北海道行政基本条例(仮称)の「検討案」に関する
道民意見提出手続等による意見募集の結果について


 北海道行政基本条例の「検討案」について、道民意見提出手続(パブリックコメント手続)により、道民の皆様からご意見を募集したところ(募集期間:平成14年5月10日から平成14年6月10日)、4人の方から6件のご意見が寄せられました。
 また、この間、道内6か所(札幌市、函館市、旭川市、網走市、帯広市、釧路市)において、道民の方々をはじめ、市町村や道の職員を対象として「地方分権推進セミナー」を開催し、この際、条例の「検討案」についてもご説明したところ、7人の方から8件のご意見がありました。
 いただきましたご意見の要旨及びご意見に対する道の考え方等については、次のとおりです。


NO.
意 見 の 要 旨 道の考え方、条例案における対応
○ 住民投票は、どうしてもその時のムードに流される懸念があること、嫌悪施設、迷惑施設などは、どうしても否定されがちになるが、それでは社会が成り立たなくなること、また、数の力により実際に利害関係を有する人を封じ込める可能性もあることなど様々な問題があり慎重に考えるべき課題である。

○ 住民投票は法に反しない限り否定されていない。どうしても実施が必要な時には、行政、議会、直接請求によって条例制定の提案ができるにもかかわらずシンボルとして位置付けるのは、慎重に考えるべき課題に対して安易である。

○ そのため、説明会、意見を聴く会、パブリックコメントなどの充実についてもっと議論すべきである。

○ 道民投票については、道民の以降を的確に把握し、道政に反映していくための手法として位置づけ、「道民の参加」に関する条文において規定することとしました。(第4条第4項)

○ この条文は、次の2点を規定するものです。 ①「道民生活に関する道政上の重要な課題」について、「広く道民の意思を直接問う必要があると認めるとき」は、「道民による投票を行うことができる」こと。
② 道民投票を実施する場合は、「当該課題」に関して、「別に条例で定める」こと。

○ なお、道民投票の実施に関する提案方法には、地方自治法に基づく条例制定の直接請求、議会議員による条例案の提出がありますが、道の行政運営における基本理念と基本原則を定める、この「行政基本条例」では、道民投票の実施に関する条例案を道(知事)が提案する場合について規定するものです。

○ 道政運営に当たって、道民の意向を的確に把握し、これを道政に適切に反映していくためには、それぞれの課題に応じて、対象となる課題の内容や特質、重要性などを十分検討し、その課題にふさわしい手法を用いていくことが大切です。

○ また、道政上の重要な課題に適切に対応していくためには、その課題について、道民の方々に必要な情報が提供され、また、様々な観点からの議論が行われる中で、合意の形成が図られていくことが重要であると考えています。

○ 道民投票に関する規定は、道政上の重要な課題に関して、上記のような合意形成に向けた努力を尽くした上で、なお必要と判断される場合に、道民投票を行うことができるということを規定しようとするものです。
 2 ○ 住民投票を行政基本条例に位置付けることに反対である。

○ 政策課題が関わる地域と、住民投票を行う地域がイコールとは限らず、それを単純に反映させてよいのかどうかという問題がある。

○ 国の基本政策に関わる全国的な問題を、都道府県レベルでの住民投票に委ねてしまって良いのか。地域エゴが前面に出ては、結局問題は解決せず、国家的な政策は立ちゆかなくなる。
 逆に、都道府県でも特定の地域のみ関わりの深い問題の場合、関わりが薄くムードに流され投票しかねない大多数の住民の票も全て「一票は一票」として単純に多数決で決めてしまっては、関わりの深い特定の地域の人々にとって不適切な結果を「都道府県」意見として押しつけることにもなりかねない。

