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最終更新日:2012年2月17日(金)


市町村合併時における「歴史資料として重要な公文書等」保存ガイド(北海道立文書館)


北海道立文書館


市町村合併時における「歴史資料として重要な公文書等」保存のためのガイド

 市町村合併により、平成16年12月に「新」函館市が発足して以来、道内においても次々と合併による新市町が誕生しています。
 旧町村名が消えたことへの寂しさを感じずにはいられない一方、合併を飛躍のバネにと考える向きも少なくないのではないでしょうか。
 「昭和の大合併」の際、貴重な公文書が散逸してしまった反省をもとに、「平成の大合併」では貴重な公文書を散逸させてはいけないという意識は高まっています。
 北海道立文書館では、公文書等保存に少しでも役立つよう「ガイド」を作成しましたので、是非参考にしていただきたいと思います。
 
◆◆ 歴史資料として重要な公文書等を保存していくために ◆◆
◆◆ 「歴史資料として重要な公文書」保存のための作業手順 ◆◆
◆◆ 行政刊行物等の保存 ◆◆
◆◆ 「歴史資料として重要な公文書等」保存のための作業手順フロー図(186KB) ◆◆
◆◆ 参考:公文書館法 ◆◆
 
 
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◆◆ 歴史資料として重要な公文書等を保存していくために ◆◆

 
■ 市町村合併時の公文書の扱い
 
1 市町村合併にともなう公文書の承継
地方自治法施行令第五条に、「普通地方公共団体の廃置分合があった場合においては、その地域が新たに属した普通地方公共団体がその事務を承継する。」とあります。この「事務の承継」とは、一切の行政上の行為を含むもので、公文書類は「承継」の対象となります。
したがって、従前各市町村がそれぞれ管理してきた公文書は、新市町村に引き継がれ、新市町村の文書管理に関する規定に基づいて管理されることとなります。
 
2 保存期間が満了した文書の扱い
昭和62年に制定された公文書館法では、「国及び地方公共団体は、歴史資料として重要な公文書等の保存及び利用に関し、適切な措置を講ずる責務を有する。」(第三条)と定められています。この法律で言う「公文書等」とは、「国又は地方公共団体が保管する公文書その他の記録(現用のものを除く)」(第二条)のことで、保存期間が満了した公文書はこの法律で言う「公文書等」に該当します。
したがって、保存期間が満了し行政上は保存の必要性がなくなった文書(非現用文書)であっても、文書そのものをただちに廃棄するのではなく、「歴史資料として重要な公文書等」に該当するかどうかの判断が必要となります。
何が「歴史資料として重要な公文書等」であるのか、内閣が公表している公文書館法の解釈では、「具体的に何がそれ(歴史資料として重要な公文書等)に該当するのかという厳密な客観的な基準には本来なじまない性格のものである。」として、答を用意してくれてはいません。ですから、それぞれの市町村が、主体的に判断し、保存し、利用の措置を講じていかなければなりません。
市町村合併にともない、不要となる公文書が多数発生することが予想されますが、上記の点には十分留意してください。
 
3 歴史資料として重要な公文書等を残すために、どうしたらいいのか
道内市町村の文書管理に係る規程を見てみますと、市町村史編さんに必要な公文書は永年保存とするとか、廃棄決定された後も保存するといった内容を盛り込んでいる市町村が少なからずあります。しかし、何がそれに該当するのかを判断するための考え方、基準といった「物差し」まで用意しているところは多くはありません。また、規定はあっても、規定に基づいて文書が保存されたという実績がほとんどない、そんなケースもあります。
市町村合併という多忙な状況の中で、歴史資料となるべき公文書の保存に向けて、具体的にどのように作業していったらよいのかについて、以下のような方法を考えてみました。
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◆◆ 「歴史資料として重要な公文書」保存のための作業手順 ◆◆

 
■ 当面の措置(歴史資料として重要である可能性の高い公文書を残す)
1 下記により、残すもの、廃棄するもの、それ以外のものに分ける
 
1 規程等で歴史資料として扱われてきた公文書
旧市町村の文書管理に関する規程等で、歴史資料、市町村史編纂資料として保存されてきた公文書は、すべて残す。
 
2 文書作成時期による判断
・ 昭和期までに作成された公文書は、すべて残す。
 
3 文書保存期間による判断
・ 永年保存文書は、当面、歴史的価値のある文書と見なして残す。
・ 中長期保存文書(おおむね5~10年)のうち、定例的に作成される軽易な文書は、廃棄する。
(例)住民からの諸証明等交付申請書類、個々の住民に関する年金・国保・税金(納付・延滞など)・各種検診・保護・入退学等に関する文書、伝票、受領書、日計表、各種請求書、明細書など
・ 短期保存の文書(おおむね1~3年)であって定例的な文書は、原則として廃棄する。
 
