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最終更新日:2017年3月06日(月)

地域創造アトリエ

 北海道における市民参加の芸術活動は、ますます盛んになっています。
 ここでは、各地域の古い建物を整備し、舞台芸術をはじめとする様々な文化活動の創造・発表の場として活用されている「地域創造アトリエ」をご紹介します。
 なお、「地域創造アトリエ」の各運営団体は、「地域創造アトリエ・ネットワーク(愛称「くら・ネット」)」を組織し、情報の共有による文化事業の効率的共同開催等を行っています。
(「くら・ネット」連絡先:011-520-0710(公益財団法人北海道演劇財団内))

 

○アートスペース外輪船

 

住所:江別市2条1丁目 電話:011-391―2170
ウェブサイト:http://gairinsen.org/

外輪船外観
外輪船ホール

 

江別川(現千歳川)が河川交通手段として利用され、水運が盛んだった明治・大正期、江別はその拠点であり、経済活動は隆盛を極めていました。その頃は穀物集積倉庫群が軒を並べていましたが、現在、その数は3棟程度となっており、そのうちの1つが明治30年に建造され、岡田伊太郎商店が所有していた本施設「旧岡田倉庫」です。平成16年、江別市における芸術・文化の発信基地として本施設を活用・運営するとともに、江別の歴史の一端を後世に伝えることを目標に、「旧岡田倉庫活用民間運営協議会」が発足、平成17年7月、倉庫は「アートスペース外輪船」として新たな使命を得ました。現在は地域の劇団による演劇公演をはじめ、音楽会、講演会などが開催され、その活用方法はますますの広がりを見せています。

 

 

 

○太郎吉蔵(たろきちぐら)

 

住所:滝川市栄町2-8-9 電話:0125-22―7337
ウェブサイト:http://act-takikawa.or.jp/

太郎吉蔵外観  
Photo by Koji Sakai

太郎吉蔵は、かつて石炭などの物資の輸送により交通の拠点として発展した滝川市で、五十嵐酒造店の貯蔵庫として昭和元年に建築されました。「太郎吉蔵」の名称は、蔵を建設した五十嵐酒造店の五十嵐太郎吉氏に由来します。平成15年、滝川市において「理想の田舎をつくる運動」の展開を目標とする「NPO法人アートチャレンジ滝川」が設立され、太郎吉蔵を芸術文化の発信基地として改修整備、運営を行うことが決定しました。太郎吉蔵は、蔵が本来持つ空間の魅力を最大限に生かすため、必要最小限の整備が行われ、現在は演劇など各種芸術イベントの開催や、五十嵐太郎吉氏の孫であり、世界的彫刻家の五十嵐威暢氏を塾長とするアート塾などを開催し、世界中からたくさんの人が訪れる、元気なまちをつくるための拠点として市民に活用されています。

 

 

○おたる無尽ビル「遊人(ゆうじん)002」

 

住所:小樽市花園4-1-1 電話:0134-27-3300

遊人


 

 

小樽には、数多くの歴史的建造物が現存し、建築用途としては、漁家、倉庫、店舗、料亭、寺院、教会、銀行など多種多様となっています。これらの建物には、当時の最先端の技術や洗練されたデザインが施され、優れた文化遺産として高く評価されています。おたる無尽ビルは、北洋銀行の前身である小樽無尽株式会社が昭和10年に建築したもので、北海道のメインバンクの出発点が小樽市花園にあることは地域住民の誇りでした。しかし、平成13年、北洋銀行の店舗統廃合により小樽支店の廃止が決定し、本ビルは取り壊しの危機にさらされました。これを知った市民有志はこの建物を買い取り、地域創造アトリエとしての活用が始まりました。現在、1階はレストラン、2階は文化教室、貸事務所及び貸会議室、そして3階は演劇や音楽の公演、絵画や写真などの展覧会のホールとして使用され、小樽の文化の発展に寄与するとともに、市民や国内外の観光客の交流の場、そして小樽のまちづくりの核として、地域住民に活用されています。

 

 

 

○ArtWarm(アートウォーム)

 

