スマートデバイス表示はこちら

ホーム > 環境生活部 > 文化・スポーツ局文化振興課 >  「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界文化遺産登録推進フォーラム

北海道の分類: 教育・文化  > 文化・芸術・スポーツ > 文化財

最終更新日:2016年2月03日(水)

◆縄文からのメッセージを世界へ―縄文世界遺産推進室◆

「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界遺産登録推進フォーラム2015 伊達

「地域のたから・縄文遺跡群」を開催しました。

 

平成27年11月に伊達市で開催した世界遺産登録推進フォーラム函館は無事終了しました。
 
基調講演「縄文遺跡と世界遺産の可能性」 北海道博物館館長 石森秀三 氏 
 
 
石森先生のご講演 石森先生講演会場の様子
            講演中の石森先生                講演会場の様子
 
パネルディスカッション「地域のたから・縄文遺跡群をどのように活用し発信していくか」
 
コーディネーター 伊達市教育委員会 青野友哉 氏
パネリスト     長野県長和町教育委員会 大竹幸恵 氏
            青森県三内丸山応援隊会長 一町田 工氏
            (株)シィービーツアーズ代表取締役社長 戎谷侑男 氏
 
パネリスト  パネルディスカッション会場の様子
 
          パネリストの方々                   会場の様子    
 
来場者アンケートの結果(回答数43)
 
年齢 20代以下:4、30代:1、40代:4、50代:6、60代:14、70代以上:14
性別 男性:26、女性:17
住所 伊達市:22、札幌市:5、室蘭市:10、登別市:3、洞爺湖町:1、豊浦町:1、浦河町:1
フォーラムの内容 良かった:31、まあまあ良かった:8、普通:3、ややもの足りなかった:1
ご意見
 ・基調講演が良かった
 ・基調講演とパネルディスカッションのつながりが弱い
 ・パネルディスカッションでは熱意が伝わった
 ・日本中の縄文遺跡と交流することは大切である
 ・縄文遺跡をもっとPRする必要がある
 
 
 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 

◆縄文からのメッセージを世界へ―縄文世界遺産推進室◆

「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界文化遺産登録推進フォーラム2015 伊達

「地域のたから・縄文遺跡群」

1.日時 平成271129日(13:3017:00
2.会場 だて歴史の杜カルチャーセンター(伊達市松ヶ枝町34-1

     地図はこちら(伊達市のページへ)

3.内容

 (1)あいさつ・趣旨説明(13:3013:45) 北海道・伊達市

 (2) 基調講演

 「縄文遺跡と世界遺産の可能性」(13:4514:45

  北海道博物館館長 石森秀三 氏

 (3) パネルディスカッション

 「地域のたから・縄文遺跡群をどのように活用し、発信していくか」

 (15:0017:00

 ●趣旨説明(15:0015:05  伊達市教育委員会 青野友哉 氏

 ●事例発表(15:0516:05

  「長野県長和町の取組み」(15:0515:35

   長野県長和町教育委員会 大竹幸恵 氏

  「青森県三内丸山遺跡の取組み」(15:3516:05) 

   三内丸山応援隊会長 一町田工 氏

 ●ディスカッション(16:0517:00

  ・コーディネーター 伊達市教育委員会 青野友哉 氏

  ・パネリスト 長野県長和町教育委員会 大竹幸恵 氏

         三内丸山応援隊会長   一町田工 氏

         ()シィービーツアーズ代表取締役社長 戎谷侑男 氏

 

世界遺産フォーラム2015伊達チラシ

チラシおもて(PDFファイル)  チラシうら(PDFファイル) 

4.主催
 縄文遺跡群世界遺産登録推進本部

5.共催

 伊達市教育委員会

 

6.後援

 北海道縄文のまち連絡会・北の縄文道民会議

 

7.お問い合わせ
 北海道環境生活部くらし安全局文化・スポーツ課縄文世界遺産推進室
 電話:(011204-5168 FAX:(011232-8695
 電子メール:kansei.bunspo1pref.hokkaido.lg.jp(※ ●を@に置きかえて下さい。)

 

※道民カレッジ連携講座です。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆縄文からのメッセージを世界へ―縄文世界遺産推進室◆

「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界文化遺産登録推進フォーラム2014 函館

「津軽海峡をめぐる縄文文化」を開催しました。

 

