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最終更新日:2014年1月29日(水)


男女平等参画推進条例全文


北海道男女平等参画推進条例
 
平成13年3月30日公布
北海道条例 第 6 号
 
 
 
 (前文)
 個人の尊重と法の下の平等がうたわれている日本国憲法の下で、我が国における男女平等の実現に向けた取組は、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約を軸とした国際的な取組と連動して、法制度を整備することにより進められてきた。
 しかしながら、女性に対する暴力やセクシュアル・ハラスメントなどの人権侵害、表面上は異なる扱いをしていないが結果として一方の性に差別的な効果をもたらすいわゆる間接差別を含めた男女の差別的な取扱い及び社会慣習の上での性別による役割分担意識の問題が社会のあらゆる分野において依然として存在している。
 こうした男女平等が完全に実現しているとはいえない状況において、男女が互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる社会の実現は、緊要な課題である。
 このため、私たちは、男女共同参画社会基本法が男女共同参画社会の実現を二十一世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置付けていることを踏まえながら、都市と広大な農山漁村地域が混在する北海道の地域性に配慮しつつ、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、男女平等参画の推進を図っていくことが必要である。
 このような考え方に立って、男女平等参画の推進に積極的に取り組むことにより、男女が平等に社会のあらゆる分野における活動に参画して共に責任を担うとともに政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができる男女平等参画社会を実現するため、この条例を制定する。
 
 
 
 (目的)
第1条 この条例は、男女平等参画の推進に関し、基本理念を定め、並びに道、道民及び事業者の責務を明らかにするとともに、道の基本的施策について必要な事項を定めることにより、男女平等参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的かつ計画的に推進し、もって男女平等参画社会を実現することを目的とする。
 
 (定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一 男女平等参画 男女が、その人権を尊重され、社会の対等な構成員として、社会的文化的に形成され た性別にとらわれず、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されることにより、男女が平等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
 二 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。
 三 セクシュアル・ハラスメント 他の者に対し、その意に反した性的な言動を行うことにより、当該者の就業等における環境を害して不快な思いをさせること又は性的な言動を受けた者の対応により当該者に不利益を与えることをいう。
 
 (基本理念)
第3条 男女平等参画の推進は、男女が共に一人の自立した個人として尊厳が重んぜられること、直接的にも間接的にも男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が共に社会的文化的に形成された性別にとらわれず個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行わなければならない。
2 男女平等参画の推進に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすことにより、男女平等参画を阻害する要因となるおそれがあることを考慮し、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮しなければならない。
3 男女平等参画の推進は、男女が、社会の対等な構成員として、道における政策又は事業者における方針の立案及び決定に平等に参画する機会が確保されることを旨として、行わなければならない。
4 男女平等参画の推進は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、家庭以外の職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野における活動を行うことができるようにすることを旨として、行わなければならない。
5 男女平等参画の推進が国際社会における取組と密接な関係を有していることを考慮し、男女平等参画の推進は、国際社会における取組を踏まえながら行わなければならない。 
 
 (道の責務)
第4条 道は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女平等参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。
2 道は、男女平等参画を推進するに当たっては、国、都府県及び市町村との緊密な連携を図らなければならない。
 
 (道民の責務)
第5条 道民は、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女平等参画の推進に寄与するとともに、道が実施する男女平等参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
 
 (事業者の責務)
第6条 事業者は、事業活動を行うに当たり、基本理念にのっとり、男女平等参画の推進に自ら積極的に取り組むとともに、道が実施する男女平等参画の推進に関する施策に協力する責務を有する。
 
 (性別による権利侵害の禁止)
第7条 何人も、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、性別を理由として直接的にも間接的にも差別的な取扱いをしてはならない。
2 何人も、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、セクシュアル・ハラスメントを行ってはならない。
3 何人も、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、男女平等参画を阻害する暴力的行為(精神的に著しく苦痛を与える行為を含む。)を行ってはならない。
 
 
 
    第1節 基本計画
 
第8条 知事は、男女平等参画の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、男女平等参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 総合的かつ長期的に講ずべき男女平等参画の推進に関する施策の大綱
 二 男女の人権の尊重に関する事項
 三 男女平等参画の普及啓発に関する事項
 四 道が設置する附属機関の委員等の男女の構成割合に関する事項
 五 前各号に掲げるもののほか、男女平等参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 知事は、基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、道民の意見を反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。   
4 知事は、基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ、北海道男女平等参画審議会の意見を聴かなければならない。
5 知事は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 前三項の規定は、基本計画の変更について準用する。
 
 
 (道が設置する附属機関等における男女平等参画の推進)
第9条 道は、その設置する附属機関等の委員等を任命する場合には、積極的改善措置を講ずることにより、できる限り男女の均衡を図るよう努めるものとする。
 
 (施策の策定等に当たっての配慮)
第10条 道は、男女平等参画に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女平等参画の推進に配慮しなければならない。
 
