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最終更新日:2006年2月17日(金)


H12外部監査概要(道有林野事業特別会計)


包括外部監査の結果に関する報告(概要)
 
平成13年3月30日
 
Ⅰ 監査の対象とした特定の事件(監査のテーマ)
  「道有林野事業特別会計及びこれに関連する財務」
 
 
Ⅱ 特定の事件(監査のテーマ)として選定した背景と監査の視点















 
1 テーマ選定の背景
(1) 道有林野事業会計は、多額の純損失を計上し、平成8年度末には約300億円に近い累積欠損金を抱えていた。平成9年度からは、公営企業会計から特別会計に移行したが、その後も道の一般会計からの負担が減少せず、道の財政負担が大きいこと。
(2) 北海道森林審議会から「道有林の管理経営の展開方向に関する提言」がなされ、次期「道有林基本計画」の策定が予定されていること。
 
2 監査の視点
(1) 特別会計へ移行後、公益林の割合が増加し、生産林の割合が減少することにより、一般会計繰入金が減少しているかどうか。また、一般会計繰入金は、結果として収支差額となっているが、合理的な負担となっているのかどうか。
(2) 道債の残高は、元金償還を超える道債の発行が続いているため累増している。道債の償還は、将来の木材販売収入だけで償還が可能なのかどうか。又、不足する償還財源は、道の一般会計からの繰入金に依存するとしても、厳しい道財政を考慮した道債の発行をどのように考えているのか。
(3) 道有林野事業に係る事業の管理及び運営は、関係法令等にしたがって適切に行われているか。また、経済性及び効率性に基づき行われているか。
 
 
Ⅲ 外部監査の結果と改善意見

















































































 
1 監査の総括
 現行の道有林野に係る事業費は、特別会計と一般会計のそれぞれに計上されているので、歳入歳出の全体が不明確であるほか、森林の機能区分ごとの費用対効果及び道有林管理センター別等の収支が把握されていない。今後は、これらが明確になるような計算システムを構築し「費用対効果」を数値化して、事前・事後の評価ができるように管理することが望まれる。
 また、次の道有林基本計画の策定に当たっては、より効率的な事務執行や組織体制の確立により、これまで以上に経費節減に努めるとともに、道有林の基本的な役割及び経費の負担の在り方、道有林に係る全体の歳入歳出、森林の機能区分ごとの整備目標や費用対効果などを明らかにして、専門家を含めて広く道民の意見を取り入れて検討されることを期待する。
 
2 販売事業について
(1) 販売契約別の開差率
 販売先別にみると、随意契約の販売のうち、その大半は林産協同組合に対するものである。立木販売、製品販売ともに競争入札の方が随意契約に比べて開差率(予定価格に対する販売価格の割合)は大きくなってきている。
(2) 販売予定価格の算定について
 立木の販売予定価格は、開差率が特に大きな事例があることを鑑みると、評定に当たっての調査技術や評定方法の検証も必要ではないかと考える。近年の高性能林業機械の導入による造材形態への移行を考慮に入れると、今後は、造材形態や市場の動向等の現状分析を的確に行い、実態に合った積算基準について検討する必要があると考えられる。
(3) 林産協同組合に対する販売について
 林産協同組合に対しては、その育成強化を図る必要があるとの理由から、随意契約により計画的に販売を行っている。しかし、経営状況の把握が行われていない実態や道有林野事業の経営状況を勘案すると、随意契約による林産協同組合に対する販売については、その必要性や在り方について検討すべきではないかと考えられる。
(4) 製品販売について
 一部の製品販売において、立木販売にした方が収益が高いと認められる事例もあり、経済性を十分留意しないままに、立木販売や造材部門を持たない製材業者や小規模な需要者等に製品販売により材を供給している。
 
3 森林土木事業について
 公共災害の取扱いについては、特別会計移行後、本来、林道管理者として特別会計で負担すべきものが平成9年度から平成11年度の合計で29,116千円(事業費の約2.2%)あるが、これを一般会計で処理しているため、その分、一般会計繰入金の金額が少なくなっている。
 
