

| 日本の国土面積の5分の1を越える広大な北海道の山々は、大自然そのものであり、美しい景観と動植物の宝庫となっています。 北海道の山々は高緯度に位置する気象条件から、森林限界が低く、稜線からの展望が開け、標高1,000メートル足らずの山域で高山植物のお花畑が広がります。 また、火山が多く、火山活動が造形したバリエーションに富んだ美しい山容と、山麓に点在する野趣あふれる温泉の豊富さも魅力のひとつです。 |
Ⅰ 道南・道央エリア
| ■道南・道央エリアの山岳の特徴 本州と歴史的な関わりが深い道南エリアには、江戸時代に大千軒岳で行われたキリシタン処刑など歴史的な側面がいまなお残っています。また、ブナやサルグルミの分布の北限があるほか、道南が分布の中心となるベニバナイチゴやオオサクラソウなどの高山植物が生息するなど、道南エリアには他の道内地域とは一線を画す特徴があります。 道央エリアでは、唯一全国百名山に選ばれ、一帯でずば抜けた高さを誇る羊蹄山が知られています。なにより、独立峰としての流麗さは全国にあり「○○富士」のなかでも屈指の美しさとされています。六合目からハイマツ帯となり、九合目周辺の天然記念物に指定されている高山植物群の花畑には、季節ともなると可憐な花々が咲き乱れます。基本的には日帰りコースとされていますが、できれば一泊して雄大な夜明けの光景や高山植物などが咲く山頂部をゆっくりと満喫したいものです。 |
| 1 大千軒岳【だいせんげんだけ/標高:1,072m】 | 迫害された蝦夷キリシタンをしのぶ白い十字架が建てられ、お花畑の千軒平を望む道南1,000m峰 | |
| 2 駒ヶ岳【こまがたけ/標高:1,131m】 | 2007年2月現在、山頂から半径4キロ以内は火山活動精密観測等のため入山規制中 | |
| 3 遊楽部岳【ゆうらっぷだけ/標高:1,277m】 | 美しいブナ林をぬける長い尾根の果てにハイマツの頂綾をたどるコース | |
| 4 狩場山【かりばやま/標高:1,520m】 | 道南の最高峰であり海岸沿いの国道からもその雄大な姿が見える。 山岳ガイドからアドバイス 道南の山は雪の到来が遅いため秋が長く、北限のブナ林の紅葉も見事で一見の価値があります。 | |
| 5 積丹岳【しゃこたんだけ/標高:1,255m】 | 1,000mの前後山が連なる積丹半島で登山道が整備されているのはここだけ。 | |
| 6 ニセコアンヌプリ【ニセコアンヌプリ/標高:1,308m】 | ニセコ連峰のスキーリゾートの主峰として知られ珍しい高山植物にも出会える。 山岳ガイドからのアドバイス ニセコ連山・羊蹄山は札幌からのアクセスが比較的楽で、山頂部分では素晴らしい高山植物群をみることができます。 | |
| 7 羊蹄山【ようていざん/標高:1,898m】 | 全国百名山に道南・道央で唯一選ばれた最高峰にふさわしい眺望の人気の山。 | |
| 8 無意根山【むいねやま/標高:1,464m】 | 札幌の近郊では高山植物の多い山として知られている。 | |
| 9 余市岳【よいちだけ/標高:1,488m】 | 札幌と赤井川村との境界にあり、山の大きさや奥深さでは札幌近郊で群を抜く。 | |
| 10 徳舜瞥山【とくしゅんべつやま/標高:1,309m】 | 徳舜瞥山と隣り合うホロホロ山を日帰りセットで登る家族登山に最適の山。 | |
| 11 札幌岳【さっぽろだけ/標高:1,293m】 | 頂上からは札幌市市街とその彼方に石狩湾と増毛山地が見える。 | |
| 12 空沼岳【そらぬまだけ/標高:1,251m】 | 札幌近郊で最も多くの登山者が訪れる人気の山 | |
