スマートデバイス表示はこちら


最終更新日:2015年9月17日(木)

文化振興条例へ

北海道文化振興指針

-地域文化の創造と生活文化圏の構築をめざして-
(平成6年8月10日北海道知事決定)


目次

はじめに

第1章 基本理念

第2章 文化行政の基本的な考え方

第3章 文化振興施策の推進

1 道民の文化活動の促進
2 芸術鑑賞等広く文化に接する機会の拡充
3 文化活動を担う人材の育成
4 文化交流の促進
5 文化環境の整備及び充実
6 歴史的文化遺産の保存及び活用
7 文化性に配慮したまちづくりの促進

第4章 推進体制等の充実


 

はじめに

1 文化振興の目標

 私たちの郷土-北海道には、古くからの歴史的な文化や先住のアイヌの人たちによって培われてきた文化が存在しています。さらに、全国各地から移り住んできた人たちの文化や明治の開拓期におけるアメリカをはじめとする諸外国の影響を受けた文化を受け継ぎ、開放的で多様性のある文化が育まれてきました。
 近年、人びとの生活意識や価値観の多様化などにより、物質的・経済的な豊かさだけではなく、日常の暮らしの中にゆとりや潤いといった「心の豊かさ」が一層求められるようになり、文化に対する関心や期待が高まってきています。これに伴って、道内の各地域でも個性あふれる文化活動が積極的に行われるようになってきています。文化は、人びとの生活の充実とこれからの地域社会の発展にますます大きな役割を果たすようになると考えられます。
 北海道は、鮮やかな四季と雄大な自然に恵まれた地域です。この北海道を道民一人ひとりが心の豊かさを実感できる地域社会とするため、優れた自然環境、独自の歴史、多彩な生活様式などに根ざした個性的な地域文化を創造し発展させていくとともに、すべての人が文化を享受することのできる生活文化圏を築いていくことをめざします。

 

2 北海道文化振興指針の位置付け

 道民の文化に対する関心や期待の高まりに応えていくためには、道が行う様々な文化振興施策を総合的・効果的に推進し、文化行政を積極的に進めていく必要があります。
 北海道文化振興条例は、文化振興に対する道の姿勢や役割を明らかにするとともに、道の文化行政の基本となる事項を定めたものです。
 北海道文化振興指針は、この条例に基づき、道が行う文化振興施策の基本的な方向を明らかにするものであり、今後、この指針に沿って文化振興施策の推進に努めていきます。


 

第1章 基本理念

 道は、地域文化の創造と生活文化圏の構築をめざして、次の基本理念に基づき、文化振興施策を推進し、文化行政の充実を図っていきます。

1 一つひとつのまちを表情豊かにする
 それぞれの地域の特色に応じた多様な文化を掘り起こし、一つひとつのまちを表情豊かにする地域文化を育んでいきます。
 
2 地域を結び地域と世界をつなぐ
 地域間の文化交流や世界の様々な文化とのふれあい・交流を進めることにより、地域と地域を結び、地域と世界をつなぐ文化を育んでいきます。
 
3 自然と共生し伸びやかな文化を育む
 自然とともに生きてきた先人たちの知恵や創意に学びながら、自然を守り、自然と調和のとれた伸びやかな文化を育んでいきます。
 
4 北国らしい文化を発信する
 北海道の自然、歴史、生活様式などに根ざした北国らしい個性的な地域文化を創造し、内外に誇りをもって発信していきます。
 
5 先人の培った文化を受け継ぎ次代に伝える
 先人たちの努力によって培われてきた貴重な文化を受け継ぎ、大切に守り育て、次の世代に伝えていきます。


  

第2章 文化行政の基本的な考え方

 文化の担い手は、一人ひとりの道民であり、道の文化振興施策は、道民が自主的に文化活動にかかわることができる環境をつくっていくことを基本に進めていきます。
 道の文化振興施策は、芸術文化、文化財、生活文化、まちづくり、景観、生活環境、自然環境、産業など広範な分野において、総合的・効果的に進めていきます。
 また、道が実施する様々な施策に人間性、地域性、創造性などの文化の視点を取り入れるよう努めていきます。

《文化振興のための基本的な施策》

道の文化振興施策は、次の事項を基本として推進していきます。
1 道民の文化活動の促進
2 芸術鑑賞等広く文化に接する機会の拡充
3 文化活動を担う人材の育成
4 文化交流の促進
5 文化環境の整備及び充実
6 歴史的文化遺産の保存及び活用
7 文化性に配慮したまちづくりの推進

 

第3章 文化振興施策の推進

 道は、市町村や民間団体等と連携協力及び調整を行うとともに、必要な助言等に努めながら、次の事項を基本に文化振興施策を推進していきます。

1 道民の文化活動の促進

(1)文化活動への参加機会の拡充と参加意欲の向上
 道内の各地域では、地域の特色を生かした様々な文化活動が盛んになってきています。このような道民の文化活動を一層促進していくため、文化活動への支援、文化活動の発表の場の提供など、道民が自主的に文化活動へ参加する機会を拡充し、参加意欲を高めていきます。
 
