1 狩猟とは
趣味の分野には、レクリエーション、スポーツ、芸術文化活動など自然を楽しむ多くの活動があります。これらの中には、自然の恵みを得ようとする採取活動も少なくありません。
魚釣りや山菜採りなどは、古くには生活の糧を得る手段のひとつでしたが、現在では国民的な娯楽として、広く親しまれています。
「狩猟」については、本道では明治開拓期以降、暮らしに必要な肉や毛皮など鳥や獣から得るために、あるいはヒグマ等から家畜や農作物などを守るために地域に根付いてきた捕獲行為が、現在に引き継がれています。
「狩猟」は個人的な趣味であると多くの人が考えていると思います。
実際に狩猟を始めた動機について、道では平成15年度に道内狩猟者1千名に対してアンケート調査を実施しました。
その回答結果では、「自然の中で遊ぶのが好き」、「狩猟(鳥獣を捕獲すること)が好き」、「銃やワナに興味があった」という理由が、併せて68%を占めています。
一方で、鳥獣による農作物などの被害を防止するため狩猟を行う人もいます。
道内では、増えすぎたエゾシカによる農林業被害が30億円近くに上るほか、ヒグマの人里への出没、さらには野生化したアライグマが在来動物の生態を脅かすなど、鳥や獣が人びとの暮らしや自然の営みに悪影響を及ぼす場合があります。
このような鳥獣に対しては、捕獲が有効な対策となっており、先のアンケート結果では、被害防止を目的とした動機が25%あり、本道における野生鳥獣と地域社会との関係を映しているともいえます。
現在、道内の狩猟人口は約9千4百人ですが、昭和53年のピーク時との比較では半分以下に減少しています。しかも、60歳以上が44%を占めており、このまま推移しますと、特に野生鳥獣の生息地に近い農村部等において狩猟者が足りなくなることが心配されています。
2 狩猟の魅力
狩猟はスポーツハンティングとも呼ばれ、山野をめぐって鳥や獣を狩る楽しみのほか、猟銃やワナなど猟具を上手く使いこなすこと、捕獲物を調理して食べる楽しみなど、多くの魅力が特徴となっています。
(1)捕獲行為
狩猟は捕獲物を狩る(仕留める)ことを目標としますが、それには、猟場における鳥獣の生態に対する理解や土地勘、捕獲技術の習得、良き仲間との交流など、個人によってその道のりは異なります。
釣りでは、釣果が無い場合に「ぼうず」という言い方をしますが、狩猟でも「猟果無し」で終わることは多いようです。
狩猟では鳥獣との出会いや駆け引きが醍醐味ですが、捕獲に工夫を凝らすことが楽しさを引き出しているともいえます。
(2)捕獲物の利用
現代社会において、個人が直接食肉を確保する必要性はほとんどありませんが、狩猟により得られた野生鳥獣の肉は、ヨーロッパ等ではジビエと呼ばれ最高級の食材として珍重されています。
自然の恵みに感謝しながら、美味しく調理して大きな満足を得ることこそ、狩猟の醍醐味といえます。
このためには、急所をしとめる捕獲技術のほか、正しい解体技術や調理方法を覚えていくことも大切です。
また、食材以外にも、昔からトロフィー(頭部)や革細工の原料、毛皮・敷物などにも利用されています。
(2)猟具の使用
狩猟には、銃器(猟銃)やワナなどの道具を使用します。使用できる道具は法律で「法定猟具」に定められており、安全に使うための知識や方法を正しく学ぶ必要があります。
例えば、銃器を使用する場合には、捕獲物を確実に仕留める射撃技術がなければ、弾が命中しても取り逃がすことになりかねません。
こうした猟具の使い方を学び、捕獲技術のレベルアップを図ることも狩猟の大きな魅力です。先輩や仲間のアドバイスや文献などを参考に実猟経験を積んで、自分に適した狩猟スタイルを見つけましょう。
3 狩猟の意義や役割
(1)自然資源の持続的利用
狩猟は、絶滅の恐れのない鳥獣を対象として、一定の制限のもとで捕獲する仕組みです。その意味では、自然の恵みを持続的に利用する優れた方法です。
(2)農林水産業被害の予防と生態系の保全
野生鳥獣の中には、農林水産業被害を引き起こしているものがあります。
これらの多くは狩猟対象とされており、捕獲によって被害が予防され、分布の拡大を抑制しています。
4 狩猟のきまり
狩猟には一定のルールがあります。ルール違反やマナーが乱れては、狩猟の信頼が損なわれることを銘じるべきです。
(1)狩猟免許・狩猟者登録
鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(以下「鳥獣保護法」といいます。)では「狩猟免許制度」が定められており、狩猟を行う者の資格を定めています。そして、実際に狩猟を行う場合には、狩猟をしようとする都道府県ごとに狩猟者登録を受けなければなりません。
(2)狩猟鳥獣
