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北方領土の自然



北方四島のシルエット


1 四島の位置・面積
2 四島各島の地勢
 (1) 歯舞群島
 (2) 色丹島
 (3) 国後島
 (4) 択捉島
3 四島の気候


1 四島の位置・面積

◎北方領土の面積等
(単位:平方キロメートル、世帯、人)
島名(村)
面積
世帯数
人口



水晶(すいしょう)島
13.71
154
986
秋勇留(あきゆり)島
2.73
14
88
勇留(ゆり)島
10.63
79
501
志発(しぼつ)島
59.50
374
2,249
多楽(たらく)島
11.69
231
1,457
その他
1.68
小計
99.94
852
5,281
色丹島
253.33
206
1,038


(泊(とまり)村)
894
4,864
(留夜別(るやべつ)村)
433
2,500
小計
1498.83
1,327
7,364


(留別(るべつ)村)
424
2,258
(紗那(しゃな)村)
226
1,001
(蘂取(しべとろ)村)
89
349
小計
3184.04
739
3,608
合計
5036.14
3,124
17,291
(備考)
調査時点等
H4.8.1時点の
地形図を基準
・H12.2.1
国土地理院
S20.8.15現在
・H11.3.31
千島歯舞諸島
居住者連盟調査


◎根室市・納沙布岬からの距離
(単位:Km)
島名 貝殻島 水晶島 秋勇留島 勇留島 志発島 多楽島
距離 3.7 7.0 13.7 16.6 25.5 45.5

         
島名 色丹島 国後島 択捉島
距離
73.3
37.4
144.5
            


2 四島各島の地勢

本欄における「地名」、「山岳の標高」等の標記は、特に記載のない以外は次の考え方に基づいています。
○「山岳の標高」・「地名」/総務庁「北方領土の概況」
○各島の「名称の由来」は/山田秀三著「北海道の地名」


(1)歯舞群島

歯舞群島地図 貝殻島と水晶島
貝殻灯台と水晶島

面積 100平方キロメートル/小笠原諸島(104平方キロメートル)とほぼ同じ。
名称の由来 アイヌ語で「流氷のある島」


■地質構造上、根室半島の陥没により、離島となったと言われており、国後島、択捉島とは著しい相違が見られる台地状の島々です。
 各島とも地形の大部分が、海抜40M以下で、笹が生い茂り、樹木もほとんど生えていません。

■高さ約20メートルの灯台のある貝殻島(岩礁)、突き出た岬や湾の多い水晶島、群島で最も大きく湿地帯が多い志発島、群島最北端の多楽島などの島々から成っています。

(2)色丹島

色丹島の地図 マタコタン
マタコタン

面積 253平方キロメートル/徳之島(248平方キロメートル)とほぼ同じ。
名称の由来 アイヌ語で「大きな集落のある地」

(全体)
■歯舞群島の最北端にある多楽島の北東22キロに位置し、長さ28キロ、幅およそ10キロで、島全体は、丘陵上の起伏となっており、最北部には、島最大の斜古丹=シコタン山(405メートル)があります。

(北西部のフィヨルド状の湾)
■北西海岸には、約300メートルの高さのなだらかな平原があり、海岸線は、島を横切って入り込んだフィヨルド状の3つ湾(「斜古丹湾」「又古丹湾」「アナマ湾」)から形成されています。また、太平洋岸にも多くの快適な湾があり、そのうち、「松が浜湾」の美しさは有名です。

(「世界の果ての岬」)
■最東端のエイタンノット岬は、別名で「世界の果ての岬」と呼ばれ、戦前に建てられた灯台が残っています。



(3)国後島
国後島 材木岩
秩苅別の材木岩

面 積
1,499平方キロメートル/沖縄本島より広く、奄美大島の約2倍
端点 ルルイ岬
ケラムイ岬
西 ハッチャス岬
安渡移矢(あといや)岬
名称の由来 アイヌ語で「草の島」


(火山−世界で最も美しい二重火山の一つ「爺々岳」)
■島は典型的な火山島で、島の北西には「ルルイ山」(1,485メートル)があり、この南東には四島の最高峰で、世界で最も美しい二重火山の一つと呼ばれる「爺々岳」(1,819メートル)があります。
 爺々岳は、外輪山のあるヴェスヴィアスタイプの成層火山で、昭和48年7月に海抜500〜600メートルの高さの北斜面と南東斜面で大規模な噴火をしています。
 この他、古釜布 の南西には、「羅臼山」(887メートル)、島南端には、「泊山」(541メートル)があります。

(河川・平野・湖)
■河川は山岳河川で、急勾配の谷を流れ、急流です。平野には乏しいが、主に南部の古釜布、泊に平地が開けています。

■湖沼が多いのも特徴で、最大は、「東佛湖」で7.14平方キロメートルあります。北東端のロツフォフ半島には、風食作用によってできた窪地に淡水がたまった小さい湖があり、整った丸い形で、水深は非常に浅くなっています。

