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最終更新日:2012年7月13日(金)


北の縄文シンポジウム


◆縄文からのメッセージを世界へ-縄文世界遺産推進室◆

北の縄文シンポジウムの開催

 縄文世界遺産推進室では、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の世界遺産登録推進の取組への理解を深めていただくため、平成24年3月24日に、京王プラザホテル札幌(3階「扇の間」)において「北の縄文シンポジウム」を開催し、縄文研究の第一人者の國學院大學の小林達雄(こばやしたつお)名誉教授から、北の縄文文化の価値などについてご講演いただくとともに、株式会社ノーザンクロス代表取締役の山重明(やましげあきら)氏にもご出席いただき、まちづくりという観点からさらに議論を深めていただきました。
 会場には、約170名の方々にお越しいただきました。ご来場いただいた方々に心からお礼申し上げます。

◆基調講演-「北の縄文の世界観とその価値、今後の可能性」
 國學院大學の小林達雄(こばやしたつお)名誉教授から、「北の縄文の世界観とその価値、今後の可能性」と題してお話しをいただきました。

●縄文のはじまり

日本列島を舞台とする歴史は、旧石器時代にまで遡る。この時代の人々は、食料を求めて移動する「遊動的な生活」を営み、自然の一要素として組み込まれていたが、1万5千年ほど前になると、人間は自然から分離独立し定住を始め、自ら必要とする空間を確保して「ムラ」を営むという、縄文革命とも称すべき変化が起こった。そして、「ムラ」の周りには「ハラ」があり、山を越えると「ソラ」が広がる世界観が展開されることとなった。

 

●縄文文化の発展

「ムラ」が成立することにより、働き手が「ハラ」に出かけた後、留守を預かる祖父母が孫子を教育することが可能となり、文化が充実・発展し、また、シカ・イノシシが歩く「ハラ」の光景と対比して、「ムラ」に暮らす自らが「ヒトである」という人間意識を獲得した。さらに、「ムラ」の中での共同作業を通じて社会的な生活が確立した。また、「ムラ」では、そこに暮らす人々が2つのグループに分かれるなど、二項対立の世界観が社会制度に組み込まれ、それがいろいろな場面で働くことにより、縄文文化は活力溢れるものとなっていった。

 

●縄文における自然と人間との関わり

縄文人は、資源が枯渇しないようにするために、多種多様なものを食べるという方針、そして、必要以上に捕獲等を行わない「柵のない牧場経営」と称すべき手法を採用した。このように、「ムラ」は「ハラ」という自然と共存共生していたのであり、縄文における自然との共存共生は、まさに、現代の我々の日本文化のベースになっている。

 

基調講演の模様

基調講演の模様

●縄文の文化的遺伝子

日本列島の歴史において、人間と自然が共存共生するという在り方が1万年以上続いたことによって、文化的遺伝子というものが、日本文化の中に組み込まれた。DNAが人間の体を伝えてきたことに対して、言葉が文化を伝えてきた。例として「オノマトペ」があり、日本語は他の言語より擬音語、擬声語が多いが、これは自然との「共鳴共感」、自然との対話があって可能となるもの。

 

●北海道・北東北の縄文文化~ 先導的な役割

縄文文化は、日本列島全域に広がっていたが、画一的ではなく、各地に個性的な文化圏があり、北東北3県と北海道は、津軽海峡を挟んで1つの文化圏であった。この文化圏は、日本列島全域に広がる縄文文化の先導的な役割を果たしていた非常に重要なものであり、日本の縄文の代表選手として選ばれているもの。そして、縄文文化のコンセプト「自然との共存共生・共感共鳴」が世界に必要とされていることは、多言を要しない。

 

◆対談-「縄文遺跡とまちづくり」
 
「縄文遺跡とまちづくり」と題して、基調講演をいただいた國學院大學の小林達雄(こばやしたつお)名誉教授と株式会社ノーザンクロス代表取締役の山重明(やましげあきら)氏にご対談いただき、まちづくりという観点からさらに議論を深めていただきました。

 

