スマートデバイス表示はこちら

ホーム > 総務部 > 行政局改革推進課 >  H14外部監査概要(電気事業会計等)


最終更新日:2006年2月17日(金)


H14外部監査概要(電気事業会計等)


包括外部監査の結果に関する報告(概要)
平成15年2月4日
 
Ⅰ 包括外部監査人
    公認会計士 籏本 道男
 
Ⅱ 監査の対象としたテーマ

 
「北海道電気事業会計、北海道工業用水道事業会計、財団法人北海道公営企業振興協会及びこれらに係る北海道の財務」
 
Ⅲ テーマを選定した理由、監査の要点及び事業の概要
 1 テーマ選定の理由











 
 電気事業は、戦後の窮迫した電力事情に対処するため、昭和28年鷹泊発電所の発電事業を嚆矢とし、河川総合開発の促進、石油代替エネルギーの開発、産炭地域の振興などの要請に応えつつ事業を展開しているが、近年、規制緩和や電力自由化の動きがある。
 工業用水道事業は、産業立地を推進するための基盤整備の一環として、工業用水の供給を行っているが、「苫小牧東部大規模工業基地開発基本計画」及び「石狩湾新港地域開発基本計画」等に係る工業用水道事業は、その後の基本計画の変更などに伴なって事業規模を大きく縮小している。
 このような環境の変化に対応して、その財務及び経営管理がいかに執行されているかを監査するものとした。
 財団法人北海道公営企業振興協会の運営と企業局の両事業の経営とは密接な関係にあることから、監査するものとした。
 2 監査の要点



 
 北海道が経営する電気事業及び工業用水道事業に関わり、財務に関する事務の執行及び経営に関する事業の管理が法令、条例等に準拠して実施され、両事業が常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の公共の福祉を増進するよう運営されているか。
 3 電気事業及び工業用水道事業の概要




 
 電気事業は夕張川、雨竜川及び天塩川の3水系で8水力発電所を経営し、ほぼ全量を北電に供給している。最大出力71千kWで、道内の発電シェアは0.9%となっている。
 また、清水沢及び滝の上発電所等の運転管理を財団に委託している。
 工業用水道事業は、室蘭、苫小牧及び石狩湾新港地域において5工業用水道事業会計を経営し、給水能力332,500m/日に対し契約水量は約241,800m/日となっている。
 
Ⅳ 電気事業
 1 電気事業に関する監査の結果
 (1)中古資産の耐用年数について




 
 平成6年4月に北炭真谷地炭鉱株式会社から取得した清水沢発電所(昭和15年建設)及び滝の上発電所(大正14年建設)の資産について、本来適用すべき耐用年数より長い耐用年数で減価償却されており、減価償却額(監査人試算73百万円)が不足となっている。現物調査等を行い資産の取得時期を把握し、耐用年数を修正するとともに、減価償却不足額は過年度の費用として特別損失に計上されるべきである。
 (2)修繕引当金について

 
 修繕引当金の計上にあたっては、過去の修繕費実績及び将来の合理的な予測(大規模修繕等に係る費用)に基づく、合理的で明確なルールを定める必要がある。
 (3)財団法人北海道公営企業振興協会の会計処理について
   a. 一般会計と特別会計の区分について



 
 企業局からの受託事業収入は、本部事務局に係るものを一般会計、発電所等に係るものを特別会計として処理しているが、受託事業収入は発電所等に係る業務の受託収入であり、現在の会計区分はこの点が不明確となるため、改善する必要がある。
   b. 退職給与引当金について


 
 日本公認会計士協会の「公益法人における退職給与引当金について」では期末要支給額計上方式又は同方式の現価方式のいずれかを採用するのが適当としており、現在の引当金計上方法を改善する必要がある。
 
 2 電気事業に関する意見
 (1)建設仮勘定について
   a. 朝日発電所建設計画に係る建設仮勘定について



 
 「天塩川水系河川整備基本方針」が策定され次第、朝日発電所建設計画を見直し、計画の続行又は中止を速やかに決定すべきと考える。
 中止となった場合、建設仮勘定(280百万円)は資産性が認められないため、中止が確定した年度に特別損失として全額費用処理することが必要である。
   b. シューパロ発電所建設計画に係る建設仮勘定について


