平成16年4月27日

北海道における               森林の公益的機能の評価額について

 
   森林は、木材の生産のみならず、水源のかん養、土砂流出の防止、二酸化炭素の吸収など、様々な公益的機能を有しています。
  日本学術会議では、平成13年11月に、全国の森林の公益的機能の評価額を試算し、総額で年間約70兆円になると公表しました。道としても、普段の生活で実感することの難しい公益的機能を分かりやすく道民に示すことは極めて有意義であることから、北海道の森林の公益的機能について、日本学術会議の算出方法に基づき、試算を行ったところ、その価値は総額で年間約11兆1千億円となりました。
  なお、森林には、今回評価を行った評価項目以外に、森林しか持ち得ないかけがえのない重要な機能(例えば遺伝子資源の保全、良好な景観の形成、気象の緩和など)を有しているとされています。
 

1 北海道における森林の公益的機能の評価額(年間)

機能の種類 評 価 額 備   考
水源かん養機能

降水の貯留            1兆1,300億円

洪水の防止       
     1兆 400億円

水質の浄化         
    1兆7,300億円 
  計 3兆9,000億円

○森林の土壌が降水を貯え、河川へ流れ込む水の量を調整して、洪水や渇水を防ぐ役割

○上記の過程において水質を浄化する役割
・森林の年間貯水量は約240億t                 ・森林は洪水時のピーク流量をカット     ・森林は水質を中和し、ミネラルを付加
土砂流出防止機能 4兆9,500億円 ○森林の下層植生や落葉等が地表の侵食を抑制する役割                     ・森林の土砂流出防止量は年間約9億m
土砂崩壊防止機能 1兆8,700億円 ○森林が地下に根を張り巡らせることにより、土砂の崩壊を防ぐ役割                   ・森林の土砂崩壊防止面積は年間約210km
保健休養機能 3,100億円 ○森林が人々に安らぎを与え、余暇を過ごす場として果たしている役割
・道民の約8割が年に1度は森林を訪れる
大気保全機能

二酸化炭素吸収

900億円

○森林がその成長の過程で、二酸化炭素を吸収している役割                      ・森林の二酸化炭素吸収量は年間約730万t
化石燃料代替 100億円 ○木材の少ない二酸化炭素の放出で住宅を建設できる役割
・木造住宅の二酸化炭素放出量は1棟あたり5,140kg
合   計 11兆1,300億円  

2 森林の働きについて

【水源かん養機能】

写真:水源かん養機能 森林は水を貯え、降雨後の河川の増水を抑え、赤潮等の原因となる窒素やリンを除去し、ミネラルを増加させおいしい水を作ります。また、酸性雨の中和も行います。


【土砂流出防止機能】

写真:土砂流出防止機能
森林は、流れ出す土砂の量を荒廃地の1/150に抑えます。



【土砂崩壊防止機能】

写真:土砂崩壊防止機能 森林は、成長とともに土壌の中に根を張り巡らせ、土壌の崩壊を抑える力が増加します。


【保健休養機能】

図:保健休養機能 森林は、美しい景観をつくりだし、人々のレクリエーション活動や教育の場を提供してくれます。


【大気保全機能】

図:大気保全機能 森林は、二酸化炭素の吸収や酸素の供給を行い、大気を清浄に保っています。


 【化石燃料代替】

森林から得られる木材により建設される住宅は、RCや鉄骨造りと比較して少ない二酸化炭素の放出で建設できます。

(北海道水産林務部林務局森林計画課)