現在、狩猟で捕獲できる鳥獣は、狩猟対象として資源性があるものや、捕獲によって鳥獣の生息の状況に著しく影響を及ぼす恐れのないものなどに限られています。
狩猟鳥獣の一覧
| ゴイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ウズラ、ヤマドリ(亜種コシジロヤマドリを除く)、キジ、コジュケイ、バン、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、カワウ | |
| 獣類(20種) | タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(亜種ツシマテンを除く)、イタチ(オスに限る)、チョウセンイタチ(オスに限る)、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビジン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌートリア、ユキウサギ、ノウサギ |
※ このうち、メスキジ、メスヤマドリ、ウズラ、シマリスについては、平成19年9月15日から
平成24年9月14日までの間、環境大臣の指定により捕獲が禁止されています。
※ メスニホンジカの捕獲禁止は、平成19年6月1日から解除されました。
(3)狩猟期間
現在、北海道では毎年10月1日から翌年1月31日までとされています。
また、ニホンジカ(エゾシカ)については、捕獲できる期間が異なる場合があるので、注意が必要です。
(4)入林手続き
狩猟では山野に入る機会が多くなりますが、こうした場所の殆どが国や北海道が管理する国公有林です。
国有林で狩猟する場合には所轄の「森林管理署」、道有林の場合には所轄の「森づくりセンター」で入林の手続きを行い、狩猟できない場所・時期について指示を受けてください。
5 狩猟免許
狩猟を行える資格を持った者であることの証明が狩猟免許です。
狩猟免許を取得するには、狩猟に関して必要とされている適性、技能及び知識について都道府県知事が実施する狩猟免許試験に合格しなければなりません。
(1)受験資格
20歳に満たない者のほか、狩猟を行うことに支障を及ぼすおそれがある病気にかかっている者などについては狩猟免許試験を受けることができません。
<参考>
法律第40条第2号:精神障害又は発作による意識障害をもたらし、その他の狩猟を適正に行うことに支障を及ぼすおそれがある病気として環境省令で定めるもの(統合失 調症、そううつ病、てんかん、など)にかかっている者。
同条第3号:麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者。
同条第4号:自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、又は著しく低い者。
(2)狩猟者免許の種別と使用できる猟具
狩猟免許は使用できる猟具(狩猟を行うための道具)に応じて、次の4種類の狩猟免許があります。
免許の種類
法定猟法で使用出来る猟具
網・わな猟免許
網
網は、糸などで編まれたものを被せ、鳥獣を捕獲する猟具です。法定猟具として認められている網には、むそう網、はり網、つき網、なげ網の4種類があります。
わな
わなは、閉じ込めたり、足をはさんだり、体の一部をくくって、獣類を捕獲する猟具です。法定猟具として認められているわなには、くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわなの4種類があります。なお、わなを使った狩猟鳥の捕獲は禁止されています。また、人に危害を与えるような危険なわなの使用も禁止されています。
第一種銃猟免許
装薬銃を使用する猟法
装薬銃は、火薬が燃焼する時のガスの圧力で弾丸を発射する銃器で、散弾銃とライフル銃に分かれます。散弾銃は、粒状の複数の散弾を発射する近射用の銃器で、鳥類やユキウサギなどの小型獣類の捕獲に適しています。また、一粒の弾丸(スラッグ弾)を用いることで、エゾシカ、ヒグマなどの大型獣類にも対応できます。ライフル銃は、銃身の内部にライフリング(らせん状の溝)が刻まれている遠射用の銃器で、エゾシカ、ヒグマなど大型獣類の捕獲にのみ使用できます。ただし、狩猟、有害鳥獣駆除又は標的射撃のため継続して10年以上猟銃の所持許可を受けている者に限る。(空気銃、圧縮ガス銃を含む。)
第二種銃猟免許
空気銃を使用する猟法
空気銃は、空気やガスの圧力を利用して弾丸を発射する近射用の銃器で、スズメ・キジバトなどの捕獲に使用されます。なお、第一種銃猟免許者は、装薬銃を使用する猟法のほか、空気銃を使用する猟法を行うことができます。