 
 シューパロダムは平成17年3月の完成予定であったが、ダム建設工事が遅れており、企業局が負担する建設負担金(約19億円)も増大することが考えられるので、今後の動向に留意する必要がある。
 (2)施設の投資計画




 
 長期的なプロジェクトを実行するためには、将来予測を行うことは不可欠である。新規の水力発電所の建設費用及びその後のランニングコストは、将来の電気事業の収支に大きな影響を与えるため、個々の発電所単体での収支予測だけではなく、電気事業全体の収支予測を行う必要がある。さらに、収支予測を適時見直し、将来計画の軌道修正に役立てることが必要である。
 (3)コスト削減について
   a.コスト削減の必要性について



 
 電力自由化の流れの中で、一般事業会社等の発電事業への進出等により、電力料金の値下げ圧力(12.76円で全国平均9.41円と比較し高い設定)は年々強まりつつあることから、電気事業を取り巻く環境は一層厳しくなることが予測される。
 収益性の確保のために、より一層の経費削減を早急に行うことが望まれる。
   b.コスト削減のための提言(発電所管理業務の外部委託について)



 
 関係法令等の制約から業務の全てを委託できるわけではないが、可能な限り業務の民間企業等への外部委託を図り、経費の削減を図る必要がある。
 仮に、財団への委託と同様に6発電所の管理運営を外部委託とした場合、年間約98百万円の削減が可能と試算している。
 (4)発電所等所在市町への補助金交付について


 
 地域振興を目的に、企業局発電所等が所在する5市町に補助金(年間約20百万円)を交付しているが、本来の目的に沿って有効に利用されているかどうかの検討を厳密に行うことが望ましい。
 
Ⅴ 工業用水道事業
 1 工業用水道事業に関する監査の結果
 (1)苫東工水における資金不足とその調達方法について






 
 苫東工水は、ダム関連支出のために調達した企業債元本及び利息を返済する財源を一般会計から長期借入金により資金調達しているが、この長期借入金に係る未払利息(23百万円)を計上する必要があると考えられる。
 また、二風谷ダム及び平取ダムの治水転換が図られたことから、ダム負担金等の還付を要請しているが、この間も企業債等に係る利息は発生し続けるため、国からの還付が遅れると、一般会計の負担が増大することとなるため、速やかな還付を求めていくことが必要である。
 (2)新健全化対策における一般会計からの資金拠出規模について
   a.苫東工水について





 
 平成14年度に創設された「工業用水道事業未稼動資産等整理経営健全化対策」に基づく未稼動資産の整理に際し、これまで支出したダム負担金等の還付(北海道の試算値は17,800百万円)及び企業局の自助努力があったとしても、なお一般会計から多額の負担(9,380百万円)が生じることが見込まれる。
 企業局並びに道は、これらの状況を受水企業及び道議会等に説明し、その負担について理解を得る必要がある。
   b.石狩工水について









 
 石狩工水は35,000m3/日から12,000m3/日に事業規模を見直したところであるが、今後の一般会計からの拠出額は、工業用水が需要想定どおりに増加するかにかかっており、毎年需要想定の達成状況を把握し、需要予測並びに需要喚起活動を随時見直していくことが必要である。
 また、未稼動資産等整理経営健全化対策の適用を受け未稼動資産等・債務(3,891百万円)を整理したとしても、石狩工水の経営健全化を図るためには、平成39年度まで一般会計からの支援(約9,200百万円)なしには運営できない。石狩工水は石狩湾新港地域の基盤整備や地盤沈下防止等環境保全を目的としており、一般会計からの支出の根拠となっているが、石狩工水の健全化計画の実施にあたっては継続的に受水企業及び道議会等から意見を聴取し運営していくべきである。
 (3)建設仮勘定の資産性について