平成26年10月に函館市で開催した北の縄文パネル展 2014 秋・函館、世界遺産登録推進フォーラムは無事終了しました。 

北の縄文パネル展 2014 秋・函館◇

 

函館北の縄文パネル展縄文クイズの様子  函館北の縄文パネル展子供たちに人気のさんまるくん

          人気の縄文クイズコーナー                   こどもたちは「さんまるくん」が大好き

 

 北の縄文パネル展 2014 秋・函館では多くの買い物客に見学していただきました。縄文クイズは児童・生徒を中心に多くの方がチャレンジし、青森県三内丸山遺跡のマスコット、「さんまるくん」は子供たちに大人気でした。

 

函館北の縄文パネル展セミナーの様子

北の縄文セミナー「函館市と渡島の縄文遺跡群」の様子

 北の縄文パネル展会場で開催されたセミナーは30名程度が参加されました。中には遠方から駆けつけた方もおりました。

 

◇世界遺産登録推進フォーラム

 

岡村先生講演の様子 函館フォーラムミニ展示の様子

                 講演の様子                              会場内ミニ展示

 

 10月5日に開催された世界遺産登録推進フォーラムは90名程度が参加されました。

 講師の岡村先生は、講演の中で世界遺産を目指す縄文遺跡群がなぜ北海道・北東北に限られるのかについて、次の8点を指摘しました。

 

(1)強い文化的なまとまりを示す。

(2)遺跡の数と規模も大きくインフラも整備されていた。

(3)海洋適応(漁具漁法)と鮭漁が盛んであった。

(4)もの作り、特に漆工芸が早くから発達した。

(5)環状列石や多種多量な祭祀具や葬送・送り祭祀も発達した。

(6)文化圏・領域内物流とヒスイなどが集中(求心力)した。

(7)里山を含む周囲の自然環境と共に、集落跡が開発を免れて現代まで良く保存されている場合が多い。

(8)層位が発達して季節的に多種多様な動植物質資料を残している貝塚や低湿部をもつ集落も多く、豊かな情報量と保存活用の信頼性が高く、将来の活用の可能性も大きい。

 

そのうえで、

 

1.津軽海峡文化圏は、先史時代の東北アジアに分立していた文化圏の内、最も安定した定住と自然と共生した文化を発達させていた文化圏であった。

2.縄文文化は日本文化・アイヌ文化の基層文化であり、人類の将来のために学ぶべき文化である。

 

 とまとめました。

 

◎・・・講演要旨はこちら(PDFファイル)・・・◎

 

今後とも道内各所で展示会などを開催しますので、是非お立ち寄り下さい。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◆縄文からのメッセージを世界へ―縄文世界遺産推進室◆

「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界文化遺産登録推進フォーラム2014 函館

「津軽海峡をめぐる縄文文化」

1.北の縄文パネル展 2014 秋・函館
 (1)日時 平成26年10月1日(水)~4日(土)10:00~21:00
 (2)会場 函館ショッピングセンターポールスター(函館市港町1丁目2-1)・・・地図はこちら
 (3)内容 世界遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の解説パネルを展示
     
 ◆10月4日(土)は北の縄文クイズコーナーも設置!!
      ◆10月4日(土)には三内丸山遺跡の「さんまるくん」もやってくるよ!!
 (4)縄文セミナー
   日時 
10月4日(土)13:00~14:00
   内容 「函館市と道南の縄文遺跡」 

   講師 福田裕二氏(函館市教育委員会生涯学習部文化財課主査)

さんまるくん

さんまるくん

2.フォーラム
 (1)日時 平成26年10月5日(日)13:00~16:00
 (2)会場 ロワジールホテル函館(函館市若松町14-10)・・・地図はこちら
 (3)内容 ●あいさつ・趣旨説明(13:00~13:15)

        ●講演 「津軽海峡圏の縄文はここがスゴイ!」 (13:15~14:15)
         講師 岡村道雄氏(元文化庁主任文化財調査官)

