厚岸霧多布昆布森国定公園が指定されました!

厚岸霧多布昆布森国定公園バナー

令和3年(2021年)3月30日に厚岸霧多布昆布森国定公園が指定されました。
厚岸霧多布昆布森国定公園は、国内では58か所目、道内では6か所目の国定公園となり、道内での新たな国定公園の指定は、平成2年の暑寒別天売焼尻国定公園の指定以来約30年ぶりとなりました。

1.公園の概要

所在地:釧路総合振興局管内釧路町、厚岸町、浜中町及び標茶町の各一部
面積:41,487ヘクタール(うち陸域32,566ヘクタール)
指定日:令和3年(2021年)3月30日(環境省告示第24号)
akkesiQNPgaiyou.jpg(区域概要:クリックで拡大)
※地理院地図を使用して作成
公園計画図はこちら(その1その2)※容量の都合上2分割しています。
(測量法に基づく国土地理院長承認(複製)R 2JHf 692 本製品を複製する場合には、国土地理院の長の承認を得なければならない。)

2.見どころ

  • 湿原
    区域内には別寒辺牛湿原と霧多布湿原の2つの大きな湿原が広がっています。
    また、高層湿原や中間湿原では、ゼンテイカやヒオウギアヤメなどの湿原性植物からなる「お花畑」も見られます。
    区域内の湿原や湖沼は平成5年(1993年)に国指定鳥獣保護区及びラムサール条約登録湿地となっており、また霧多布湿原は国指定天然記念物にもなっています。
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  • 湖沼
    区域内には大小の湖沼が点在しています。
    厚岸湖と火散布沼は、栄養塩類が豊富であることから、カキ養殖いかだやアサリ礁が設置され、漁業活動の場として重要な場所となっています。
    また、渡り鳥の飛来地となっており、春と秋の渡りの時期には多数のガンカモ類やハクチョウが見られます。
  • 海岸
    区域内の海岸には大規模な海蝕崖が連続しています。海蝕崖は海鳥の営巣地となっており、繁殖期には岩穴に出入りする海鳥を見ることができるかもしれません。
    また、海蝕崖の上部には自然草原が広がっており、エゾウスユキソウなどの草原性植物も見られます。
    厚岸町のアヤメが原では、馬の放牧によって一面に広がるヒオウギアヤメ群落も印象的です。
  • 島しょ
    区域内には大黒島や嶮暮帰島を始め、大小の島しょや奇岩が点在しており、海鳥の貴重な繁殖地となっています。特に大黒島はコシジロウミツバメの繁殖地として国指定鳥獣保護区にも指定されています。
    また、岩礁の周辺ではラッコやゼニガタアザラシの繁殖も見られます。
    奇岩では、釧路町のトド岩や帆掛岩、浜中町の窓岩などが独特の景観を作り出しています。
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  • その他
    公園区域の沿岸で穫れるコンブやウニは地域の特産品になっています。
    棹前昆布の解禁時に多くの漁船が一斉出漁する様子や、昆布干場にコンブが敷き詰められる様子は地域の風物詩となっています。

3.主なビュースポット

  • 尻羽岬
    厚岸湾に突き出た岬で、正面に大黒島が見られます。周辺地域の難読地名群にも注目ください。
  • 愛冠岬
    厚岸湾に突き出た岬で、海岸や大黒島等が望めるほか、周辺には博物館や樹木園など、利用施設も充実しています。
  • 霧多布岬(湯沸岬)
    かつての島が砂の堆積により対岸と繋がった陸繋島の先端にあり、見渡す限りの太平洋を望見できます。岬からは周辺に生息するラッコの姿も見られるかもしれません。
  • 琵琶瀬展望台
    霧多布湿原を一望できる展望台は、公園区域内で最もよく知られたビュースポットです。季節によって移りゆく様々な湿原の色合いを見ることができます。
  • 霧多布湿原の木道
    霧多布湿原には、4カ所の木道が設置されています。湿原の花々や自然の造形を間近で見ることができます。