4 担当部署による判断
他部署が主管する文書は、主管する部署のものを選別対象とする。
(例)予算関係文書は、予算を主管する部署で作成されたものを選別対象とし、
その他の各部署で作成されたものは選別対象外として廃棄する。
5 上記1~4に該当しない文書は、内容によって判断する。
 
2 内容によって判断するとしたものの、大まかな選別
 
1 次の項目に該当するものは、残す。
1 市町村政の基本的な執行方針に関するもの及びその方針を受けてなされた事業等の企画、成果・結果等が明らかとなるもの
2 市町村が実施した事業、行事に関するもの
3 主要な都市計画、農山漁村計画及び計画実施後の姿が明らかとなるもの
4 市町村の主要な制度の内容及びその変遷が明らかとなるもの(条例、規則等)
5 市町村の財政や財産状況を明らかにするもの(予算、決算、監査、財産の取得・処分)
6 市町村の組織、機構等の変遷が明らかとなるもの(組織の改廃、施設、学校等の新設・廃止等)
7 市町村が所有または管理する建物・道路・橋梁・河川等の新設、改廃等が明らかとなるもの
8 市町村職員に関する記録のうち主要なもの
9 議会、各種委員会、審議会などの審議内容を明らかとするもの
10 住民世論調査、住民からの請願・陳情、選挙結果等、その時々の住民の意思・意向を明らかとする主なもの
11 名誉市町村民、功労者、表彰等の対象者に関するもの
12 市町村が行う主要な調査、統計等の結果を明らかにするもの
13 市町村が行う許認可、補助、融資等で主要なもの
14 不服申し立て、訴訟、裁定などに関するもの
15 市町村に関係する重大な事件、災害を明らかにするもの
16 市町村幹部職員の事務引継書
17 市町村に関係する政治、経済、文化等の上で重要な人物に関するもの
18 市町村及び市町村が実施した事業等の沿革を記録したもの
19 その他重要と思われるもの
 
2 判断の付かないものは、残す。
  公文書の内容を精査したり、他の文書と比較照合が必要であるなど、時間のない中では判断できない場合、当面は残しておきましょう。
 
 
■ 落ち着いてからの措置(最終的に残すべきものを選別する)
3 歴史資料として重要な公文書を選別し、保存する 
 
  前段階での作業では、おおざっぱな判断基準により、歴史資料として重要である可能性の高い公文書を残しました。時間がない中での、いわば緊急避難的な措置です。
  市町村合併にともなう忙しさから解放されたら、残しておいた文書について、自分たちの市町村の歴史を知る上で、将来どんな文書が必要か、市町村の姿(行政、産業、社会、文化など)の移り変わりや特色、事件・行事・災害、住民の意識などを知るために必要な文書とは何か、そんな観点から点検し、軽易なものは除き、重要と考えられるものを選別し、保存するようにしましょう。
選別にあたっては、今後も使えるような選別についての考え方、基準などをあらかじめまとめておくことが望ましいと思います。
 
  なお、例えば陳情書など、一つの案件に対して同一内容の多量の文書が作成される場合があります。そのような場合、代表する一部だけを残し、他は残さないこととするのも一つの方法でしょう。
 
公文書は継続的に、体系的に残していくことが必要ですが、おおまかな変化がわかればよいもの、あるいは発生する文書量が膨大で収容力に問題がある場合など、5年に1度、10年に1度といったように一定の期間を置いて残していくことも検討していいでしょう。
 
 
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◆◆ 行政刊行物等の保存 ◆◆

 
市町村の各部署が作成した種々の刊行物、作成あるいは収集したビデオ、写真、テープなども、将来の住民にとっては、重要な歴史資料となります。
合併にともない、書庫や倉庫の整理が行われる際、こうした資料が出てくることもあろうかと思います。これらについても安易に処分しないで、将来に残すようにしましょう。
 
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