        ●事例発表 津軽海峡をめぐる縄文時代の交流(14:30~15:30)
        ・「森町鷲ノ木遺跡からみた津軽海峡圏の環状列石について」
           高橋 毅氏(森町教育委員会社会教育課主任) 
        ・「函館市内の遺跡からみた交流」(主に本州から北海道へ)
           阿部千春氏(函館市縄文文化交流センター館長)
        ・「青森県三内丸山遺跡からみた交流」(主に北海道から青森県へ)
           小笠原雅行氏(青森県教育庁文化財保護課文化財保護主幹)

        ●まとめ・質疑応答(岡村道雄氏)(15:30~15:50)

◆縄文遺跡群 ミニ博物館(会場内特設ブース)(12:00~13:00,16:00~16:30)◆
  函館市、森町、青森県教委による出土遺物の展示・解説もあります。

◆チラシはこちら◆(PDF形式)

世界遺産登録推進フォーラム2014函館チラシ

■講師紹介
1948年 新潟県上越市に生まれる。1974年 東北大学大学院文学研究科修士課程修了。同年 東北大学文学部助手。1978年 東北歴史資料館考古研究科技師。1987年 文化庁文化財部記念物課埋蔵文化財部門文化財調査官、1993年 同主任文化財調査官。2002年 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所協力調整官、2006年 同企画調整部長、2008年 同研究所退職。現在は奈良文化財研究所名誉研究員、宮城県東松島市奥松島縄文村歴史資料館名誉館長。
主な著書に『縄文遺跡の復元』(共著、学生社2000年)『縄文の漆』(同成社2010年)『縄文人への伝言』(集英社新書2014年)等がある。また、『漫画版 日本の歴史1』(集英社2007年)も監修する。

フォーラム岡村講師

岡村講師

3.主催
 縄文遺跡群世界遺産登録推進本部

4.お問い合わせ
 北海道環境生活部くらし安全局文化・スポーツ課縄文世界遺産推進室
 電話:(011)204-5168 FAX:(011)232-8695
 電子メール:kansei.bunspo1●pref.hokkaido.lg.jp(※ ●を@に置きかえて下さい。)

※道民カレッジ連携講座

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ユネスコ世界遺産暫定一覧表記載「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けて

世界文化遺産登録推進フォーラム

◆札幌市で国際シンポジウムを開催

 北海道・青森・岩手・秋田の4道県と関係12市町で構成する「縄文遺跡群世界遺産登録推進本部」は、昨年度に続き4道県と東京都内の計5会場で「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の価値とその世界遺産登録の意味を参加者とともに考えるフォーラムを開催しております。

 今年度の北海道会場は、昨年度の青森会場に続き、国際的合意形成促進事業のために招かれた海外専門家の発表を中心とした国際シンポジウムとして平成24年9月17日(月、祝)に札幌市において文化庁との共催事業として開催され、道内を中心に197名の方々にご参加いただきました。このページではその内容の概略をご紹介いたします。

昨年9月に開催された国際シンポジウム(札幌市)の模様

 平成24年9月に開催された国際シンポジウム(札幌市)の模様

 

◆主催者・日時・会場など

主催 ◆ 文化庁/縄文遺跡群世界遺産登録推進本部

後援 ◆ 北の縄文回廊づくり推進協議会/北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録をめざす道民会議

日時 ◆ 平成24年9月17日(月、敬老の日) 13時から16時40分まで

場所 ◆ ホテル「ロイトン札幌」3階「ロイトンホール」(札幌市中央区北1条西11丁目)

高橋知事による開会挨拶

高橋知事による開会挨拶

 はじめに縄文遺跡群世界遺産登録推進本部副本部長である北海道の高橋はるみ知事が主催者挨拶を行いました。

 ただいま御紹介いただきました、地元北海道の知事であり本部副本部長を兼ねております高橋でございます。縄文遺跡群世界遺産登録推進国際シンポジウムがこうして多くの皆様方御参加のもと、盛大に開催することができましたことを大変うれしく思う次第でございます。また国内外からご来道いただきました専門家の皆様方を心より歓迎を申し上げます。

