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最終更新日:2006年2月17日(金)

  ~ 移 入 動 物 ~


 移 入 動 物 と は

 意図するとしないとにかかわらず、人間の手により本来の生息地から他の地域に移動し、定着して、繁殖するようになった動物のことです。

 次のように、農業被害や地域の生態系を乱すなど、様々な問題を引き起こしています。

1.農林水産業の被害

 今までに発生しなかった農作物、家畜や家禽(ニワトリ等)、養殖魚等が食べられる被害が起こります。
 被害が起こってしまえば、その原因を作った動物は害獣。有害駆除の対象になってしまいます。

2.在来の野生動物の追い出し

 北海道の環境に適応し、種間の競争に強い動物が入り込むと、そこにもとから生活している野生動物が追い出されてしまう場合があります。それだけでなく、今まで保たれていた生態系のバランスが崩れて、思いもよらない影響が生まれることもあります。
 (例えば、アライグマはキツネやタヌキを追い出しています。)

3.交雑による遺伝子のかく乱

 移入動物が近縁の在来の動物と雑種をつくり、在来種固有の遺伝子が失われてしまうおそれがあります。
 その結果、見た目はとてもよく似ていても、実際はもともと北海道にいた種類とは違う種類に置き換わってしまうことも考えられます。

 (例えば、本州では放されたタイワンザルがニホンザルと交雑して、本来のニホンザルが将来的にいなくなってしまうことが心配されています。北海道では、外国産のシマリスが交雑する可能性があります。)

4.病気の侵入や蔓延

 今まで北海道になかった病気が持ち込まれ、人や野生動物の間に広まるおそれがあります。
 (例えば、アライグマ回虫、狂犬病など。)

5.植生の改変

 狭い地域に今までいなかった草食動物が入り込み、増殖した場合には、その地域の植物の状況が大きく変わるおそれがあります。
 植生が変わってしまえば、そこに住む昆虫類はもちろん、餌となる植物や昆虫類が変わることで鳥や他の動物たちも大きな影響を受けてしまいます。

 (例えば、アナウサギが放されたことによりヨモギが生えなくなってしまった例があります。)

 例えば、移入動物として既に北海道に定着してしまっている種類に、アライグマアナウサギ、ミドリガメなどがあります。

 特に、アライグマは大きな農業被害をもたらしているので、撲滅を目指して、各地で駆除が行われています。
 (農業被害額は毎年3,000万円以上であり、その対策には1,000万円以上の費用がかかっています。)
 しかし、こうした大変な労力は、そもそも飼い主がきちんと管理を行っていれば、全く行う必要のないものです。

→  故意であるかそうでないかには関係なく、ペットとして飼われていた動物が自然界で生活するようになると、様々な問題が引き起こされます。
   ペットの飼い主は、飼っている動物が逃げ出してしまったときの影響を十分に理解して、きちんと管理を行わなければいけません。また、もし逃げ出しても繁殖しないように、不妊手術の実施にも努めてください。

 逃げ出してしまったときのことを考えると、アライグマプレーリードッグフェレットなどはペットとして飼うのに相応しいものとはいえません。また、この他の珍しい動物にも同じことがいえます。
 


これらが移入動物の例です


アライグマの写真 アナウサギの写真 ミドリガメの写真 シマリスの写真 プレーリードッグの写真 フェレットの写真

                                      写真協力:札幌市円山動物園


アライグマ
 15年ほど前から恵庭市などで野生化した個体が見つかっています。雑食性で木の実や鳥、昆虫などを食べますが、最近はトウモロコシなどの農作物や養殖魚などの被害が増えています。幼い頃は人になついていますが、成長すると気が荒くなるので注意が必要です。原産地の北アメリカでは狂犬病やアライグマ回虫を媒介する動物として問題になっています。
 手先が器用なので、ケージの出入口を勝手に開けられないように、しっかりと管理することが必要です。
          

アナウサギ
 ペットショップで販売されているウサギは、ヨーロッパ原産のアナウサギから改良された品種で、北海道に生息するユキウサギとは違う種類です。繁殖力が強いので、島など天敵がいないところでは大量に増えてその地域の生態系に影響を与えることがあるほか、穴を掘るので傾斜地では土壌の浸食も引き起こします。
           

ミドリガメ
 最近、さまざまなカメが販売されていますが、ペットとして代表的なカメがミドリガメです。成長すると30cm以上になります。別名、ミシシッピアカミミガメ。
 北海道には本来カメは生息していませんが、池などで捨てられた個体が見つかっています。下痢などを引き起こす細菌(サルモネラ菌)を持っていることがあるので、世話をした後はしっかり手を洗いましょう。
 カメの中でもワニガメやカミツキガメは噛む力が強く危険なので、飼育には注意が必要です。
          

シマリス
 最近、多くのシマリスがペットショップで販売されていますが、これは輸入されたもので、見かけでは本道に生息するエゾシマリスと区別できません。
 野生化した場合にはエゾシマリスと雑種をつくり、エゾシマリス本来の遺伝子が失われるおそれがあります。

プレーリードッグ
 木には登らず地上で生活するリス科の動物です。プレーリーと呼ばれる北アメリカの乾燥した草原地帯で、地中にトンネルのような穴を掘り、そこに集団で暮らしています。
  

フェレット(ヨーロッパケナガイタチ)
 最近、飼う人が増えてきたヨーロッパ原産のイタチの仲間です。ネズミ駆除やウサギ狩り用に飼育されていました。
 野生化した場合には、小鳥などを食べるのでアライグマと同様の被害が起こることが心配されています。不妊手術がされているものを飼うようにしましょう。