(景勝地−「材木岩」、「ローソク岩」)
■オホーツク海に面した西岸のストルブチャトウイ岬には、海岸に六角石が真っ直ぐ50メートル程の絶壁をなしている「材木岩」、近布内には、ロシア語で「悪魔の指」と呼ばれている「ローソク岩」などがあります。

■温泉は十数箇所ありますが、現在、施設があるのは、羅臼山の東側斜面に広がる「瀬石温泉」のみとなっています。

ローソク岩 セセキ
近布内のローソク岩 瀬石温泉


(4)択捉島
択捉島 チリップ山
散布山

面 積
3,184平方キロメートル/鳥取県に近い。
端点 カモイワッカの東側の岬
リコルド岬
西 ベルベタルベ岬
ラッキベツ岬
名称の由来 アイヌ語で「岬のあるところ」


(半島、岬の多い島)
■多くの半島・岬が突き出ていて、湾が多い独特の形をしています。このうちには、冬季でも流氷がなく、海面が凍らない「単冠湾」が太平洋側の中央部で陸地に食い込んでいます。

(地形・火山)
■千島火山帯が島の中央や東海岸を縦走し、1,000メートル級の休・活火山が各所にそびえています。北部には、「ラッキベツ山」(1,205メートル)、「神威山」(1,322メートル)、「メドベジャ山」(1,124メートル)があります。「ラッキベツ山」の北東側斜面は、急勾配で、断崖絶壁から海へ落下している滝は絵のようなものも多く、最大の「ラッキベツの滝」は約140メートルもあります。

■紗那の西北には、「北散布山」(1,563メートル)、「散布山」(1,585メートル)の雄大な山並みを見ることができます。中南部には、1989年に噴火した「焼山」、島最高峰の「西単冠山」(1,634メートル)がそびえています。

■また、紗那から北東へ約20キロメートルのところの別飛には、細長く白い砂浜が北へ約10キロメートル続いています。

(河川・湖沼)
■河川は北方四島で、長さ28キロメートルの「蘂取川」を始め、比較的長いものもありますが、概して山岳河川のため、急勾配で峡谷の深いところを流れ、短く、急流です。
 また、湖沼も多く、最大の湖は、「得茂別湖」で面積は、5.81平方キロメートルで深さは48メートルです。

(豊富な温泉)
■湧出量は豊富で、代表的な温泉としては、別飛から南へ3キロの所にある「茶牛温泉」があります。

(旧跡)
■島の最北端カモイワッカは、1800年(寛政12年)「大日本恵登呂府」と書いた標柱が建てられた場所として有名です。

ラッキベツの滝 大日本恵登呂府の標注
ラッキベツの滝 「大日本恵登呂府」の標柱

(日本最北端)                                                                 ■カモイワッカ岬は北緯45度33分で日本の最北端です。なお日本本土の最北端である宗谷岬は北緯45度31分です。





3 四島の気候

この地域は、北岸はオホーツク海に、南岸は太平洋に面し、黒潮と親潮の海流が接しており、気候に著しい影響を与えています。
山岳地形と海流の影響により、1年を通じて、寒暖の差が小さく、北海道東部と似た気候です。


気 温

■気温の年間推移はなだらかで、寒暖の差は小さくなっています。

■2月が最も寒く、古釜布 (国後島)で、月平均気温は−6度。気温が−20度になる日もある一方、零度以上になる日もあり、北海道東部と大差のない気温です。

■8月が最も暖かく、月平均気温は、15.8度で、夏期特有の海霧のため、日照時間は少なくなっています。また、太平洋側は、海から冷涼な空気が流入するため、オホーツク海側より低めです。


降水量

■台風の通過が多い、9月の降水量が最多で、古釜布 (国後)で175ミリ、紗那(択捉)で129ミリとなっています。

■降雪は、11月から翌年5月上旬までで、積雪量は多くありませんが、年平均吹雪日数は、古釜布(国後)で41日、紗那(択捉)で71日となっています。


風・うねり

■東アジアの季節風帯に属するため、四季を問わず、低気圧の経路に当たり、年間を通じ風が強く、年平均風速は、古釜布(国後)で5.5メートル/秒、紗那(択捉)で5.7メートル/秒となっています。

■この海域は、風によるうねりが多く、航行に最も不安定な地域です。最も荒れる秋・冬季は暴風によるうねりの発生率が55〜70%で、このうねりにより、波の高さが6m以上になることもあります。




■霧は3月から9月までの間、発生します。特に6、7月は多く、太平洋側で著しく、月間で霧のない日は数日に過ぎないこともあります。10月以降は急減します。


流 氷

■流氷は、オホーツク海のアムール川下流などの流域で、恒常的な北西風の作用により形成される氷が、1月頃に南東に漂流し始め、発生後3ヶ月で、北海道の海岸に達します。氷結期間は、古釜布で約77日間、紗那で約38日間となっています。



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