4.主な利用施設

  • 解説・展示施設(※開館日等は各施設にご確認ください。)
     
    厚岸水鳥観察館

    別寒辺牛川河口に位置し、野鳥をはじめとする動植物の展示解説を行っています。
    付近に設置されたカメラから手軽に周辺の野鳥をリアルタイムで観察することができます。
    電話:0153-52-5988
    HP:http://www.akkeshi-bekanbeushi.com/

    愛冠自然史博物館 北海道大学厚岸臨海実験所に併設される博物館で、動植物から化石、鉱物に至るまで多数の標本が展示されており、地域の自然の歴史を感じることができます。
    電話:0153-52-2056(厚岸臨海実験所)
    facebook:https://m.facebook.com/AikappuMuseum/
    霧多布湿原センター 霧多布湿原の動植物などの展示・解説を始め、自然体験やエコツアーなども実施しています。ショップや喫茶スペース、図書室も併設されており、休憩や学習にも最適です。
    電話:0153-65-2779
    HP:http://www.kiritappu.or.jp/center/
  • キャンプ場(※開設期間は各連絡先にご確認ください。)
     
    来止臥野営場(無料)

    昆布森の海岸段丘の上部に設置されたキャンプ場で、自然そのものの息づかいを感じられます。炊事棟・トイレあり。
    連絡先:釧路町役場産業経済課

    筑紫恋野営場(有料) 愛冠岬周辺の丘陵部のふもとに設置されたキャンプ場で、愛冠岬までは遊歩道も続いています。厚岸市街地も近く、買い出しにも困りません。バンガローやコインランドリーもあります。
    連絡先:厚岸町役場観光商工課
    霧多布岬キャンプ場(無料) 霧多布岬近くに設置されたキャンプ場で、三方を海に囲まれており、夕日と日の出を両方見られます。近くにある温泉施設の利用もおすすめです。バンガローあり(有料)。
    連絡先:浜中町役場商工観光課
  • 自然体験
    別寒辺牛川と琵琶瀬川では湿原の中をカヌーで川下りする体験が行われています。
    詳細は各事業者へご確認ください。

5.公園を利用される方へ

  • 国定公園内では工作物の設置や木竹の伐採などの行為が規制されています。
    規制されている行為を行う必要がある場合は、許可や届出が必要となる場合がありますので、下記の連絡先までご相談ください。
    また、天然記念物や鳥獣保護区等他の法令で規制される行為もありますので、それらに該当しないかもご確認ください。
  • 国定公園内の一部では、車馬・動力船の乗り入れ、航空機の着陸が規制されています。
    また、これらを行う必要がある場合は、許可や届出が必要となる場合がありますので、下記の連絡先までご相談ください。
    shabakin-akkeshi.jpeg(規制区域概要:クリックで拡大)
    赤線:公園区域、玉付き線:乗入規制区域、網掛け:特別保護地区
    ※地理院地図を使用して作成
  • 湿原や湖沼、野生の動植物は、将来にわたって残さなければならない私たちの貴重な財産です。
    公園の利用にあたっては、次のマナーを守って、気持ちよく自然を楽しみましょう。
    ・動植物をとったり、傷つけたり、驚かさないようにしましょう。
    ・火気の取り扱いには十分注意しましょう。
    ・キャンプは認められた場所で行うようにしましょう。
    ・大きな音を立てたり、ゴミを放置したりしないようにしましょう。

6.連絡先

国定公園の区域の確認や許認可等の相談は、次の連絡先をご利用ください。
北海道釧路総合振興局保健環境部環境生活課自然環境係(電話:0154-43-9154)
北海道環境生活部自然環境局自然環境課公園保全係(電話:011-204-5204)
また、公園内の最新の観光情報等は、関係する各町役場へもご確認ください。 

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