〈施策の方向〉
○道民の自主的な文化活動の充実を図るため、文化活動を行う団体等に対して支援します。
○道内の各地域の文化活動を支援、促進するため、専門的な立場からの指導、助言が受けられるようなシステムづくりに努めます。
○文化イベントを開催するなど、文化活動の発表の場を拡充します。
 
(2)文化に関する顕彰
 文化活動を行っている人たちの活動意欲や道民の文化に対する関心を高めるため、文化の振興に顕著な功績のあった個人・団体や地域に根ざした文化活動を活発に行っている個人・団体を顕彰していきます。
 
〈施策の方向〉
○文化に関する顕彰を充実します。
 
(3)文化情報の提供
 文化活動を促進するうえで、文化に関する情報の提供は重要な役割を果たしています。このため、文化施設や文化活動などに関する情報を収集して、幅広く提供していきます。
 
〈施策の方向〉
○文化施設や文化活動などに関する情報を収集・提供します。
○生活文化や生涯学習などに関する情報を収集・提供します。

 

 

2 芸術鑑賞等広く文化に接する機会の拡充

 近年、道民の間で芸術鑑賞などの文化的な欲求が高まってきていますが、本道の広域性を考慮して、すべての道民が優れた文化を享受できるようにしていく必要があります。このため、全道的規模あるいは広域的に各種の文化事業を実施するとともに、道内各地域において道民が優れた文化に接する機会を拡充していきます。
 
〈施策の方向〉
○道内の各地域において芸術鑑賞など広く文化に接する機会を拡充します。
○道内の各地域において芸術鑑賞など、文化に接する機会を提供する団体や文化事業に対して支援します。

 

 

3 文化活動を担う人材の育成

 文化を振興するためには、創造性豊かな優れた人材や文化活動に対する意欲を持つ人材を育成していくことが必要です。このため、若手芸術家等の活動支援、文化活動の指導者や専門家等の養成など、長期的な視点に立って計画的な人材の育成に努めていきます。
 
〈施策の方向〉
○地域における文化活動を促進するため、指導者の派遣研修や招へいに対して支援します。
○青少年の行う文化活動に対して支援します。
○市町村の関係職員や文化団体関係者等に対して、文化事業の企画・運営などの研修に努めます。
○若手芸術家等の創作・発表活動等に対する支援に努めます。

 

 

4 文化交流の促進

(1)地域間交流の充実
 様々な地域との文化交流は、文化を発展させ、新しい文化を生み出すとともに、文化活動を活性化させます。このため、道内外の地域との文化交流とネットワークづくりを進めていきます。
 
〈施策の方向〉
○道内外の地域との文化交流活動に対して支援します。
○文化団体や文化施設等の相互の連携を図るため、ネットワークづくりに努めます。
 
(2)世界との文化交流の促進
 地域における国際化が進展し、国際的な文化交流への関心が高まっているなかで、文化活動の質的な向上や新しい地域文化の創造を図るため、世界の各地域と幅広く文化交流を進めていきます。
 
〈施策の方向〉
○姉妹提携州をはじめとする諸外国との文化交流を推進します。
○北海道の文化を海外公演などの文化活動を通じて紹介する文化団体等に対して支援します。
○国際的な文化イベントの開催を推進します。
○海外の芸術家や文化人などによる幅広い文化交流活動に対して支援します。

 

 

5 文化環境の整備及び充実

 道民に優れた文化に接する機会を提供するとともに、北海道の地域文化を創造するためには、文化施設の整備・充実が必要です。このため、文化施設の充実・強化を図っていきます。
 
〈施策の方向〉
○博物館、美術館、図書館、文書館、文学館などの各種の文化施設の機能を高めるとともに、その整備を進めます。

 

 

6 歴史的文化遺産の保存及び活用

 長い歴史の中で生まれ、継承されてきた有形・無形の文化財や生活習慣などに根ざした文化遺産は、北海道の歴史、文化等の正しい理解のために欠くことのできないものであり、将来の文化の向上・発展の基礎となるものです。これを道民すべての財産として調査、保護、活用などに努め、次の世代に引き継いでいきます。
 
〈施策の方向〉
○有形・無形文化財や天然記念物などを含む歴史的文化遺産の調査を進めます。
○歴史的文化遺産の保護と活用を進めます。
○アイヌ民族の文化の保護と継承のため、調査・ 研究や伝承事業などを促進します。
○歴史資料として価値のある文書などを保存利用するため、北海道の歴史を伝える文書などの収集、整理を進めます。
○歴史的文化遺産を保護する団体等の育成、支援や文化財保護思想の普及に努めます。

 

 

