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最終更新日:2016年10月03日(月)

映画「生命の冠」上映会


 北方領土遺産発掘・継承事業のオープニングイベント第2弾として、国後島で撮影が行われ、昭和11年に公開された幻の映画「生命(いのち)の冠」の上映会を実施しました。

 【実施日時】
  日時:平成27年10月24日(土)13時30分~15時50分
  場所:道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ) 2階交流ホール

映画のスチール写真  ※映画の宣伝用スチール写真
写真中央=岡穣二(主演)、
右=原節子(妹役)

  「生命の冠」は、当時外貨獲得の花形産業といわれた蟹缶詰工場を営む兄弟が、不漁続きの上に、漁船の遭難も重なり経営が悪化していく中、輸出先との契約を優先するあまり、不良品でもいいので缶詰を契約数通り製造しようと主張する弟と、破産覚悟で契約通りの品質にこだわった一等品の缶詰を製造しようと主張する兄との対立を中心とした経営者家族の葛藤を描いたものです。
 撮影は、当時国後島の古釜布にあった碓氷缶詰古釜布工場を中心に行われており、実際に工場で働いていた女工さんや蟹漁に携わる漁師たちがエキストラとして出演し、荒波にもまれながらの蟹漁の様子や、缶詰の製造工程などが映し出されています。また、映画の中では、吹雪の中の古釜布の家並みや雄大な雪原、漁船が出入りする港や流氷が打ち寄せる海岸の風景などが随所に織り込まれています。
 80年前の国後島の情景を映像で皆さんに知っていただこうと今回の上映会を実施しました。
 上映会当日は、悪天候にもかかわらず、約200名の方が来場し、映画を鑑賞しました。

 上映会様子
※上映中の様子

映画のワンシーン  
※映画のワンシーン。
缶詰を確認する兄(写真右・岡穣二)と
弟(写真左・井染四郎)

 ※映画の宣伝用スチール写真及び映画のワンシーンの写真は碓氷ミナ子氏提供

 

 また、映画の上映の前には、映画へのより一層の理解を図るため、別海町教育委員会生涯学習課主査の戸田博史氏と、碓氷勝三郎商店店主の碓氷ミナ子氏を講師としてお招きし、缶詰工場の成り立ちや蟹缶詰の発達について御講演いただきました。

講師戸田博史氏

※講演いただいた戸田博史氏

【講演1】 旧開拓使別海缶詰所について
       講師:戸田 博史氏(別海町教育委員会主査)

 戸田氏には、日本の缶詰の歴史の始まりともいえる旧開拓使別海缶詰所を中心に御講演いただきました。
 旧開拓使別海缶詰所は、1878年(明治11年)に設置された缶詰所で、前年に設置された石狩缶詰所に次いで設置されたものです。 当初は、政府が経営していましたが、1887年(明治20年)に民間に払い下げられ、藤野別海缶詰所として再出発したそうです。
 海軍からの注文に加え、1894年(明治27年)に日清戦争が始まると陸軍からも缶詰の注文があり、兵士たちが缶詰の良さを郷土で宣伝してくれたため、缶詰の知名度と需要が一気に上がったそうです。

講師碓氷ミナ子氏

※講演いただいた碓氷ミナ子氏

 【講演2】蟹缶詰の発達 あれこれ
      講師:碓氷 ミナ子氏(碓氷勝三郎商店店主)

 碓氷氏には、蟹缶詰にまつわる話を御講演いただきました。
 「生命の冠」のロケ現場となった碓氷缶詰古釜布工場は、かつて碓氷勝三郎商店が経営していました。
 講演では、蟹の肉の切り方や缶詰への詰め方などを図を用いながら説明していただき、また、工場内の写真を用いて、当時の製造過程などについてお話していただきました。
 お話の中で「当時のタラバガニは現在のものと比べかなり大きく、映画にも大きなタラバガニが出てきます」というお話しがあり、映画の中で子どもが2人掛かりでタラバガニを運ぶシーンが映ると、その大きさに会場から感嘆の声があがりました。