 日本列島の中でも縄文遺跡が数多く分布する北海道、青森県、岩手県そして秋田県の4道県は、世界自然遺産「知床」や「白神山地」など、はるか太古の時代から引き継がれた美しい自然が今なお多く残る地域でございます。私たちの祖先は今から約1万5千年もの前にこの豊かな自然の恵みを受け、縄文文化という今日の日本の礎となる文化を築いたわけであります。
 縄文文化は世界に先駆けて土器を生み出すとともに、世界史上においても類を見ないほど自然と人間が共生をした文化と言われております。この文化を具体的に物語る縄文遺跡群は、人類共通の宝として未来へ伝えていくことが重要であると、このように認識をし、4道県そして関係の市や町が連携をし、世界遺産登録を目指した活動を進めているところでございます。
 本日の国際シンポジウムも世界遺産への登録に向けて、縄文遺跡群の価値を国内外にアピールするものであります。ご出席の皆様方におかれては、縄文文化とその遺跡に対する理解をより一層深めていただければ大変幸いでございます。また、世界に向け「北の縄文文化」の価値を強くアピールできるものと期待を致しております。

 終わりになりますが、本日のこのシンポジウムの開催に御尽力をいただきました関係者の皆様方に深く敬意と感謝を申し上げるとともに、本日ご出席の皆様方におかれましては、この縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた取組に一層のご理解、そしてご支援、そういったものをいただけますよう心からお願い申し上げ、私の冒頭のご挨拶とさせていただきます。

◆シンポジウム内容

1 海外専門家による発表 

 シンポジウムでは、まず海外から招かれた4名の専門家が、それぞれの視点から縄文遺跡群の世界遺産登録に関連した発表を行いました。

 ダグラス・コマー Douglas C. COMER 氏(米国)は「世界における縄文遺跡群の価値」と題して発表しました。氏は文化遺産の調査や管理を業務とするCultural Site Research and Managementの代表であり、国際遺跡記念物会議(ICOMOS)の設置した考古学遺産管理委員会(ICAHM)の共同委員長を務めています。

 コマー氏は世界遺産条約の内容や世界遺産登録・保護の制度、またその中で考古遺跡の登録審査や保存・管理についてICOMOSやICAHMが果たしている役割などを紹介したあと、縄文遺跡群の登録のために必要な「顕著な普遍的価値」の内容や、適用可能な登録基準について自らの見解を述べました。
 また、特にICHAMの委員長として氏が懸念している問題として、世界遺産となった考古遺跡が来訪者の激増や周囲での観光開発などによりさまざまなダメージを受けている実態を紹介しながら、縄文遺跡群をそうしたダメージから守るため日本がどのような管理の方法・体制を提示するかが注目されており、それが各国の模範となることを期待する、と述べて発表を締めくくりました。

 続いて、グアム大学ミクロネシア地域研究センター長のジョン・ピーターソン John A. PETERSON 氏(米国)が「縄文遺跡と気候変動」の題目で発表しました。氏もまたICHAMの委員を務め、米国や太平洋地域の先史文化・先住民文化遺産の保護に関する多くの業績があります。

 ピーターソン氏は自らがグアム島で行っている先史遺跡の調査を例にとりながら、西太平洋のこの地域において過去6,000年ほどの期間に約2mに達する海水準の変動が確認されたことを紹介し、それはときに急激な海岸線の移動を含む間歇的な変動の過程であること、また約3,500年前に人類がこの島に居住するようになって以来そうした変動への対応を迫られてきたことを説明しました。
 ここで氏は、現代の人為的な地球温暖化により過去の歴史にもない急激な海面上昇の起こることが懸念され、実際この数十年の間に深刻な浸食が見られることに言及したうえで、そうした問題に直面する人類にとって、1万年以上の期間にわたり大きな環境の変動に対応して存続した縄文文化が多くの示唆を与える可能性があり、縄文遺跡群に認められる気候変動への適応の証拠が世界遺産としての価値の重要な要素となることを指摘しました。

海外専門家の発表

海外専門家の発表(左上:COMER、右上:PETERSON、左下:DUNNING、右下:劉の各氏)

 休憩を挟み、主に欧州で考古遺跡の調査や管理のための事業を展開するArchaeoConcept社の代表であるシンティア・ダニング Cynthia DUNNING THIERSTEIN 氏(スイス)が「見えない遺跡の保護」と題して発表しました。ダニング氏もICHAMに参加しており、その専門委員 Expert Member として活動しています。