●縄文文化から現代への示唆

(山重氏) 縄文時代の集落、家族、自然と人間との関係の在り方には、現代社会が抱えるさまざまな問題を考える際のヒントや再確認すべき哲学が多く含まれていると思うが、先生のお考えをお聞かせください。

(小林氏) 祖父母が孫子を教育した縄文の生活や、炉が中心に1つあり周りを壁で囲まれた一部屋づくりの竪穴住居を、家族のあり方を考えるキッカケにするべきではないかと考える。また、日本文化は自然と共鳴共感してきた。これは世界に誇るべきもの。今まで、動植物を害虫や益虫、害獣や益鳥などに安易に区分していたが、可能な限り、害虫や害鳥や害獣も共存できるような自然を構築すべき。

 

●北海道・北東北の縄文文化(地域のアイデンティティ)

(山重氏) 北海道と北東北の「津軽海峡文化圏」は、縄文文化の先導的な役割を果たした地域であるというお話について、もう少しご説明をお願いします。

(小林氏) 北海道の縄文の意味を改めて認識することで、地域のアイデンティティが醸成されると思われる。大切なのは、それを目で見て確認する、形に示すことであり、縄文デザインをいろいろなところに掲示・展示し、新千歳空港でも縄文文化やアイヌ文化を展開するべき。重要なのは、経済効果や経済効率性とは異なる観点「腹や銭の足しにならないが、心や頭の足しになる」というようなことを実施していくということ。

 

対談の模様

山重氏          対談の模様         小林名誉教授

 

●北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録に向けて

(山重氏) 今後、世界遺産登録に向けて、世界にアピールしていくに当たってのご助言をお願いします。

(小林氏)縄文は、国際的には非常に高く評価されているので、必ず世界遺産に登録されると思う。登録をより確実なものにするためには、北海道全体で力をあわせること、つまり、世界遺産登録推進の支持者になっていただければ、それが事務を進める担当者にとっての力になり、その熱意はユネスコの本部にも伝わるということになる。

 

●最後に

(山重氏) 北海道遺産運動も、縄文遺跡群の世界遺産登録も一過性ではなく、地域の中に根付かせ、次の世代に伝えていく、それを受け継いでいく活動が地域づくりにとって一番大切なのではないかと考える。北海道に住む我々にとって本当に価値のある縄文文化が、何百年後、あるいは何十世紀後も継承されていくために、どのような活動を地道に続けていかなければならないか、考えていかなければならない。


〈詳しくはこちらをご覧ください〉
   ◆ご講演およびご対談内容  ◆配布資料(レジュメ等)    ◆チラシ(ご講演者等ご略歴など)

 

◆アンケート結果

 今後の事業推進の参考とさせていただくため、ご来場の方々に実施いたしましたアンケートの結果は次のとおりです。ご回答いただきました方々に厚くお礼申し上げます。

 

●ご回答いただいた方々

 アンケートにご回答いただいた方々の年齢・性別は次のような構成でした。 

   10代 20代 30代 40代 50代 60代以上   計  
 男性

 1

 

 

 3

 10

 26

 40

 女性

 1

 1

 

 5

 6

 7

 20

計 

 2

 1

 

 8

 16

 33

 60

●シンポジウムを知ったきっかけ

回 答 

回答数

備  考 

チラシ 

 5

 
新聞広告 

 26

道庁HP、口コミとの重複回答1名
道庁HP 

 4

道庁ブログとの重複回答1名 
道庁ブログ 

 3

道庁メルマガとの重複回答1名 
道庁メルマガ 

 2

 
フェイスブック 

 1

口コミとの重複回答1名 
口コミ 

 17

道庁HPとの重複回答1名 
その他 

 6

※1 
無回答 

 1

 

計 

 65

 

※1 回答内訳 「開拓記念館「北の土偶」展」3名、「北の縄文道民会議」1名、「家族から」1名、「記載なし」1名

●シンポジウムの内容について

回 答

回答数

備考

良かった

 40

 
普通

 11

 
もの足りなかった

 5

※2
無回答

 4

 

計 

 60

 