 
 苫東工水建設仮勘定(32,092百万円)については、平成17年度から還付されない部分の損失処理を行う予定であるが、会計上の認識においては、ダム降りの意志決定を行った平成13年11月が発生時点となり、建設仮勘定に計上されている金額のうち、還付が見込まれるダム建設負担金は未収金に、還付されないと見込まれる部分は損失処理を行う必要がある。
 現時点ではダム負担金等の還付額が未確定のため、損失処理が行われていないことは止むを得ないが、還付額等が確定次第、速やかに処理を行う必要がある。
 (4)契約事務について(検証結果)

 
 入札から落札までの一連の手続は、法令規則に従って適正に執行されており、かつ、契約書等の関係書類の整備も適切に行われている。
 (5)工業用水道別原価計算及び料金単価の適正性について





 
 苫東工水に係る営業費用のうち一般管理費について、平成13年度以降、本局人件費が按分計上されていない。按分基準は、給水料金改訂時における経済産業大臣への届出書類上、総括原価算定でも利用されるものであり、結果として苫二工水ユーザーが負担してしまうこととなる。平成13年度以降、苫二工水の料金改訂は実施されていないため、不合理は発生していないが、早急に按分基準の見直しを検討する必要がある。
 (6)修繕引当金について






 
 企業局は、「標準修繕費」として一定の修繕費を計上し、実際支出額を控除した残額を引当金として積み増しし、実際支出額が修繕費計上額より多額となった場合には、既積立額を取り崩す方法を採用しているが、今後は、より精緻な修繕計画等に基づいた将来修繕工事費用に対する当期負担額を見積もり、引当金計上を実施し、工業用水道事業別に捉えると引当金が赤残となる状況は回避すべきである。
 また、大規模な修繕工事については、所要額を精査・把握しておき、引当不足が生じる場合の財源をどう確保するかを検討しておく必要がある。
 
 2 工業用水道事業に関する意見
 (1)苫小牧地区3工業用水道事業の統合管理について




 
 苫東工水と苫二工水は平成17年度に統合を図る予定としているが、苫一工水と苫二工水は、給水エリアが重なっている場所があり、料金単価が異なるにもかかわらず、苫一工水の水が苫二工水に供給されているという矛盾の解消が必要である。
 段階的に料金単価の差をなくし、将来的に苫小牧地区の3工業用水道事業は一元管理することにより、より効率的な運営が可能となっていくものと思われる。
 
Ⅵ 電気事業及び工業用水道事業共通の事項について
 1 各事業共通の事項に関する監査の結果
 (1)企業債利息の発生主義による計上について

 
 企業債の支払利息は、支払時に費用として計上される現金主義により会計処理を行っているが、発生主義により計上される必要がある。
 (2)共通経費の配賦基準について

 
 共通経費の総額を電気事業会計6、工業用水道事業会計4の比率で按分しているが、共通費用については、費目別に最も合理的な配賦の基準を設けるべきである。
 (3)共通人件費の負担について


 
 発電課及び工業用水道課の人件費は、各事業共通の人件費ではなく、それぞれの会計の人件費として取り扱うべきである。その上で、総務課及び幹部職員の人件費を従事割合により按分するなどの明確な配賦基準を設けるべきである。
 (4)退職金の負担について


 
 事務職員の退職金は、これまで一般会計で負担しているが、企業局の損益計算の適
正化の観点から、在職期間を考慮した退職金の負担を行う必要がある。
 (5)退職給与引当金について






 
 電気事業会計及び工業用水道事業会計で退職給与引当金の引当比率が異なることを説明するのは難しく、また、工業用水道事業の料金算定要領が改正され、退職給与金は「適正に算定した額」によることと改められた点からも、現在の算定方法は根拠を失っており、経営成績を明らかにする観点から、改善する必要がある。
 退職給与引当金の会計方針については、料金算定要領に定めがあったのみで、企業局財務規程等に規定されておらず、採用した会計方針を財務規程等において明確にしておく必要がある。
 
 2 各事業共通の事項に関する意見
 (1)固定資産管理について


 
 準備品については、経済性の発揮の観点から、少なくとも過去のものは、企業局の財産であることを確認できるラベルの貼付にとどめるなどの簡便な方法を検討してもよいのではないかと思われる。
 (2)管理事務所での支払事務について

 
 管理事務所の経費については、各管理事務所の資金前渡員が支払を行っているが、事務の効率化の観点から改善が望まれる。