 2011年に世界遺産となった「アルプス周辺の杭上住居跡群」の登録にたずさわったダニング氏は、木材や繊維の遺存により欧州の初期農耕文化についてきわめて重要な情報を提供する湖底・低湿地遺跡群について紹介しながら、同時にこの6箇国156遺跡にまたがる連続性のある資産 serial nomination の持続的な管理・活用のために積み重ねられた国際・国内調整機関や事務局の整備、行政や住民との連携、官民のパートナーシップや資金獲得といった努力を説明しました。
 地上からは見えない湖底や地下の遺跡の価値を明らかにし、国家間・国内・地域の各レベルでその保護に理解と参加を得るため、調査成果の公開・普及に非常な努力を傾注している事例として、縄文遺跡群の登録推進の取組にとって学ぶべきものの多い内容でした。

 最後に、中国社会科学院考古研究所考古学センターの劉 國祥 LIU Guoxiang 副所長が「中国東北部における先史文化の様相」について発表しました。劉氏は、青森県が三内丸山遺跡との比較研究を目的に参加した中国内モンゴル自治区興隆溝(こうりゅうこう)遺跡における日中共同の考古学調査などにも携り、縄文文化を含む日本の先史文化についても造詣の深い研究者です。

 劉氏は遼寧省と内モンゴル自治区を中心に分布する興隆窪(こうりゅうわ)文化(約8,200~7,200年前)と紅山(こうざん)文化(約6,500~5,000年前)の調査状況について解説し、興隆窪文化については雑穀種子の確認を通じて中国東北地方における農耕の出現が非常に古いこと(縄文早期の年代に相当)が立証されたこと、またすでに玉製品(耳飾など)が発生していることなどを紹介しました。
 また紅山文化については、牛河梁(ぎゅうかりょう)遺跡群における「女神廟」や、墳墓を含む石積みの構造物、多様な玉製品などの発見を説明し、高度な技術・社会の階層化・記念物の建造といった文明の指標がはっきりと出現していることを指摘したうえで、そうした農耕を基盤とした文明の要素に比較できるものが農耕を持たない縄文文化の中にも見られることに触れ、両者の比較研究が重要であることに言及しました。
 

2 登録推進事業の報告と国際会議の総括

 専門家の発表に続き、青森県教育庁文化財保護課長で縄文遺跡群世界遺産登録推進会議の座長を務める岡田康博(おかだ やすひろ)さんが「「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」と世界遺産登録の取組」と題して報告し、縄文遺跡群の概要や重要性、世界遺産登録までの手続や準備の進み具合などについて説明しました。

 世界遺産に求められる「顕著な普遍的価値」の明文化や適用する登録基準の検討など、国からユネスコに提出される推薦書案の準備が進んでいること、15遺跡で出発した縄文遺跡群にさらに3つの遺跡の追加が検討されていることなども説明され、登録推進本部が目標としている平成25年度のユネスコへの推薦を控えて、暫定一覧表への記載後に始まった本格的な登録推進事業がいままさに山場を迎えている現状が紹介されました。

岡田座長の報告と菊池委員長による総括

岡田推進会議座長の報告(左)と菊池委員長による総括(右)

 最後に、「国際会議の概要及びまとめ」と題して登録推進本部が設置した「縄文遺跡群世界遺産登録推進専門家委員会」で委員長を務める菊池徹夫(きくち てつお)早稲田大学名誉教授が登壇し、9月9日(日)から17日午後のシンポジウム直前まで連続9日間にわたった海外専門家と登録推進会議・同専門家委員会、文化庁の文化財調査官らによる構成資産視察・意見交換の内容を紹介しました。

 菊池委員長は、まず北海道・北東北を中心とした地域の住民の関心と熱意こそが縄文遺跡群登録推進の根拠であることを指摘しました。そして海外専門家の縄文遺跡群への高い関心、好意的な評価に勇気付けられたことを紹介したあと、縄文遺跡群の本質や特性について共通理解が得られ、農耕・牧畜によらず多様な自然の資源を利用しながら定住生活を維持し、また1万年以上にわたって環境の変動や災害を克服しながら自然と共生しつつ、しかも高い精神性を達成したことが、縄文遺跡群の「顕著な普遍的価値」の核心として主張されるだろう、との総括を示しました。
 さらに、菊池委員長は遺跡の調査・整備・管理などのありかたについても海外専門家から多くの貴重な意見が得られたことを解説し、今回の会議が世界遺産登録のための準備に非常に重要な意義を持つものとなったことを指摘して、今年度のフォーラムを締めくくりました。 