※2 「もの足りなかった」と回答された方のご意見の内訳は以下のとおりです。やはり縄文文化へのご関心の高さがうかがわれます。

・小林先生のお話をもっと聞きたいです。

・小林先生には、縄文の中の北海道について的を絞って語ってほしかったです。

・もっとお話を伺いたかったです

・時間が足りないです。シンポジウムとしてはよかった。遺産登録への必然性をもう少し具体的に聞きたかったです。

・スライド等で説明してほしかったです。

●世界遺産登録への取組についての知識

 回 答

回答数
知っていた

31

一部知っていた 

19

今日知った 

10

60

●主なご意見、ご感想等

(講演等に関するご意見)

・縄文デザインの話が良かったです。

・改めて縄文文化について考えました。縄文人の生活には、震災を経験した日本人が学ぶべきことが多いと感じました。これは日本人が本来持ち合わせている精神性であり、世界遺産登録はそれを世界に発信するということなのではないかと思いました。また、北海道・東北の縄文文化についても再認識しました。

・小林先生には縄文の生活を分かりやすく語っていただき勉強になりました。青森の三内丸山遺跡は2度訪問しましたが、今度は函館の大船遺跡に行ってみたいと思います。

・縄文のライフスタイルがよく分かりました。小林先生のお人柄が伺われ、面白かったです。縄文人のシャーマニズム的な祈りについて知りたかったです。

・勉強になりました。世界遺産登録を応援します。

・大変よかったです。次回も期待しています。

・是非これからも参加したいと思っています。いろいろな先生のお話を聞きたいです。

・大変勉強になりました。今回の続編等のシンポジウムの開催を期待しております。

・内容は良かった(対談は特に良かった)ですが、時間が足りないように思います。

・小林先生の講演が短かったです。

・縄文文化の話しをもう少し長く聞きたかったです。

・質疑応答の時間を確保されてはいかがでしょうか。

・内容的にはよいと思いこのイベントに参加しましたが、少々難易度が高かったです。

 

(今後必要と思われる取組等に関するご意見)

・身近にある文化が世界的に認められるということを意識するような活動も必要です。

・縄文の普及宣伝を行い、皆で一丸となって、誰でも縄文を語れるようにすべきと思います。縄文を知る人はまだまだ一部の人に限られているような気がします。

・北の縄文文化が貴重なものであるという認識が、未だ一部の人々に留まり、外部への情報発信が圧倒的に少ないと思います。

・縄文の魅力を、もっと道民や旅行者に分かるように伝えてほしいと思います。

・縄文発信のイベントを今後も開催されるようお願いしたいです。

・地下歩行空間でもパネル展を開催してほしいと思います。

・このようなシンポジウムを、数多く開催してほしいと思います。

・学術シンポジウムを定期的に開催してほしいと思います。

・世界遺産に登録されるよう願います。小林先生のお話しを定期的にお聞きしたいと思います(特に登録までの間、小林先生の研究を何度かに分けて)。

 

(その他のご意見)

・「おらが国」の縄文が世界遺産に登録されることを望みます。

・身近な地域づくりと結びついて、縄文が花開くとよいと思います。

・小林先生のご見解とおり、北海道に、「心のたし」になる(縄文)文化構築を望みます。

・北東北の縄文遺跡群のことも取り上げていただく機会があればよいと思います。

・江別の遺跡群についても含めていただきたかったです。

・北海道には歴史がないとよく聞きます。私も、北海道には、開拓使が移住するまではアイヌの人々が住んでいたという程度のことしか知りませんでした。古代からずっと歴史が続いているということを子どもたちにも教えてほしいです。

・「縄文」というと、原始、博物館の中だけのものというイメージが未だに強いです。「縄文」が「アイヌ」や「東北先住民エミシ」と極めて関係深いこと、さらに日本のベースになっていることも合わせてPRすれば、より広い支持が得られると思います。

 今回も、縄文文化や世界遺産登録へのご関心の高さがうかがわれるご回答・ご意見を多数いただきました。これからも、縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取組を推進して参りますので、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

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