4 治山事業について
 道有林野への治山事業の積極的な導入により、道有林野における植付け・保育の相当部分は、治山事業費によって実行されている。
 
5 団地育林の工事請負費について
 団地ごとの育林事業の請負については、随意契約で実施されているが、直接費が2,400万円のものを一括して発注した場合と、3団地に分割して発注した場合を比較すると、約4%の事業費の削減が可能となる。今後、団地及び請負事業体の集約化を進める必要があるのではないかと考えられる。
 
6 利活用事業について
 道の一般会計機関の施設内において、道有林で実施される催事と同様の事業もある。事業を推進するに当たっては、全道的な企画立案は道有林管理室で行い、センターの立地状況に応じ、支庁等との協議連携や役割分担を図るなど、より効率的な実施に努めるべきものと考える。
 
7 道有林野事業債について
 公有林整備事業債は元金償還を超える発行が続いているため、未償還の残高が累増している。この起債については、平成12年度には、長伐期施業への転換に応じて償還期限を延伸する施業転換資金制度の対象に公有林が新たに加えられたことから、これを活用して一部を借換えし、償還を先送りすることによって当面の償還予定額が減少しているが、公有林整備事業債の発行は、公益的機能の発揮との関連性を踏まえながらも、より慎重な検討が望まれる。
 
8 一般会計繰入金について
 特別会計への一般会計繰入金の算定に当たっては、公営企業会計時には同会計で負担していた治山事業に係る人件費及び道有林管理室の人件費等が含まれておらず、これらの人件費と一般会計からの繰入金を合わせると、一般会計の負担は減少していない。現在は、道有林に係る事業のうち、林務行政及び治山事業等の業務は一般会計、道有林の経営等に係るものは特別会計と判断されるが、道民の立場からは、一般会計の負担の合理的な考え方や道有林に係る財務の全体像について、適正な情報開示と説明が期待される。
 
9 財団法人北海道森林整備公社について
(1) 収益事業と税務上の取扱いについて
 道民の森管理受託事業は、精算の結果、余剰が生じた場合は返還する約定となっているため、損益はゼロであることから、法人税法基本通達15-1-28の適用が可能かどうか検討すべきと考える。
(2) 分収育林事業について
 分収までに公社が負担する金額(分収時に見込まれる不足額)を試算すると公社の負担額は17,604千円となり全60箇所のうち56箇所は負担額が発生することになる。当初の見込みどおりの販売額を確保できた場合でも、ほとんどの案件が持分額に満たない回収額となり、現状では公社の負担となる見込みと考えられる。
(3) 分収林整備促進事業について
 平成12年度からは上記の分収育林事業の新規募集を休止しているが、依然として、普及活動等は実施されている。
(4) 森林管理等受託事業について
 道有林が外注する場合の委託料の積算は、森林管理業務と調査測量業務とでは間接費の積算方法が異なっているが、支出状況を踏まえた間接費の積算について検討すべきではないかと考えられる。
(5) 公益法人会計基準から見た改善事項
 預金の貸借対照表と財産目録における表示、計算書類の注記及び資金の範囲について、改善すべき点がある。
 
 
Ⅳ 包括外部監査の結果に関する報告に添えて提出する参考意見
















 
1 育林事業について
 人工林の代表樹種であるトドマツについて、平成6年度に比べ平成11年度では林齢の低い林分の間伐未実施割合が高まっている。今後、森林の有する公益的機能をさらに重視した森林経営に移行していくとすれば、その森にとって必要な事業は長期にわたって計画的に進めることが求められるが、一方でその費用は所有者である道が将来にわたって支弁するものであり、長期的な整備計画や費用負担の在り方を道民に説明し、十分議論されることを期待する。
 
2 人件費について
 今後とも事業を推進する必要のある育林関係の部門に対し、収穫係及び販売係の人員などを含めて道有林野全体としての適正な配置や人員体制を検討する必要があると考えられる。
 
3 消費税について
 道有林野事業会計は、平成9年度から、普通会計における特別会計の歳入・歳出として計算されており、収支差額について、一般会計からの繰入金を歳入に計上している。
 これに見合う歳入としては、公営企業会計であった平成8年度までは、他会計補助金及び他会計借入金であったので、収入の性質とそれに係る各支出費目との関連について、検討が必要であると思われる。