※ 「とらばさみ」は、本来捕獲の目的とする鳥獣と異なる鳥獣を誤って捕獲した際に鳥獣を負傷させてしまうため、法定猟法(狩猟に用いることができる猟法)から除かれました。
(3)狩猟免許の効力
| 狩猟免許試験を受けた日から起算して3年を経過した日の属する年の9月14日までの期間で、全国で有効です。 | |
| 狩猟免許は、講習を受け適性検査に合格すれば更新できます。更新された狩猟免許の有効期限も3年です。 | |
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狩猟免許を受けた者が鳥獣保護法に違反して罰金刑以上に処せられたときは、狩猟免許は効力を失います。 |
| 道内に住居地がある者が申請を行うことができます。 | |
| 申請先は試験地となる支庁地域振興部環境生活課です。 | |
| 提出期限はおおむね試験日の2週間前です。 | |
| 申請手数料は5,200円です。(一部免除者は3,900円) | |
| 申請書は北海道のホームページからダウンロードできます。 |
●狩猟免許試験
※開催時期等は異なる場合がありますので、最寄りの総合振興局又は振興局にご確認ください。
1回目は、7月に全道7地域(総合振興局又は振興局の所在地)で実施します。
2回目は、8月に全道7地域(総合振興局又は振興局の所在地)で実施します。
3回目は、2月に全道6地域(石狩・渡島・空知・上川・オホーツク・釧路の各総合振興局・振興局)で実施します。
●狩猟免許試験科目
1.知識試験
| 知識試験は、筆記試験として90分間実施します。 | |
| 鳥獣保護法、鳥獣の生態、猟具に関する知識について、計30問が出題されます。 | |
| 30問の70%以上の成績をもって合格とします。 |
網・わな猟免許では、 視力は、両眼で0.5以上であること。(矯正視力を含む)ただし、一眼が見えない者については、視野が左右150度以上で、視力が0.5以上であること。 第1種銃猟免許及び第2種銃猟免許では、
視力
視力は、両眼で0.7以上であり、一眼でそれぞれ0.3以上であること。(矯正視力を含みます。)ただし、一眼の視力が0.3に満たない者又は一眼が見えない者には、視野が左右150度以上で、視力が0.7以上であること。
聴力
10メートルの距離で、90デシベルの聴音器の音が聞こえる聴力であること。(補聴器により補正された聴力を含む)
運動能力
障害がある者については、身体の状態に応じた補助手段を講ずることにより狩猟に支障を及ぼすおそれがないと認められること。
3.技能試験
技能試験は、実技試験として実施します。
第1種及び第2種銃猟免許は、銃器の取り扱い方法や鳥獣の判別の課題
採点は、減点式で70%以上の得点が合格です。
●狩猟免状の交付
※ 社団法人北海道猟友会では狩猟免許試験に先立って、狩猟免許試験予備講習を総合振興局・振興局所在地で実施しています。(受講申し込みの際には受講料が必要です。)
上記試験の合格者に対しては、知事が狩猟免状を交付します。
有効期間
狩猟免状の有効期間は、狩猟免許試験を受けた日から起算して3年を経過した日の属する年の9月14日までの期間です。
北海道猟友会(電話011-747-2006)
(5)狩猟免許更新の手続き
●狩猟免許更新申請
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道内に住所があり、当該年度に有効期間が満了する者が対象です。 | |
| 申込先は実施場所の各総合振興局・振興局の保健環境部環境生活課です。 | |
| 提出期限はおおむね実施日の1週間前です。 | |
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申請手数料は2,800円です。 | |
| 申請書は北海道のホームページからダウンロードできます。 |
1回目
6月及び7月、8月に総合振興局・振興局所在地などで実施します。
2回目
9月に全道5地域(石狩・渡島・上川・オホーツク・釧路の各総合振興局・振興局)で実施します。
※開催時期等は異なる場合がありますので、最寄りの総合振興局・振興局にご確認ください。
●狩猟免許更新時の講習と適性検査
| 講 習 | 講習は、鳥獣保護法の講義、鳥獣の判別、猟具の取扱い及び鳥獣の保護管理について、3時間以上の講習です。 |
| 適正検査 | 視力、聴力及び運動能力について、適性検査を実施します。 |
| 合格基準 | 狩猟免許試験と同様です。 |
| 狩猟免状を受けた者が申請を行うことができます。 | |||
