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1 JR列車支障発生件数について JR北海道の全道の路線上において、エゾシカとの衝突の有無とは関係なく、エゾシカを原因としてJR北海道の旅客列車の運行に支障をきたした件数を「エゾシカによる列車支障発生件数」として把握しています。 ただし、この「件数」からは、エゾシカが原因であっても、故障修理のために駅構内で遅発したというような場合は除外しています。 エゾシカ保護管理計画においては、このエゾシカによるJRの列車支障発生件数の一部の年推移を、北海道東部地域におけるエゾシカの生息動向を把握するための指標の一つとして用いることにしています。 |
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2 集計方法 エゾシカ保護管理計画における指標としては、JR北海道釧路支社管内の石勝線(串内から上落合)、根室本線(上落合から釧路)、花咲線(釧路から根室)、釧網本線(東釧路から網走)、旭川支社の石北本線(旭川から網走)の5路線(以下、「指数路線」といいます。)の列車支障発生件数の総計を用いることにしています。 この5路線の1993年度の支障発生件数の総和を基準値(指数100)として、各年度の支障件数を指数化しています。 |
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図1 指数路線位置図 |
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| 3 調査結果の概要 |
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<路線別列車運行支障発生件数及び個体数指数の推移>
<支庁別、ユニット別の主な路線の支障件数推移>
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| まとめ |
現在の列車支障件数の個体数指数の値はライトセンサス個体数指数値の数倍の水準となっており、現時点ではエゾシカ保護管理を進める上での有効な個体数水準の指標値にはなり得ていません。一方、ライトセンサス個体数指数がほぼ連続して増加していた東部地域における1993~1998年度(10~12月のみ)及び西部地域の1993~2005年度では、ライトセンサス個体数指数と列車件数個体数指数との間には正の相関があったことから、列車支障件数は、ある程度長い期間の連続した個体数の増加傾向は検出することができ、西部地域に関しては、現在も続く個体数の増加傾向を良く反映しているものと考えられます。しかし、1999年度以降の東部地域における個体数水準の減少や横ばいといった変動は検出できておらず、変動傾向を表す指標値としての利用可能性も低い状態にあります。 エゾシカ保護管理計画におけるライトセンサスを含む他の個体数指数は、ある特定の時期の密度水準指標値であるのに対し、列車件数の場合は1年間の累積件数をもとに指数を算出しており、それが他の指数との乖離の原因の一つである可能性も指摘されています(北海道環境科学研究センター2006)。いくつかの路線でみられた明確な支障件数の季節変動パターンや、多くの路線で共通していた夏季の件数が少ないといった現象は、エゾシカの季節移動と関連している可能性があります。 現在、ある年のモニタリング結果を翌年のエゾシカ個体数管理にすぐに利用できるのは、ライトセンサスと列車支障件数だけであり、今後、最低限ライトセンサスを補完し得る程度の利用可能性を持つ指標とするため、さらに解析方法の検討を進めることが必要です。
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