平野の外縁部から山間地に至るいわゆる中山間地域は、国土の骨格部分に位置し、全国土の7割程度の面積を占め、総人口の約14%が居住する地域です。また、経営耕地面積、総農家数、農業産出額で全国の約4割、農業集落数の約5割を占めるなど、我が国農業・農村の中で重要な地位を占めています。
中山間地域は、河川の上流に位置し、傾斜地が多い等の立地特性から、農業生産活動による国土の保全、水資源かん養等の公益的機能の発揮を通じ、全国民の生活基盤を守る重要な役割(いわばダムあるいは防波堤の役割)を果たしています。
また、中山間地域は、多様な食料の供給機能を有するとともに、豊かな伝統文化や自然生態系を保全し、都市住民に対して保健休養の場を提供するなどの多面的機能を有しています。
これら中山間地域の農業は、傾斜地が多い等の生産条件の不利性と生活環境等の定住条件に恵まれないことから、担い手不足による農業生産活動の停滞や地域社会の維持の困難化に直面している状況にあります。
食料・農業・農村基本法(平成11年法律第106号)第35条において、中山間地域等は「山間地及びその周辺の地域その他の地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域」と定義されており、国は、中山間地域等において、「その地域の特性に応じて、新規の作物の導入、地域特産物の生産及び販売等を通じた農業その他の産業の振興による就業機会の増大、生活環境の整備による定住の促進その他必要な施策を講ずるものとする。」とされており、同条第2項において、「国は、中山間地域等においては、適切な農業生産活動が継続的に行われるよう農業の生産条件に関する不利を補正するための支援を行うこと等により、多面的機能の確保を特に図るための施策を講ずるものとする。」とされています。
中山間地域に係る指標には、農林統計上の農業地域類型区分のうち中間・山間農業地域と、中山間地域等直接支払交付金の対象地域に定められている地域振興8法地域(北海道の場合は5法)があり、全国及び北海道における中山間地域の概要は次のとおりです。
■ 全国及び北海道における中山間地域の概要(平成17年現在)
| 全国 | 全国のうち中間・山間農業地域 | 全道 | 全道のうち中間・山間農業地域 | |
| 市町村数 |
2,395 |
1,204 |
212 |
135 |
| 総土地面積(千ヘクタール) |
37,178 |
24,078 |
7,846 |
5,160 |
| 林野面積(千ヘクタール) |
24,861 |
19,857 |
5,568 |
4,336 |
| 林野率(林野面積÷総土地面積)(%) |
66.9 |
82.5 |
71 |
84 |
| 経営耕地面積(千ヘクタール) |
4,692 |
2,030 |
967 |
395 |
| 耕地率(経営耕地面積÷総土地面積)(%) |
12.6 |
8.4 |
12 |
8 |
| 総世帯数(千戸) |
49,566 |
6,050 |
2,380 |
430 |
| 総農家数(千戸) |
2,848 |
1,236 |
59 |
27 |
| 販売農家数(千戸) |
1,963 |
819 |
52 |
23 |
| 総人口(千人) |
127,768 |
17,410 |
5,628 |
1,042 |
| 農家人口(千人) |
11,339 |
4,654 |
229 |
100 |
| 農家人口率(農家人口÷総人口) |
8.9 |
26.7 |
4 |
10 |
| 65歳以上人口(千人) |
25,672 |
4,753 |
1,206 |
281 |
| 総人口のうち65歳以上の割合(%) |
20.1 |
27.3 |
21 |
27 |
| 農業従事者のうち65歳以上のの割合(%) |
37.8 |
39.5 |
32 |
33 |
| 農業産出額(億円) |
88,058 |
34,202 |
10,663 |
4,279 |
資料:農林水産省「農林業センサス」、「耕地及び作付け面積統計」、「生産農業所得統計」、国土地理院「全国都道府県市町村別面積調」、総務省「国勢調査」
注:「中間・山間農業地域」とは、農林統計上用いられている農業地域類型のうち、中間農業地域及び山間農業地域を合わせた地域をいいます。
■ 北海道における農林統計上の農業地域類型区分(平成20年6月現在)