○  一口に「住民の意思」と言っても、単純に○×や「賛成・反対」で量れるものではない。賛成なり、反対なりの理由があるはずで、「こういう条件が整えば賛成」とか、「こういう点は賛成だが、こういう点は反対」とか、「迷っている」とか、様々な意見や考えがある。
 また、問題に対する知識や関心や情報量も各々違うはずだ。そういう要素を捨象して単純に「○か×か」の多数決で決めてしまって、本当に正しい判断が得られるだろうか。

○住民の数がある程度以上多くなると、住民の意思も多様になり、利害得失は複雑に絡み合い、物理的にも住民全員で議論し意思決定することは困難になる。そのために、住民に選ばれた代表である議会があるわけで、議会において、総合的な見地から議論を尽くし、調整し、判断するというのが間接民主制の建前であるはず。間接民主制の補完としての住民投票を完全に否定するものではないが、住民投票には上に挙げたような問題があり、まずは、今の間接民主制を充実させることが先決だと思う。
 そのためには、例えば、首長や議員の候補者が選挙の際に公約をきちんと示す、公約を守る、議会においては単なる質疑応答ではなく、本当の意味での建設的な議論を戦わせる等基本的な事が大切です。逆に、万一、今の議会においてそうした基本的な事がなされていないとして、そうした中で住民投票を一般化していくことは、たとえ諮問型で法的拘束力がない住民投票であっても、結局はその結果に全てを委ねてしまう事になるでしょうし、かえって道政を危うい方向に導く危険があると思う。
○ 道民投票の位置づけの考え方、「条例案」における規定内容、趣旨等は、上記(No1の意見に関する考え方、対応)のとおりです。

○ 道民投票の対象案件については、その課題が生じた時点、あるいは、将来にわたって、道民生活に大きな影響を及ぼすと考えられる課題であって、道(知事)が責任をもって判断しなければならない課題と考えています。

○ このため、道民投票については、どのような課題であれば、その実施を提案するのか、あるいは提案しないのかということを予め定めておくものではなく、その課題の重要性や影響の広がりとともに、その課題に対する道民意見の動向や議会における論議を十分踏まえて、判断すべきものと考えています。

○ また、地方分権が進展する中、公開と参加を基本とする道政を進めていくことが重要と考えており、道政上の重要な課題に適切に対応していくためには、その課題について、道民の方々に必要な情報が提供され、また、様々な観点からの議論が行われる中で、合意の形成が図られていくことが重要であると考えています。
  道民投票に関する規定は、道政上の重要な課題に関して、上記のような合意形成に向けたプロセスを尽くした上で、なお必要と判断される場合に、道民投票を行うことができるということを規定しようとするものです。
○ 住民投票に最終決定権があっても良いのではないか。 ○ 道民投票については、道政上の重要な課題について、知事が道民の意向を的確に把握し、責任ある判断を行うために実施するものとして位置づけているものです。
○ ヨーロッパ諸国やアメリカの法律で参考になりそうなものを取り入れてみてはどうか。 ○ 道政運営に当たっては、今後とも、この条例を基礎として、様々な制度や仕組みについて、常に道民の視点から見直し、その充実を図っていくことが必要と考えていますので、海外の制度なども参考とすることが必要と考えています。







○ ゴミ・空き缶・ビンのポイ捨てを禁止する環境美化条例を制定し、違反者から罰金を徴収すべきである。




○ 飼い犬の迷惑行為、飼い主の責任を 定めた条例を制定するよう要望する。
○ 行政基本条例は、情報公開や政策評価など、これまで進めてきた道政改革などの取組を踏まえ、公開と参加を基本に、質の高い政策を展開していくことや、道民の方々との協働や、市町村との連携協力を深めていくことなど、道政運営の基本となる理念と原則を明らかにしようとするものです。

○ なお、「北海道動物の愛護及び管理に関する条例」において、飼い主の責任等についても定めています。
○ 住民投票について議論になっているが、この条例の中で住民投票をどう位置付けていくのか、考え方を明確にすべきと思う。 ○ 行政基本条例は、地方分権の進展に対応した主体的な道政運営を確立し、また、道民の方々の道政に対する理解と参加の下、その信頼に応える道政を実現するため、道政運営の基本となる理念と原則を明らかにするものです。