住所:石狩市花畔1条1丁目56番地 電話:0133-64―4664
ウェブサイト:http://www001.upp.so-net.ne.jp/artwarm/

ArtWarm外観
ArtWarmホール

昭和36年、花畔農協1号農業倉庫として建設されたれんが倉庫。平成12年10月に石狩市教育委員会の呼びかけで「レンガ倉庫を見る会&考える会」が発足され、倉庫を実際に見た人達は、「この空間で何かをしたい。」と考えました。会はその後、「レンガ倉庫運営組織設立発起人会」と名前を変え、本格的に始動、会合を重ね、コンセプトは「そこにいけばアートで心があたたまり、豊かになる」、名前は「アートウォーム」としました。イベントホールは、くぎを打っても、壁や床を自由に塗っても、元の状態に戻せば何をしてもOK。そんな場所を用意しました。コンサートも良いけれど、美術だって好き、もっと気軽にかしこまらずに、仕事や学校の帰りにふと立ち寄ることができるような、そんな空間をArtWarmは提供します。農業用倉庫は名実ともにアートウォームとして生まれ変わり、文化・芸術の基地として、新たな時を刻み始めました。

 

 

○扇谷(おうぎや)記念スタジオシアターZOO

 

住所:札幌市中央区南11条西1丁目ファミール中島公園地下1階
電話:011-551―0909 ウェブサイト:http://www.h-paf.ne.jp/zoo/

ZOO

 

 

道内では、舞台芸術活動に必要な発表の場・練習室が不足しており、地域の文化活動団体などにとって使いやすい、オープンな発表の場・練習場が求められています。また、本道の舞台芸術のレベルアップを図るために、地域や分野を越えた多くの文化活動の交流や連携を進める拠点が必要であることから、財団法人北海道演劇財団が中心となり、平成13年、中島公園にある使われなくなったマンションの地下室を改修してアトリエを整備しました。客席数約100の非常に使いやすい空間の劇場部分とギャラリーや稽古などに使える2つのスタジオを備えています。アトリエ独自の事業企画やスタジオの一つを年間単位で貸し出すなど、運営の工夫も行っており、演劇人、舞台人だけでなく、広く道内の文化創造者たちが集い、交流するネットワークの拠点となりそうな、そんな予感のするアトリエです。

 

 

 

○しらおい創造空間 蔵 KURA

 

住所:白老郡白老町本町1丁目7番5号 電話:0144-85―3101
ウェブサイト:http://www.shiraoikura.sakura.ne.jp/home.htm

蔵kura
しらおい創造空間蔵

 

平成12年秋にオープンした「しらおい創造空間 蔵」。大正時代に酒蔵として建てられ、戦後は農協の倉庫として使われてきた大小2つの石倉で、貴重な合掌造りの風格を現代に伝えています。この歴史的建造物を文化創造の場として白老町のシンボルにしたい、という町民の願いから有志が集まり、白老町文化推進ネットワーク協議会として「蔵」の運営を実現しました。小さい蔵はギャラリーや体験教室として、大きい蔵は多目的ホールとして利用されており、過去には「はまもと洋カルテット スイングポップコンサート」を開催、満席の聴衆を魅了するとともに、公演終了後は出演者を囲んでのティーパーティーが行われ、アットホームな魅力をアピールしました。ライブ、演劇、映画、フリーマーケットなど、アイディア次第で様々な利用が可能な施設として注目されています。さらに今後は「『蔵』のライブが、アマチュアバンドのメジャーデビューの足掛かりになれば」と夢は大きく広がります。

 

 

○浪花町十六番倉庫

 

住所:釧路市浪花町5丁目5番 電話:0154-24―1616

浪花町十六番倉庫外観
浪花町十六番倉庫利用例

どっしりとしたレンガ造りが風格を感じさせる浪花町十六番倉庫は、釧路出身の作家・原田康子氏の曾祖父が明治43年に豆類の保管倉庫として建設したものです。その後、さまざまな形で利用されながら、釧路の歴史を約90年にわたって見守りつづけてきました。そして平成11年、「倉庫を創造空間として再生し、釧路の遺産として守りたい」と願う市民が集まり、NPO法人浪花町十六番倉庫が発足。翌12年に多目的コミュニティスペースとして運営を開始しました。“24時間365日オープン”をうたう同倉庫では「深夜の騒音など近隣への配慮とモラルを忘れずに」としながら、朝まで熱い討論を繰り広げる「チャレンジくしろ24」などユニークなイベントを開催。そのほかコンサートや演劇、絵画展、フリーマーケットやセミナー、スポーツトレーニングなど、ジャンルを超えた文化交流で連日賑わいを見せています。