 その他

◆ 今回のシンポジウムにあわせ、会場受付周辺で「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」を紹介するパネル展を開催し、遺跡群を構成する各遺跡の特色や重要性について紹介しました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ユネスコ世界遺産暫定一覧表記載「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けて

◆第2回国際会議を開催

 

  平成24年9月、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の世界遺産登録に向けた国際会議が開催されました。これは、広く海外の専門家の理解と助言を得て、登録推進を効率的に進めることを目的とした「国際的合意形成促進事業」の一部をなすものであり、平成22年・23年に続き文化庁と「縄文遺跡群世界遺産登録推進本部」の共催により実施されました。平成22年度は海外専門家1名を招いての意見交換が行われましたが、23年度からは複数の専門家の参加による国際会議として実施され、今年度はその第2回にあたります。
 今回招かれたのは、世界文化遺産の登録に際して資産の現地調査等を担当する世界記念物遺跡会議(ICOMOS)の関係者を含む3箇国からの専門家4名で、9月9日(日)から17日(月)までの9日間にわたった事業には文化庁記念物課、縄文遺跡群世界遺産登録推進専門家委員会及び同推進会議を中心とする関係者が出席し、最終日には海外専門家による発表を中心とした公開シンポジウムも開催されました。

海外専門家らによる北黄金貝塚の視察

海外専門家らによる伊達市北黄金貝塚の視察(9月14日)

 

◆事業の内容

 今回会議のため来日した海外専門家は次の方々です。

ダグラス・コマー Douglas C. COMER (アメリカ合衆国)
Cultural Site Research and Management代表/世界遺跡記念物会議考古学遺産管理委員会(ICAHM)共同委員長

ジョン・ピーターソン John A. PETERSON (アメリカ合衆国)
グアム大学ミクロネシア地域研究センター長/ICAHM委員

シンティア・ダニング Cynthia DUNNING THIERSTEIN (スイス連邦)
ArchaeoConcept代表/ICAHM専門委員

劉 國祥 LIU Guoxiang (中華人民共和国)
中国社会科学院考古研究所考古学センター副所長

 コマー博士とピーターソン博士は昨年に続いての出席で、世界記念物遺跡会議(ICOMOS)が設置した国際学術委員会の一つであるInternational Comittee for Archaeological Heritage Management(ICAHM)の共同委員長及び委員を務め、考古遺跡の保存・管理をめぐる国際情勢に大変明るい方々です。
 また、ダニング博士は2011年に世界遺産となった「アルプス周辺の杭上住居跡群」の登録に重要な役割を果たし、やはり考古遺跡の調査や保護に多くの業績があります。さらに、劉博士は中国東北部の新石器文化の調査経験が豊富で、年代的にこれらと平行する日本の縄文遺跡群にも造詣の深い研究者です。 

森町鷲ノ木で新たに発見された配石遺構を視察する海外専門家

森町鷲ノ木遺跡で新たに発見された配石遺構の説明を受ける海外専門家(9月14日)

 9月8日に来日、青森市入りした各専門家は登録推進会議の岡田康博座長の出迎えを受け、翌9日に同市内で登録推進専門家委員会の菊池徹夫委員長・岡村道雄委員と合流。縄文文化や日本の文化財保護制度、今回会議のテーマなどに関する説明を受けたあと、構成資産15遺跡の全てと、構成資産への追加が検討されている3遺跡、さらに縄文文化の主要な遺物を展示している施設などを精力的に視察しました。
 9日から12日まで北東北3県内をめぐったのち、13日には北海道に渡り、同日史跡大船遺跡(函館市)・史跡垣ノ島遺跡(函館市、追加検討中)を視察。14日に史跡鷲ノ木遺跡(森町)、史跡入江・高砂貝塚(洞爺湖町)と史跡北黄金貝塚(伊達市)、15日には史跡キウス周堤墓群(千歳市、追加検討中)を訪れ、各市・町の職員から説明を受けながら遺跡の特徴や調査・整備内容、ガイダンス施設などの現状を確認しました。また10日には登録推進専門家委員会の小林達雄委員、13日には同じく平澤毅委員が合流し、海外専門家に同行しながら縄文遺跡群をめぐる様々な問題について随時意見交換を行いました。

