにより、コンテナ苗の実用化を図ってきたところです。コンテナ苗の供給体制が確立されてきた近年は、生分解性コンテナ苗や育苗期間の短縮が可能となる育苗方法について検証などを行うことで、さらなる生産・利用本数の拡大に取り組んでいます。

また、道では、令和3年度から専用の植栽用器具によるモデル植栽の実施に取り組んでおり、まだ使用割合が低い一般民有林におけるコンテナ苗の普及を図っています。

現地検討会

植栽試験

成長試験

<「北海道コンテナ苗利用拡大推進方針」の策定について>

コンテナ苗の利用拡大に向けて、その基本的な考え方や当面10年間に必要となる対策についてとりまとめ、関係者が連携し一体となって取り組むための方向性を示した「北海道コンテナ苗利用拡大推進方針」を令和2年3月に策定しました。
令和5年3月には、北海道森林づくり基本計画等の改定やコンテナ苗の利用拡大状況を踏まえ、さらなる利用拡大に向けて本方針の改正を行いました。

◆コンテナ苗に関する情報

 

 
概論

コンテナ苗についてその1 (PDF 2.14MB)

(森林総合研究所北海道支所)(森林総合研究所北海道支所)(森林総合研究所北海道支所)(森林総合研究所北海道支所)(森林総合研究所北海道支所)

コンテナ苗についてその2 (PDF 1.84MB) (森林総合研究所北海道支所)
コンテナ苗の生産状況 (北海道山林種苗協同組合HPへのリンク)
コンテナ苗を活用した主伐・再造林技術の新たな展開 ~実証研究の現場から~ (森林総合研究所北海道支所HPへのリンク)
カラマツ播種コンテナ苗とクリーンラーチ挿し木コンテナ苗の育苗方法と森林遺伝育種への応用 (林務局森林整備課)(林務局森林整備課)(道総研林業試験場)(道総研林業試験場)
パンフレット「コンテナ苗を使ってみませんか?」 (PDF 741KB) (林務局森林整備課)

技術開発

生産工程

育苗中困ったなという時にーコンテナ苗症例集ー (森林総合研究所北海道支所)
新しいコンテナ苗生産方法の提案 (森林総合研究所北海道支所)
光珠内季報(カラマツ種子を発芽促進処理せずにコンテナに播くとどうなるか)(PDF 676KB) (道総研林業試験場)
グリーントピックス「カラマツコンテナ苗木を1年で作る」(PDF 370KB) (道総研林業試験場)
光珠内季報(平成27年 北海道森づくり研究成果発表会要旨集)「カラマツとクリーンラーチのコンテナ苗木生産方法の開発」(PDF 492KB) (道総研林業試験場)
JOURNAL OF FOREST RESEARCH「Characterization of Larix kaempferi seeds selectedby near-infrared spectroscopy for germination andpost-germination growth in nursery containers」(日本語要約)北方林業「近赤外分光法で選別したカラマツ種子の発芽とコンテナ育苗した苗の成長」(道総研林業試験場・九州大学)(PDF 2.77MB) (道総研林業試験場)
北海道林業試験場研究報告「施肥とコンテナのセル容量がカラマツ播種コンテナ苗の成長に与える影響」(道総研林業試験場) (道総研林業試験場)
日本森林学会誌「閉鎖型育苗施設を活用したクリーンラーチ挿し木幼苗の通年生産の検証(住友林業株式会社・道総研林業試験場) (道総研林業試験場)
北方林業「コンテナ苗の冷蔵保管技術の活用可能性」 (PDF 2.74MB)(道総研林業試験場、大坂林業) (道総研林業試験場)
日本森林学会誌「カラマツとクリーンラーチ(グイマツ×カラマツ雑種 F1)のエタノール種子精選」および発芽に及ぼすエタノール浸漬の影響 (国立研究開発法人 科学技術振興機構HPへのリンク)  
コンテナを用いたクリーンラーチ挿し木苗幼苗の生産技術の開発(PDF 389KB) (道総研林業試験場)
グイマツ雑種F1優良家系「クリーンラーチ」の挿し木コンテナ苗育苗技術の開発 (道総研林業試験場)
カラマツ播種コンテナ苗育成方法とコンテナ苗運搬・植栽システム (道総研林業試験場)
広葉樹 マルチキャビティコンテナを使用したアオダモ実生苗の育成(PDF 1.21MB) (森林総合研究所林木育種センター北海道育種場)
針葉樹

トドマツのコンテナ育苗に関する研究 (PDF 127KB)

(森林総合研究所林木育種センター北海道育種場) 

植栽試験情報

工程調査

労働強度軽減に向けたコンテナ苗植栽システムの開発(PDF 136KB) (道総研林業試験場)
北方林業「コンテナ苗の運搬・植栽システムの提案」(PDF 1.61MB)(道総研林産試験場) (道総研林業試験場)
活着 コンテナ苗の活着率  (PDF 1.7MB) (北海道森林管理局)
治山事業におけるコンテナ苗の導入 (PDF 155KB) (林務局治山課)
森林施業試験道有林における実践例 第Ⅺ報 コンテナ苗木植栽試験(上川北部森林室・オホーツク東部森林室 (PDF 1.94MB) (森林環境局道有林課)
異なる時期に植栽したカラマツコンテナ苗の生存率、成長および生理生態特性 (日本森林学会誌HPへのリンク)

複数試験地データからみたコンテナ苗の植栽後の活着および成長特性

(日本森林学会誌HPへのリンク)

成長調査

生長調査結果 (PDF 166KB) (北海道森林管理局)
治山事業におけるコンテナ苗の使用状況について(PDF 373KB) (林務局治山課)
その他 コンテナ苗を利用した一貫作業で再造林の低コスト化へ挑戦 (森林総合研究所北海道支所)
北方林業「北海道におけるコンテナ苗の現状と今後の方向性」 (PDF 2.27MB)(道総研林業試験場) (道総研林業試験場)

コンテナ苗を利用した一貫作業で再造林の低コスト化へ挑戦

北海道型コンテナ苗協議会 (PNG 964バイト)

林業試験場 (PNG 1.44KB)

北海道支所 (PNG 979バイト)

北海道森林管理局 (PNG 792バイト)

北海道森林組合連合会 (PNG 990バイト)

北海道育種場 (PNG 1.17KB)

道苗組 (PNG 700バイト)

造林協会 (PNG 1.19KB)

白紙 (PNG 322バイト)

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