北の縄文 - 遺跡紹介:中野A・B遺跡 ■遺跡の概要 ▲全景 函館空港中野(なかの) A・B遺跡は、津軽海峡を臨む海岸の台地の上に広がる縄文早期の大規模な集落跡です。この両遺跡を合わせ12万平方メートルを超える広さがあり、700軒以上の竪穴住居跡や貝殻文の 尖底土器 ( せんていどき ) など60万点もの遺物が発見されています。両遺跡ともに漁業を生業に、およそ500年間続いた集落と考えられます。 ■特徴的な遺構 竪穴住居跡は、隅丸 ( すみまる ) 長方形で4~5mのものが多く、中には長さ7~8mと大きなものもあります。これらの多くは、同じ場所に長期間にわたって繰り返し造られたため、何重にも重なる形で発見されています。 ▲竪穴住居跡 ▲竪穴住居跡 ■主な遺物 ▲住吉町式土器 貝殻文による幾何学的な文様が付けられた尖底の土器で、 住吉町式土器 ( すみよしちょうしきどき ) や 物見台式土器 ( ものみだいしきどき ) などと呼ばれ、下北半島との交流により持ち込まれた可能性が高いと考えられます。 ▲石錘 網のおもりに使用されたとみられる、偏平な河原石を打ち欠いた 石錘 ( せきすい ) が大量に発見されています。この2万点を超える石錘があったことから、漁業を生業としていたものと推定されます。 ←他の遺跡を見る Copyright(C)2003 Hokkaido Government. All Rights Reserved.