| 13 恵庭岳【えにわだけ/標高:1,320m】 | 岩のぼりのスリルを味わい支笏湖を見下ろす絶景が魅力だが、2007年2月現在、山頂部崩落の危険のため、第2見晴台から上は登山禁止の規制中。 | |
| 14 樽前山【たるまえさん/標高:1,041m】 | 巨大ドームを持つ三重式火山として世界的に有名だが、七合目まで車道ができ楽な山となった。2007年2月現在、火山性ガスが噴出の危険があるため、外輪山の内側(ドームを含む)は登山禁止の規制中。 | |
Ⅱ 夕張・日高(夕張山地・日高山脈)エリア
| ■夕張・日高(夕張山地・日高山脈)エリアの山岳の特徴 夕張山地は、日高山脈の西に連なる約60kmの連山では珍しいロッククライミングのフィールドと知られています。また、夕張岳は蛇紋岩に咲くユリバリソウやキリギシソウなどの高山食植物でも良くしられています。 日高山脈は佐幌岳から襟裳岬まで140kmにわたって連なる長大な山脈で、道が整備されたのはごく最近のことで、北海道の他の山域と一千を画す難しい登山エリアとされています。 長い林道をアプローチとともに深く困難な沢登りなど、その多くが宿泊での縦走コースとなっています。このように、日高の山の魅力に触れられるのは今でも一部の上級登山者に限られますが、車道が沢の奥までのび徐々にアプローチが楽になってきてもいます。 |
| 1 芦別岳【あしべつだけ/標高:1,726m】 | 夕張山地の最高峰で北海道では数少ない鋭く天の突くような岩山。 | |
| 2 夕張岳【ゆうばりだけ/標高:1,668m】 | 花の名山として知られ、多種類の高山植物が見られる登山者に人気の山 | |
| 3 芽室岳【めむろだけ/標高:1,754m】 | 山頂からは幌尻岳をはじめ遠く日高山脈中部のカムイエクチカウシ山までも見える | |
| 4 剣山【つるぎやま/標高:1,205m】 | 高さこそあまりないが、その好位置から日高山脈北部の大パノラマが広がる。 | |
| 5 幌尻岳【ぽろしりだけ/標高:2,052m】 | 日高山脈で唯一の2,000m峰からは圧巻の展望が広がる。 | |
| 6 十勝幌尻岳【とかちぽろしりだけ/標高:1,846m】 | 山脈展望台といわれ特に札内川源流に連なるカール群がとても良く眺められる。 山岳ガイドからのアドバイス 幌尻岳:沢登りルートは、所要時間が非常に読みにくく、初心者はガイドブックで紹介されている時間の「倍」と考えるべきです。 | |
| 7 ペテガリ岳【ペテガリだけ/標高:1,736m】 | 日高山脈では幌尻岳と並んで知名度の高い上級者・縦走向けの山。 | |
| 8 神居岳【かむいだけ/標高:1,600m】 | 南日高の風格ある雄峰に神威山荘からアタックするコース。 | |
| 9 楽古岳【らっこだけ/標高:1,472m】 | ピラミッド形の山頂部への登山コースは東西から2本。ダニが多いので注意。 | |
| 10 アポイ岳【アポイだけ/標高:811m】 | 山頂付近が特別天然記念物に指定されている花々の名所として有名。 山岳ガイドからのアドバイス 中級レベルの山で登山道も整備され、小学生でも登れる手軽さと特別記念物指定の植物群に出会えます。 | |
Ⅲ 中央高地(大雪・十勝連峰)エリア
| ■中央高地(大雪・十勝連峰)エリアの山岳の特徴 北海道のほぼ中央を形づくる大雪山と十勝連峰を総称して中央高地と呼んでいます。大雪山とは、単体の山ではなく山の集合体の名称であり、さらに表大雪と東大雪、裏大雪の3地域に分けられます。その表大雪にあり北海道の最高峰である2,290mの山が旭岳です。 北海道の山は、緯度の関係から、本州の山と比べて1,000mほど加えた高度の気象条件にあるとされています。つまり、旭岳の頂上は、本州の感覚では3,000m級ともいえます。しかし、ロープウエイなどの設備が整い登りやすいため、北海道で最も登山者が多い山のひとつとなっています。 また、東大雪は、にぎやかな表大雪のイメージとは逆に、鋭い尾根で構成された鋭角な鋭角な山が多くベテラン向けのエリアとなっています。さらに日本百名山に選ばれているトムラウシ山は、表大雪の最も奥に位置し、縦走の果てにたどり着く神々しい風貌の山として知られています。 |