| 道内にお住まいの方は、住居地のある総合振興局・振興局の保健環境部環境生活課に申請してください(道外にお住まいの方は、道庁環境生活部環境局自然環境課に問い合わせ願います。)。 | |||
| おおむね9月1日以降受付けを行います。 | |||
| 申請手数料は1,800円です。 | |||
| 狩猟税 | 第一種銃猟 | 都道府県民税の所得割合の納付を要する者 | 16,500円 |
| 都道府県民税の所得割合の納付を要しない者 | 11,000円 | ||
| 網猟 | 都道府県民税の所得割額の納付を要する者 | 8,200円 | |
| 都道府県民税の所得割額の納付を要しない者 | 5,500円 | ||
| わな猟 | 都道府県民税の所得割額の納付 を要する者 | 8,200円 | |
| 都道府県民税の所得割額の納付 を要しない者 | 5,500円 | ||
| 第二種銃猟 | 第二種銃猟の登録を受ける方 | 5,500円 | |
| 申請用紙 | 申請書は北海道のホームページからダウンロードできます。 | ||
| その他 | 狩猟に伴う損害の賠償能力を備えることが必要です。 | ||
※狩猟免許関係の各種手数料については、金額が変更となる場合があります。
6 猟銃の所持許可
猟銃の所持については、銃砲刀剣類所持等取締法により一般の所持が禁止されていますが、狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃のいずれかの用途に限り、北海道公安委員会又は各公安委員会の許可を受けることにより所持することができます。
●カモ猟
北海道の代表的な鳥猟はカモ猟です。
近年、護岸整備された河川や湖沼が増え、良好なカモの猟場が減少したとの声が聞かれますが、生息数の多さや肉などの利用価値において、最もポピュラーで魅力のある獲 物です。
カモ猟では、つき場といわれるカモのたまり場を見つけ、カモに気づかれないように忍び寄るほか、舟を使うこともあります。
他の鳥猟では、犬を使ったキジ・ウズラ猟、エゾライチョウ猟などがあります。
●エゾシカ猟
本道の大物猟として、最も人気があるのがエゾシカ猟です。
エゾシカ猟にチャレンジするには、まず先輩や仲間などのグループ猟の一員として参 加し、狩猟の実態を知ることが大切です。
この中で、エゾシカの習性や餌場・寝場所などのエゾシカに関する知識や実際の狩猟方法を経験しながら、エゾシカ猟のノウハウを身につけていきます。
●狩猟免許に関するお問い合わせ
| 機関名 | 住所 | 電話 |
| 石狩振興局 | 〒060-8558 北海道札幌市中央区北3条西7丁目 | 011-204-5824 |
| 渡島総合振興局 | 〒041-8558 北海道函館市美原4丁目6-16 | 0138-47-9439 |
| 檜山振興局 |
〒043-8558 北海道檜山郡江差町字陣屋町336-3 |
0139-52-6494 |
| 後志総合振興局 | 〒044-8588 北海道虻田郡倶知安町北1条東2丁目 | 0136-23-1354 |
| 空知総合振興局 | 〒068-8558 北海道岩見沢市8条西5丁目 | 0126-20-0043 |
| 上川総合振興局 | 〒079-8610 北海道旭川市永山6条19丁目 | 0166-46-5922 |
| 留萌振興局 | 〒077-8585 北海道留萌市住之江町2丁目1番地2 | 0164-42-8436 |
| 宗谷総合振興局 | 〒097-8558 北海道稚内市末広4丁目2-27 | 0162-33-2922 |
| オホーツク総合振興局 | 〒093-8585 北海道網走市北7条西3丁目 | 0152-41-0630 |
| 胆振総合振興局 | 〒051-8558 北海道室蘭市海岸町1丁目4番1号 | 0143-24-9577 |
| 日高振興局 | 〒057-8558 北海道浦河郡浦河町栄丘東通56 | 0146-22-9254 |
| 十勝総合振興局 | 〒080-8588 北海道帯広市東3条南3丁目 | 0155-26-9028 |
| 釧路総合振興局 | 〒085-8588 北海道釧路市浦見2丁目2番54号 | 0154-43-9154 |
| 根室振興局 | 〒087-8588 北海道根室市常盤町3丁目28番地 | 0153-23-6823 |
| 北海道庁(本庁) | 〒060-8588 札幌市中央区北3条西6丁目 | 011-204-5206 |
1)各総合振興局・振興局の窓口は、保健環境部環境生活課自然環境係です。
2)北海道庁の窓口は、環境生活部環境局自然環境課野生鳥獣グループです。
●銃の所持許可について
住所地の警察署の生活安全課が窓口です。