 (道民等の理解を深めるための措置)
第11条 道は、情報提供、広報活動及びあらゆる教育の機会を通じて、基本理念に関する道民及び事業者(以下「道民等」という。)の理解を深めるよう、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、適切な措置を講じなければならない。
 
 (事業者への協力の依頼)
第12条 知事は、必要があると認める場合には、事業者に対し、雇用その他の事業活動における男女平等参画の実態を把握するための調査について、協力を求めることができる。
 
 (調査研究)
第13条 道は、男女平等参画の推進に関する施策の策定に必要な調査研究を推進するよう努めるものとする。
 
 (道民の活動等に対する支援)
第14条 道は、男女平等参画の推進に関し、道民等が行う活動及び市町村が実施する施策を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
2 道は、道民及び民間の団体が行う男女平等参画の推進に関する活動を支援するための拠点となる施設を設置するものとする。
 
 (推進体制の整備)
第15条 道は、男女平等参画の推進に関する施策を総合的かつ効果的に実施するため、必要な推進体制を整備するものとする。
 
 (財政上の措置)
第16条 道は、男女平等参画の推進に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。              
 
 (公表)
第17条 知事は、毎年、男女平等参画の推進状況及び男女平等参画の推進に関して講じた施策の実施状況について、公表しなければならない。
 

第18条 道民等は、男女平等参画を阻害すると認められるものがあるとき、又は男女平等参画に必要と認められるものがあるときは、知事に申し出ることができる。
2 知事は、前項の規定による申出を受けたときは、関係機関と連携し、適切かつ迅速な措置を講ずるものとする。
 
 
 
 (設置)
第19条 知事は、道民等からの男女平等参画に関する申出について、次に掲げる事務を行わせるため、北海道男女平等参画苦情処理委員(以下「苦情処理委員」という。)を置くものとする。
 一 男女平等参画に係る道の施策についての苦情に関する申出に対し、助言をすること。
 二 男女平等参画を阻害すると認められるものに関する申出に対し、助言をすること。
 三 第一号の苦情に係る施策について、関係する道の機関に対し、意見を述べること。
 
 (苦情等の申出)
第20条 道民等は、男女平等参画に係る道の施策についての苦情及び男女平等参画を阻害すると認められるものに関し、苦情処理委員に申し出ることができる。
 
 (助言等)
第21条 苦情処理委員は、前条の規定による申出があったときは、申し出たものに対し、助言を行うことができる。
2 苦情処理委員は、前項の申出が男女平等参画に係る道の施策についての苦情であるときは、関係する道の機関に対し、意見を述べることができる。
 
 (知事への委任)
第22条 この章に定めるもののほか、苦情処理委員の事務に関し必要な事項は、知事が定める。
 
 
 
 (設置)
第23条 男女平等参画の推進を図るため、知事の附属機関として、北海道男女平等参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。  
 
 (所掌事項)
第24条 審議会の所掌事項は、次のとおりとする。
 一 知事の諮問に応じ、男女平等参画の推進に関する重要事項を調査審議すること。
 二 前号に掲げるもののほか、この条例の規定によりその権限に属させられた事務
2 審議会は、男女平等参画の推進に関し必要と認める事項を知事に建議することができる。
 
 (組織)
第25条 審議会は、委員15人以内で組織する。
2 男女いずれの委員の数も委員の総数の10分の4未満であってはならない。
 
 (委員)
第26条 委員は、次に掲げる者のうちから、知事が任命する。この場合において、第五号に掲げる者については、委員の総数の10分の4以内とする。
 一 学識経験のある者
 二 男女平等参画に関係する団体の役職員
 三 事業者を代表する者
 四 市町村の職員又は市町村の連絡調整を図る団体の役職員
 五 公募に応じた者
2 知事は、委員の任命に当たっては、特定の地域に偏らないように配慮するものとする。
3 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
 
 (会長及び副会長)
第27条 審議会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員が互選する。
3 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
 
 (会議)
第28条 審議会の会議は、会長が招集する。
2 審議会は、委員の2分の1以上が出席しなければ、会議を開くことができない。
3 会議の議事は、出席した委員の過半数で決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。
 
 (特別委員)
第29条 審議会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、特別委員を置くことができる。
2 特別委員は、知事が任命する。
3 特別委員は、当該特別の事項に関する調査審議が終了したときは、解任されるものとする。
 
 (専門部会)
第30条 審議会は、その定めるところにより、専門部会を置くことができる。
2 専門部会に部会長を置き、会長が指名する委員がこれに当たる。
3 専門部会に属すべき委員及び特別委員は、会長が指名する。
 
 (会長への委任)
第31条 この章に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
 
 
  附 則
 この条例は、平成13年4月1日から施行する。ただし、第4章の規定は平成13年7月1日から、第3章の規定は同年10月1日から施行する。