○ このため、道政改革の成果である情報公開や政策評価など、道政運営の基本原則として位置づけるべきものについては、既に個別の条例が制定されている制度も含めて規定しています。

○ 道政の基本原則を明確化するという意味で、行政基本条例はつくった方が良いが、条例制定に当たっては、目的などが道民に理解しやすいよう、できるだけ分かり易い内容、文章として欲しい。 ○ 条例の内容については、章立てなどの構成や
その条文の内容について、制度の趣旨などができるだけ分かりやすいものとなるよう検討してきたものです。





10
○ 基本条例には、自治体のめざす姿を明記すべきだと思うが、北海道がどのような地域を目指していくのか、その姿をより明確に表現する方が良い。

○ 混乱する社会にあって、新しい社会づくりを目指した「方針」を出すよう期待する。
○ 北海道のめざす姿については、地方分権が進展する中、自己決定・自己責任に基づく分権型社会を築いていくこと、また、道民が北海道づくりや地域社会づくりの主体であり、道民と行政(道・市町村)がそれぞれの役割と責任を果たし、相互に連携することにより、個性豊かで活力ある地域社会を実現していく、という考え方を示しています。(前文)
11 ○ 道は、市町村の上部機関ではなく、市町村連合としての道という立場に立って進めるべき。 ○ 個性豊かで活力ある地域社会を北海道に築いていくためには、それぞれの市町村が地域に密着した政策を推進し、主体的な地域づくりを進めることが必要と考えています。

○ このため、道政運営に当たっては、こうした市町村の役割の重要性を踏まえて、市町村との対等な関係の下に、地域の実情に即した政策を推進していくことなどを規定しています。(第2条、第17条)
12 ○ 男女共同参画ということは非常に重要なことだと思う。基本理念に盛り込むべき。 ○ 男女共同参画は、今日の重要なテーマであり、道としても、その取組を進めていますが、この条例は、地方分権の進展に対応して、道民の方々や、市町村と一体となって北海道づくりを進めるための道政運営における基本的な理念と原則を定めようとするものです。

○ このため、道民の方々との関係については、情報公開と道民参加をさらに進めることや、道民との協働による地域社会づくりをすすめることなどについて規定しています。
13 ○ パブリックコメント手続のほか、さらに進めて、住民がともに政策をつくり、実行していく、パブリック・イン ボルブメントとして道筋をつけてはどうか。
  ゆくゆくは、地域住民の参加で、地域住民が立案し、地域住民が実行という形の進めていく等の理念を盛り込むことが先駆的であり、北海道らしいかと思う。
○ パブリック・インボルブメントは、都市計画などの分野において、計画や事業化の早い段階から、アンケート調査や住民説明会、シンポジウムやワークショップなど様々な場を設け、住民の意見を計画などに取り入れていく手法と承知しています。

○ この条例においては、政策の形成過程において、道民の意向を政策に反映するための機会の拡大に努めること(第4条)また、道民との協働による地域社会づくりを進めること(第2条、第16条)を規定しており、今後こうした取組をさらに進めていくことが必要と考えています。
14 ○ 憲法に相当するものであり、施行後、 3年で見直しをするとの規定は、考え方はわかるが、条例の性質として、安易に改正を考える項目は適当か。 ○ 今後の道政運営に当たっては、条例に定める基本理念と原則を徹底することはもとより、地方分権の進展など道政を取り巻く環境の変化に的確に対応しながら、この条例を基礎に、様々な制度や仕組みについて、常に道民の視点から見直し、その充実を図っていくことが必要と考えています。

○ こうした考えから、条例の施行後、3年を経過した時点で、この条例の規定に関して改めて検討しようとするものです。(附則第2)