北海道で導入する「新エネルギー」とは

新エネと再エネとの違いや、種類ごとの特徴です。

「新エネルギー」とは

新エネルギーとは、非化石エネルギーのうち、技術的には実用段階にあるものの、経済性のハードルから普及が十分に進んでおらず、利用促進を図るべきエネルギーです

  • 太陽の光を利用してつくる電気
  • 風の力を利用してつくる電気
  • 水の力を利用してつくる電気
  • 雪や氷の熱(冷たさ)を利用するもの
  • バイオマス(家畜のふん尿や、木材等)を利用してつくる熱又は電気
  • 海の水、川の水の熱(冷たさ)を利用するもの
  • 波の力を利用してつくる電気
  • 地熱又はこれを利用してつくる電気
  • 工場などから出る熱を利用してつくる電気
  • 廃棄物(ゴミなど)を燃やしてつくる電気
  • 発電と同時に出される熱を給湯、暖房、冷房その他に使うこと
  • 燃料電池を利用してつくる電気を利用すること
  • 天然ガスや電気などを、自動車を動かす力に使うこと

詳しくは、北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例及び同条例施行規則で定めています。
条例・計画、規則のページ

再エネとの違い

  • 再生可能エネルギー
    太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスなど、枯渇せず繰り返して永続的に利用できるエネルギー
    再生可能エネルギーの種類は、新エネルギーに、大規模水力、海洋エネルギーを加えたもの

新エネルギーは、再生可能エネルギーの一部です。

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全国比較などに用いる調査統計データ

道内の電源別の出力、発電実績の全国との比較は、国の調査結果(電力調査統計)を用いて算定する場合があります。この場合、再エネを対象とした数値(での比較)となることがあります。

新エネルギーの課題

発電コストが高い

新エネルギーで発電を始めるには、設備を設置する際の費用がかかることや、天気に左右されるなどの課題があります。また、火力発電などのエネルギーと比べると、発電するために多くの費用がかかる場合があります。

太陽光や風力は、出力が不安定

新エネルギーは出力が不安定という課題があります。たくさん設置した場合、休日など電気を使う人が少ない時には電気が余ったり、くもりや雨、風など天候の影響で、つくれる電気が不足することがあります。そのため、発電出力を調整したり、蓄電池で電気を貯めておくなどの対策が必要となります。

主な導入状況

太陽光

導入量

191.2万kW(令和元年(2019年)実績、道調べ)

導入事例

▼伊達ソーラー発電所:1,000kW、北海道電力(株)(北海道電力(株)ホームページより)

伊達ソーラー発電所

▼稚内メガソーラー:5,020kW、稚内市・北海道電力(株)(北海道電力(株)ホームページより)

稚内メガソーラー

▼滝川市庁舎:5kW(滝川市ホームページより)

滝川市庁舎

▼江別市庁舎:10.26kW(江別市ホームページより)

江別市庁舎

▼江別市立いずみ野小学校:17.85kW(江別市ホームページより)

江別市立いずみ野小学校

▼北海道奥尻高等学校:10kW

北海道奥尻高等学校

特徴・課題等

【特徴】
・比較的導入しやすい。メンテナンスフリー。屋根、壁など空いているスペースにも設置可能。非常用電源として活用できる。など

【課題等】
・くもりや雨の日は、発電できる電気が少ない。将来の技術開発により、費用が安くなる可能性がある。など

風力

導入量

50.6万kW(令和元年(2019年)実績、道調べ)

導入事例

▼瀬棚臨海風力発電所:12,000kW、(株)グリーンパワー瀬棚

瀬棚臨海風力発電所

▼風太風力発電所:14,550kW、寿都町

風太風力発電所

▼苫前夕陽ヶ丘風力発電所「風来望」:2,200kW、苫前町

苫前夕陽ヶ丘風力発電所「風来望」

▼オトンルイ風力発電所:21,000kW、幌延風力発電(株)

オトンルイ風力発電所

▼宗谷岬ウィンドファーム:57,000kW、(株)ユーラスエナジー

宗谷岬ウィンドファーム

▼石狩市民風車:4,800kW、(特非)北海道グリーンファンド

石狩市民風車

特徴・課題等

【特徴】
・低費用で発電ができる。風さえあれば、昼も夜も発電が可能。など

【課題等】
・周りの自然や、景観への配慮が必要。どんな天気の日にも発電できるしくみを開発しなければならない。など

中小水力

導入量

82.8万kW(令和元年(2019年)実績、道調べ)

導入事例

▼滝の上発電所:2,340kW、北海道企業局

滝の上発電所

▼藻岩浄水場水力発電所:400kW、札幌市

藻岩浄水場水力発電所

▼富良野市「麓郷の森」白鳥川水車

富良野市「麓郷の森」白鳥川水車

特徴・課題等

【特徴】
・古くから使われている技術がある。身近にある川の水を使って発電ができる。川の環境を守ることにもつながる。など

【課題等】
・魚などの動植物がすむ環境に、悪い影響を与えないか調査が必要。など

バイオマス

導入量

13.8万kW(令和元年(2019年)実績、道調べ)

導入事例

▼津別単板協同組合・丸玉産業(株)(津別単板協同組合提供資料より)

津別単板協同組合・丸玉産業(株)1

津別単板協同組合・丸玉産業(株)2

▼鹿追町環境保全センター(鹿追町ホームページより)

鹿追町環境保全センター

特徴・課題等

【特徴】
・燃料に木材を使う場合、二酸化炭素を増やさない。廃棄物(ゴミなど)を減らし、資源を繰り返し利用できる。など

【課題等】
・資源が広い地域に分散しており、資源を集めるのにお金がかかる。など

地熱

導入量

2.5万kW(令和元年(2019年)実績、道調べ)

導入事例

▼森地熱発電所(北海道電力(株)ホームページより)

森地熱発電所1

森地熱発電所2

森地熱発電所3

特徴・課題等

【特徴】
・長期間にわたり発電ができる。昼も夜も、安定した発電が可能。発電に使った高温の蒸気・熱水を再利用できる。など

【課題等】
・場所が公園や温泉などがある地域と重なるため、地元関係者との話し合いが必要。など

地中熱

地中の温度は一定であり、夏は気温より低く、冬は気温より高いという特徴があり、効率的な冷暖房を行うことが可能です。また、排熱を大気中に放出しないためヒートアイランド現象の緩和にも役立ちます。

導入事例

▼ヒートポンプ導入による通年型農業の実現化に向けた実証実験:ニセコ町

ヒートポンプ導入による通年型農業の実現化に向けた実証実験1

ヒートポンプ導入による通年型農業の実現化に向けた実証実験2

特徴・課題等

【特徴】
・使う電気の量が少ない。真冬でも使うことができる。使っているときもうるさくない。環境汚染の心配がない。など

【課題等】
・設備を設置する費用が高い。高性能化が十分に進んでいない。など

雪氷冷熱

冬に降った雪や氷を貯めておき、夏に使うものです。

導入事例

▼雪熱エネルギーを利用した農産物貯蔵施設(雪倉)の導入(JAとうや湖ホームページより)

雪熱エネルギーを利用した農産物貯蔵施設の導入1

雪熱エネルギーを利用した農産物貯蔵施設の導入2

特徴・課題等

【特徴】
・お金を払って捨てていた雪の利用が可能。食べ物の冷蔵に向いた冷たさである。地域のシンボルとして活用できる。など

【課題等】
・雪や氷が少ない場所では実施できない。農産物の冷蔵以外の利用が課題。など

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