7 文化性に配慮したまちづくりの推進

 暮らしの中にゆとりや潤いといった心の豊かさが求められ、生活の質的な向上が重要となってきている今日、美しい街並み、快適な生活環境、自然との共生などに配慮したまちづくりを進める必要があります。このようなまちづくりに対する支援や人材の育成などに努めていきます。
(1)地域文化を生かしたまちづくりの推進
 北海道の各地域では、歴史や文化を核としたまちづくりが積極的に進められています。このような取組みを促進し、個性的な地域文化を生かしたまちづくりを推進していきます。
 
〈施策の方向〉
○地域の自然、歴史、文化等を核としたまちづくりを推進します。
○歴史を生かすまちづくりについて市町村との連携・協力を進めます。
○歴史的建造物や街並みの保存・活用に対して支援します。
 
(2)美しい街並みと景観の形成
 自分のまちに誇りや愛着が感じられる景観や潤いのあるまちづくりが求められています。このため、地域の特性を生かした美しい街並みと景観の形成を推進していきます。
 
〈施策の方向〉
○自然と調和のとれた景観や美しい街並みの形成に努めます。
○優れた景観の形成を図るため、市町村との連携・協力を進めます。
○道民に親しまれ、利用しやすい公共建築物等の整備を進めます。
○緑や花に包まれた個性あふれるまちづくりを進めます。
 
(3)快適な生活環境の創出
 北方型の新しいライフスタイルの確立のため、生活空間の演出など快適な暮らしを実現する生活環境の創出に努めていきます。また、河川や海岸などの周辺環境の整備を進め、快適性に富んだ潤いのある親水空間を創出していきます。
 
〈施策の方向〉
○快適な冬を過ごしていくための生活環境づくりや、北方型住宅の普及啓発を行います。
○農村や漁村における快適な生活環境づくりを進めます。
○人が身近に水に親しめるような、河川や海岸などの周辺環境の整備を行います。
○市町村のまちづくりと一体となった親水空間に富んだ環境機能を維持、増進します。
 
(4)自然との共生
 北海道は豊かな自然に恵まれています。この良好な自然環境を守っていくとともに、自然と共生しながら、自然に親しむ環境の整備を進めていきます。
 
〈施策の方向〉
○良好な自然環境を守るとともに、自然に親しむ機会を増やすため、自然公園などを整備します。
○自然に対する知識と理解を深めるための普及啓発活動を行います。
 
(5)みどりの環境整備
 身近にみどりに親しめる環境の整備が必要です。このため、みどりをつくり育て、みどりを大切にする心を育むなど、地域のみどりづくりを進めていきます。
 
〈施策の方向〉
○日常生活で身近にみどりにふれあえる緑地などの整備を進めます。
○みどりに親しむ拠点となる施設の整備を進めます。
○植樹活動などを通じた普及啓発を行います。

 


 

第4章 推進体制等の充実

1 推進体制の充実

 道民の文化に対する関心や期待の高まりの中で、芸術文化、文化財、生活文化、まちづくり、景観、生活環境、自然環境、産業など、文化行政の対象とする領域が拡大してきています。このような状況に応えて、北海道の文化を振興していくため、文化振興施策を総合的・効果的に推進する体制の整備を図っていきます。
 併せて、道が実施する様々な施策に人間性、地域性、創造性など文化の視点を取り入れるよう、体制の整備や職員の啓発などに努めていきます。
 
〈施策の方向〉
○文化振興に関する重要事項について調査審議及び建議等を行うために、審議会を設置します。
○文化行政の総合的な企画・調整を行う組織の整備・充実を図ります。
○文化振興施策及び文化の視点を取り入れた施策を総合的に推進していくため、各部局や委員会間の連携・調整を行う協議会等の充実を図ります。
○北海道の文化を振興するために、市町村や民間との連携・協力体制について検討します。
○文化の視点を取り入れた施策を推進していくため、職員の啓発などを進めます。

 

2 文化活動への支援体制の充実

 財団の整備や基金の拡充により、実効性のある文化振興施策を推進するとともに、機動的な推進体制を整備します。さらに、企業が行う文化支援活動の奨励などを積極的に行い、道民の自主的・創造的な文化活動を支援していきます。
(1)企業が行う文化支援活動の奨励
 地域社会の重要な構成員として、企業の役割に対する期待が高まってきており、企業の社会貢献活動の一環として、道民の文化活動を支援する取組みが活発になってきています。このような情勢を踏まえ、企業が行う文化支援活動を奨励していきます。
(2)財団の整備
 文化振興施策を機動的・効果的に推進するため、財団を整備します。
 財団は、道民の自主的で幅広い文化活動の支援、文化鑑賞機会の拡充、人材の育成、文化交流の促進に関する事業を進めていきます。
 このような事業の実施を通じて、道と道民、市町村、文化団体等の協力体制を築いていくとともに、北海道の新しい地域文化の創造と文化情報の発信をめざしていきます。
(3)基金の設置・拡充
 道の文化振興施策を、長期的視点に立って安定的に進めるための財源として基金を設置します。
 基金の規模は、当面100億円を目標としますが、さらに充実した文化振興施策を推進できるよう、基金を拡充していきます。

 

文化振興条例へ

 TOPへ