
ちょっと気になる法令用語
「者」・「物」・「もの」(ぷらっと法務第4号から)
「者」というのは、法律上の人格を有するものを表す場合に用いられる言葉である。
したがって、「者」には、自然人と法人が含まれるが、人格のない社団・財団は含まれ
ないのが原則である。
「物」というのは、法律上の人格を有するもの以外の有体物を指す場合に用いる。
「もの」というのは、法令上いろいろな使い方がなされる。第1に、自然人や法人の
ほかに人格のない社団・財団を含んでいるような場合には「もの」が使われる。第2に、
有体物以外のものを含んでいるときは、「物」ではなく「もの」が使われる。第3に、
「者」や「物」に当たらない抽象的なものを指す場合に用いられる。このほか、「日本
国民たる年齢満20年以上の者で引き続き3箇月以上市町村の区域内に住所を有す
るもの」という例のように、英語の関係代名詞的に、先行する用語を受けて、「・・・で・
・・もの」という形で一定の者や事物を更に限定するような場合に「もの」が用いられ
る。
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「直ちに」・「遅滞なく」・「速やかに」
(ぷらっと法務第5号から)
日常用語では、いずれも「すぐに」という意味で用いられるが、法令用語としては区
別して用いられる。
「遅滞なく」は、正当な理由、合理的な理由がない限りすぐに行わ
なければならないとされている。
これに対し、「直ちに」は、理由はどうあれすぐに行わ
なければならない場合に用いられる。「遅滞なく」と「直ちに」は、すぐに行われなけれ
ば義務違反となり、違法となる場合が多いとされる。「速やかに」は、訓示的に用いら
れ、すぐに行われなくても義務違反とはならないができるだけ早く行わなければならな
いとする場合に用いられる。
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「その他」・「その他の」
(ぷらっと法務第6号から)
日常用語としては似たような言葉であるが、法令用語として使われる場合、その使い
方には違いがある。
「その他の」は、「その他の」の前に出てくる言葉が、後に出てくる
一層意味や内容の広い言葉の一部であるという関係にあることを示す場合に使われ
る。「その他」は、「その他」の前にある言葉と後ろにある言葉と並列、対等の関係にあ
ることを示す場合に使われる。
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<参考>
・行政手続法 第3条第1項第15号
審査請求、異議申立てその他の不服申立てに対する行政庁の裁決、決定その
他の処分
・行政手続法 第19条第1項
聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する。
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「時」・「とき」・「場合」
(ぷらっと法務第7号から)
「時」は、文字どおり、時点又は時間が問題になる場合にだけ使われ、時期・時刻と
いう趣旨を明確に表す場合に用いる。
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(例)民法 第1029条第1項
「被相続人が相続開始の時において有した財産」
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「とき」とひらがな書きする場合は、必ずしも時点という限定した意味ではなく、広
く
「場合」という語と同じような意味で用いられることが多い。「場合」も「とき」もともに仮
定的条件を示す言葉であり、使い分けについては、明確な基準はない。ただし、仮定
的条件が二つ重なる場合は大きい条件の方に「場合」を使い、小さい条件の方に「と
き」を使うのが普通である。
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(例)地方自治法 第242条の2第7項
「訴訟を提起した者が勝訴した場合において、弁護士に報酬を支払うべきときは…」
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