 

 

○酒の郷(さと)なつかしホール 

 

住所:夕張郡栗山町錦町3丁目89番地 電話:0123-72―1001(小林酒造(株))
ウェブサイト:http://www.kitanonishiki.com/kitanonishiki/kura/index.html

酒の郷(さと)なつかしホール外観
酒の郷(さと)なつかしホール

「昔懐かしいレンガ造りの蔵を大切にしたい」という思いをこめて命名された「酒の郷(さと)なつかしホール」。そもそもは、豊かな「まちづくり」をめざすグループが、地元の酒造会社が所有する酒蔵を町の文化活動の拠点にしようと呼びかけたのがきっかけでした。まちおこしに賭ける情熱は多くの人々の心を動かし、この運動に賛同した地元建設業協会、電気工事協同組合栗山支部の協力により、中庭をレンガによる広場としてつくりかえるなど、町民の愛情がいっぱい詰まったホールが平成11年に完成しました。板張りの素朴さが魅力のコンサートホールは音響効果も十分で、東京交響楽団のコンサートマスター・深山尚久さんらのコンサート開催や、演奏会はもちろん会合などにも広く利用されています。また、ホールの周辺は国の登録有形文化指定建造物を利用して酒の記念館や食事処があり観光名所にもなっています。

 

 

 

○夢創館(むそうかん)

 

住所:恵庭市島松仲町1丁目2-20 電話:0123-36―6050
ウェブサイト:http://www.city.eniwa.hokkaido.jp/www/contents/1370332237763/

夢創館外観
夢創館

歳月を経た軟石倉庫が、重厚な風格とともにどこか懐かしさを感じさせる「夢創館」。もともとは、昭和12年にしょうゆ・酒などの商品保管倉庫として、島松商業組合が建造したのが始まりです。昭和27年に恵庭市農業協同組合に引き継がれ、米の貯蔵庫として平成4年まで活躍してきましたが、その後は遊休施設となっていました。この歴史的建造物の復興を願う市民の声を受けて、平成10年に恵庭文化村協議会が発足。多彩な芸術活動を支える“文化創造アトリエ”として「夢創館」が誕生しました。現在は舞台芸術の練習および公演、絵画・書などの展示、その他ファッションショーなどのユニークなイベントも開催されています。また、恵庭市には市民による劇団や音楽団体、イベントプロデュース団体などが多数ありますが、その中の一つ「恵庭小劇場」は、夢創館を中心とした演劇活動が話題を呼び道内各地で公演を行うほどの実力派に成長しました。

 

 

○北れんがギャラリー、古柏堂(こはくどう)

 

住所:帯広市東2条南12丁目2-1 電話:0155-28―7748

北れんがギャラリー
古柏堂

十勝の中心地帯広に古くから残るれんが造りの倉庫と元小学校の木造校舎。この古建造物を時間をかけて修復し、ここちよい空間を街角に演出したい― そんな有志が集まり平成17年にNPO法人「北のれんがを愛する人々」が結成されました。展示会やコンサート、パーティーや会議など市民の様々な要望に答えるためボランティア会員と検討を重ね、運営に協力してもらっています。イベントが入っていない時も、施設内は自由に見ることができるように休館日以外は常に開場され、木製の椅子などで休憩することもできます。また、敷地内に古民家改造レストラン「古季庵いろり」を併設。ランチやカフェ、宴会も楽しめるようになっており、文化イベントと食の融合をはかっています。施設は昭和初期建築の木造校舎(8m四方のスクエアなホール空間「古柏堂」)と、れんが外壁のりんご倉庫(内部は断熱のため木壁・2室あり)から構成されています。