北海道観光のくにづくり条例

目次

 前文

 第一章 総則(第一条~第六条)

 第二章 観光の振興に関する基本的施策(第七条~第九条)

 第三章 北海道観光審議会(第十条~第十七条)

 附則

 今、私たちは、自然との共生という考え方、心のゆとりや潤いを求める意識の変化や生活様式の多様性を背景に、互いに支え合い、尊重し合いながら、精神的な豊かさを大切に生きていく時代を迎えている。

 観光は、日常生活を離れ、異なる文化や価値観の交流を通して、人々が相互の理解を深め、訪れる人は安らぎや明日への活力を得、迎える人は地域のすばらしさに目覚め、新たな魅力づくりに努める営みであり、心豊かなゆとりある生活を求める私たちにとって、生活の大切な一部となっているとともに、地域にとっても、地域を訪れる人々との交流を通じて経済の活性化につながっているものである。

 四季を彩る雄大な自然、新鮮な山海の恵み、人々の暮らしとともに形成された景観やおおらかな気風が漂う、恵み豊かな北の大地は、人々の心を潤し、活力や感動を与えてくれる憧(あこが)れの地として、国内外から高い評価を得るようになった。

 こうした優位性や地域の個性を生かしつつ、北海道を誰もが安心して快適に滞在することができる国際的にも通用する観光地とするよう取り組み、観光にかかわる産業を北海道経済のリーディング産業とすることは、自主的かつ自律的な北海道の形成につながるものである。

 先人から受け継いだ北海道の豊かで優れた環境を大切に守りながら、道民のみならず、北海道を訪れるすべての人がその豊かさを享受できるように観光の振興に努めることは、私たちの重要な役割であり、それぞれの地域が観光の意義と可能性を認識し、地域を愛するすべての者が協働し、知恵を出し合いながら観光のくにづくりを進めていくことが必要である。

 このような考え方に立って、道民の総意として観光の振興に取り組むため、この条例を制定する。

   第一章 総則

 (目的)

第一条 この条例は、観光の振興に関し、基本理念を定め、並びに道の責務並びに道民、観光事業者及び観光関係団体の役割を明らかにするとともに、道の施策の基本となる事項を定めることにより、観光の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって豊かで活力ある地域社会の実現及び北海道経済の発展に資することを目的とする。

 (基本理念)

第二条 観光の振興は、道民、観光事業者、観光関係団体及び行政機関が協働し、次に掲げる事項を基本として、道民及び観光客が共に楽しめる地域の特性を生かした個性豊かな観光地を形成するとともに、観光にかかわる産業を地域経済を牽引する産業とすることを旨として、推進されなければならない。

一 自然、景観等の環境の保全に配慮しながら、それらの魅力を十分に活用すること。

二 豊かな自然にはぐくまれた食材及び食文化の魅力(以下「食の魅力」という。)を生かすこと。

三 高齢者、障害者、外国人等すべての人々が安心して快適に観光ができるよう配慮すること。

 (道の責務)

第三条 道は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、観光の振興に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 道は、観光の振興を図る上で市町村が果たす役割の重要性にかんがみ、市町村が参画する広域的な観光振興に関し総合調整を行うとともに、市町村相互の連携が図られるよう努めるものとする。

 (道民の役割)

第四条 道民は、基本理念にのっとり、観光客を温かく迎えるよう努めるとともに、地域の観光資源を活用した観光地づくりに参画するよう努めるものとする。

 (観光事業者の役割)

第五条 観光事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うよう努めるものとする。

2 観光事業者は、その事業活動を行うに当たっては、地域の他産業との連携に配慮するものとする。

 (観光関係団体の役割)

第六条 観光関係団体は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うよう努めるものとする。

2 観光関係団体は、ホスピタリティ(観光客を温かく迎える接遇をいう。)の向上、観光客の誘致等に積極的に取り組む等観光の振興に貢献するよう努めるものとする。

   第二章 観光の振興に関する基本的施策

 (施策の基本方針)

第七条 道は、次に掲げる基本方針に基づき、観光の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。

一 道民、観光事業者、観光関係団体及び行政機関が協働して行う取組を促進すること。

二 環境を保全し活用する取組を促進すること。

三 食の魅力を生かした取組を促進すること。

四 観光客が安心して快適に観光を行うことができる環境づくりを促進すること。

五 観光にかかわる産業の発展のための取組を促進すること。

六 国内及び海外からの観光客の誘致を促進すること。

七 観光に関する普及啓発及び学習機会の確保を図ること。

八 観光に関する基礎的データの収集及び調査を実施すること。

 (観光の振興に関する基本的な計画)

第八条 知事は、観光の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、観光の振興に関する基本的な計画(以下「計画」という。)を定めなければならない。

2 計画は、観光の振興に関する道の施策並びに道民、観光事業者及び観光関係団体の行動の指針について定めるものとする。

3 計画は、観光の振興に関する適切な目標について定めるものとする。

4 知事は、計画を定めるに当たっては、あらかじめ、道民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。

5 知事は、計画を定めるに当たっては、あらかじめ、北海道観光審議会の意見を聴かなければならない。

6 知事は、計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

7 前三項の規定は、計画の変更について準用する。

 (財政上の措置)

第九条 道は、観光の振興に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

   第三章 北海道観光審議会

 (設置)

第十条 北海道における観光の振興を図るため、知事の附属機関として、北海道観光審議会(以下「審議会」という。)を置く。

 (所掌事項)

第十一条 審議会の所掌事項は、次のとおりとする。

一 知事の諮問に応じ、観光の振興に関する重要事項を調査審議すること。

二 前号に掲げるもののほか、この条例の規定によりその権限に属させられた事務

2 審議会は、観光の振興に関し必要と認める事項を知事に建議することができる。

 (組織)

第十二条 審議会は、委員十五人以内で組織する。

2 審議会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、特別委員を置くことができる。

 (委員及び特別委員)

第十三条 委員及び特別委員は、学識経験を有する者及び関係行政機関の職員のうちから、知事が任命する。

2 委員の任期は、二年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 委員は、再任されることができる。

4 特別委員は、当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。 

 (会長及び副会長)

第十四条 審議会に会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は、委員が互選する。

3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。

 (会議)

第十五条 審議会の会議は、会長が招集する。

2 審議会は、委員の二分の一以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

 (部会)

第十六条 審議会は、必要に応じ、部会を置くことができる。

2 部会は、審議会から付託された事項について調査審議するものとする。

3 部会に部会長を置き、会長が指名する委員がこれに当たる。

4 部会に属すべき委員及び特別委員は、会長が指名する。

 (会長への委任)

第十七条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

   附 則

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 北海道観光審議会条例(昭和三十六年北海道条例第四十二号)は、廃止する。

3 この条例の施行の際現に前項の規定による廃止前の北海道観光審議会条例第三条第二項の規定により北海道観光審議会の委員又は特別委員に任命されている者は、第十三条第一項の規定により委員又は特別委員に任命された者とみなし、その任期は、委員にあっては同条第二項の規定にかかわらず平成十四年十二月十四日までとし、特別委員にあっては同条第四項の規定にかかわらず同年三月三十一日までとする。