 一行は15日に札幌市内に入り、16日から17日午前にかけて上記の先生方に登録推進専門家委員会の辻誠一郎と西村幸雄の両委員、また主催者として文化庁記念物課の文化財調査官及び登録推進会議幹事が加わり、議題を設定しての本格的な意見交換が行われたあと、17日午後に公開の「縄文遺跡群世界遺産登録推進国際シンポジウム」を開催して9日にわたる日程を終え、4名の海外専門家は翌日新千歳空港から帰途につきました。

◆専門家との意見交換

 9月16日・17日に札幌市内で開催された意見交換会では、登録推進専門家委員会の菊池徹夫委員長の司会により海外専門家と文化庁をはじめとする国内関係者との同時通訳を介した意見交換がおこなわれました。
 まず4人の海外専門家にに視察後の感想を尋ねたあと、ダニング博士が「世界遺産アルプ山脈周辺の先史時代の杭上住居群」と題して2011年に実現したこの先史時代遺跡群の登録の経過について紹介し、年代や埋蔵文化財としての性格の点で縄文遺跡群に類似したこの資産における「評価基準」の適用や資産構成の考え方、緩衝地帯の設定などについて解説しました。

 続いて、世界遺産登録への準備のために重要な次の3つのテーマに沿って意見交換が進められました。
(1) 縄文遺跡群の場合、世界遺産に求められる「評価基準」のうち、どれに合致していると主張できるか。
(2) 構成資産の構成・選択は適正か、また世界遺産に求められる真正性・完全性は主張できるか。
(3) 登録の結果保護・保全の対象となる資産 property および緩衝地帯buffer zone の範囲・保護制度等は適正か。

 評価基準への合致については、昨年の会議に続いて基準(iii)及び(v)が最も重要、との認識を再確認したうえ、特に(v)に関しては、1万年を超える長期間にわたって環境の大きな変動に適応しながら文化的伝統を維持した点に顕著な普遍的価値が認められる、との意見で一致しました。

 意見交換の模様(9月16日)

意見交換の模様(9月16日)

 資産の構成については、現状で大きな問題はないものの、地域や類型の異なる重要な遺跡の追加が検討されてもよいとの意見があり、また完全性・真正性をめぐっては、来訪者の理解を促進するため整備された復元建物などと実際の地下の資産の関係について、誤解を招かないような説明が重要である、といった指摘がありました。

 さらに、保護・保全の対象の設定について海外専門家は、ユネスコは管理の対象となる土地の線引きばかりでなく、それを持続的に保全していく体制を問題にしており、それを明確に説明した保存管理計画が求められること、また遺跡やその周囲に存在する家屋や道路など現代の要素について、それが設置された経緯や今後の取扱いについての説明が求められること、などの意見を示し、直接の緩衝地帯を超えて広がる遺跡周囲の環境の保全がどこまで求められるか、といった問題についても意見が交わされました。
 以上の意見交換を踏まえて、現在世界遺産登録審議に必要な推薦書と保存管理計画の準備が進められているところです。
  

◆公開シンポジウム

 意見交換の終了後、9月17日(月、祝)午後には札幌市内で公開の国際シンポジウムが実施され、道内を中心に197名の方々にご参加いただきました。これは平成23年度から「登録推進本部」が4道県及び東京都内の5会場で実施している登録推進フォーラムの北海道会場を兼ねるものです。
 登録推進本部の高橋はるみ副本部長(北海道知事)による主催者挨拶に続いて、会議に出席した海外専門家からそれぞれの視点で縄文遺跡群の世界遺産登録に関連した発表がなされ、さらに登録推進会議座長から登録推進の取組に関する説明がなされました。

発表するダニング博士

「アルプス周辺の杭上住居跡群」について発表するダニング博士(9月17日)

 最後に専門家委員会の菊池徹夫委員長が参加者に国際会議の内容を説明して総括を行い、第2回の国際会議は無事閉幕しました。シンポジウム(フォーラム)の内容については登録推進フォーラムのページで紹介しており、フォーラムへの参加を通じて今回国際会議の成功に御協力いただいた皆様にお礼申し上げます。


 → 縄文世界遺産推進室トップページにもどる