Ⅳ 道北エリア
| ■道北エリアの山岳の特徴 道北エリアでは緯度が高いため、標高600mくらいからハイマツ帯が発達しています。8月でも深い沢に残雪があったり、厳しい寒さから木の幹が縦に割れる凍裂した針葉樹を多く見られるのもこの地域の特徴です。この道北エリアの最高峰は稚内沖の利尻島にそびえる利尻山で、その美しさとともにリシリヒナゲシなどの高山植物で知られています。それとは対照的に丘陵地帯が広がり、レブンアツモリソウなどの可憐な花の山として知られるのが礼文岳です。また暑寒別岳の東方には北海道の尾瀬として有名な雨竜湿原があり、登山の途中で訪れ絶えない人気スポットとなっています。 |
| 1 礼文岳【れぶんだけ/標高:490m】 | 隣のそびえ立つ利尻山と比べて対照的なまでにたおやかな山脈。 |
| 2 利尻山【りしりざん/標高:1,721m】 | 日本海からまるで浮かび上がるようにそびえ立つ雄大な姿。 山岳ガイドからのアドバイス 季節によって変わっていく高山植物群や野鳥など、どれをとってもすばらしいです。晴れていれば山頂からの眺めは最高で、海に浮いている異聞を味わえます。 |
| 3 天塩岳【てしおだけ/標高:1,558m】 | 登山コースは、朝日町と滝上町から4つあるが大半は、朝日町側から登る。 |
| 4 暑寒別岳【しょかんべつだけ/標高:1,491m】 | 登山コースは3つあるが雨竜沼経由のコースは群を抜いて人気がある。 |
| 5 黄金山【こがねやま/標高:740m】 | なだらかな山が多い周辺で三角錐の急峻な姿がひときわ印象的 |
Ⅴ 道東エリア
| ■道東エリアの山岳の特徴 人工物の無い広大な湿原と噴煙を上げる火山や、緑深い針葉樹林帯、さらに美しい湖や沼など、最も北海道らしい魅力的な風景を持つのが道東エリアといわれています。この多彩な自然環境が阿寒、知床、釧路湿原の3つの国立公園として守られているのです。 登山のフィールドとしても、羅臼岳、斜里岳、、雌阿寒岳など全国に知られた名山に恵まれているほか、特産の深い森を堪能する雌阿寒と雄阿寒などの山々も人気があります。 また、国後島などの北方領土の島々を間近に望むことができきるのも、道東の山ならではの魅力といえます。 |
| 1 硫黄山【いおうざん/標高:1,562m】 | 変化に富んだベテラン向けのコースで、知床全山を見渡せる山頂へ |
| 2 羅臼岳【らうすだけ/標高:1,661m】 | アイヌ語で「地の果て」を意味する知床の最高峰。半島の両側から登山道がある 山岳ガイドからのアドバイス 7月~8月の羅臼岳から硫黄山への縦走路は高山植物が美しく、晴天日にはオホーツク海と太平洋がみわたせる絶好のルートです。 |
| 3 斜里岳【しゃりだけ/標高:1,547m】 | 知床半島と阿寒の山々を結ぶ位置にあり独立峰に近く絵葉書にもよく登場する。 |
| 4 雌阿寒岳【めあかんだけ/標高:1,499m】 | 現在も火山活動が続いている活火山ですので、入山する場合は、事前に火山活動に関する情報と「注意事項」を確認してください。 |
| 5 雄阿寒岳【おあかんだけ/標高:1,370m】 | なだらかな雌阿寒岳に対して垂直方向にのびる男性的な山。 |
| 6 阿寒富士【あかんふじ/標高:1,476m】 | 雌阿寒岳を母体としてその上にそびえるコニーデ型の山。 |