北の縄文 - 遺跡紹介:有珠モシリ遺跡 ■特徴的な遺構 ▲全景 伊達市 有珠 ( うす ) モシリ遺跡は、面積1万平方メートルほどの小島全体が縄文の終わりころから続縄文にかけての貝塚の遺跡で、墓地でもあります。縄文時代のお墓は2ヶ所あり、南海産の腕輪をつけた2人の女性が葬られた墓が注目されました。数多く見つかった続縄文時代のお墓には、本州の埋葬風習がみられたり南海産のイモガイの貝輪が見つかるなど、弥生文化との交流がうかがわれます。 ■特徴的な遺構 ▲続縄文時代の改葬墓 島全体がお墓であり祭祀の場で、住居は陸地にあると考えられます。23ヶ所のお墓の大きな特徴は、 改葬 ( かいそう ) という本州でよく行なわれている埋め直しの風習が見られることです。これは縄文晩期の墓にも見られました。 ■主な遺物 ▲合装された縄文晩期の女性 2人とも20歳くらいの女性で、右腕にはそれぞれ2枚と6枚の南海産の貝輪をはめていました。左の女性には風習的な抜歯があります。 ▲スプーン型の骨角器 続縄文恵山文化の代表的な祭祀道具です。クマの彫刻が特徴的で、祭祀の時の道具と考えられています。 ▲銛先 恵山文化の代表的な猟りの道具で、オットセイやイルカを捕ったと考えられます。彫刻文様が特徴的です。 ▲南海産の貝輪 南海産のイモガイで作られたタテ型の貝輪(右は現生のイモガイ)。弥生時代の権威の象徴のイモガイ製貝輪がどうして北海道にまでもたらされたのかは謎です。 ←他の遺跡を見る Copyright(C)2003 Hokkaido Government. All Rights Reserved.