最終更新日:2019年3月19日(火)
アイヌの人たち、 |
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「アイヌ文化振興法」の制定 [アイヌ文化振興法の概要] 1法律制定の趣旨 アイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統等が置かれている状況にかんがみ、アイヌ文化の振興等を図るための施策を推進することにより、アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り、あわせて我が国の多様な文化の発展に寄与することを目的としています。 2アイヌ文化の定義 アイヌ文化とは、アイヌ語並びにアイヌにおいて継承されてきた音楽、舞踊、工芸その他の文化的所産及びこれらから発展した文化的所産とされています。 3国及び地方公共団体の責務 国は、アイヌ文化の振興等を図るための施策を推進するよう努め、地方公共団体は、当該区域の社会的条件に応じアイヌ文化の振興等を図るための施策の実施に努めることとされています。 4施策における配慮 国及び地方公共団体は、施策を実施するに当たってはアイヌの人々の自発的意志及び民族としての誇りを尊重するよう配慮するものとされています。 5基本方針及び基本計画 国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文化の振興等を図るための施策に関する基本方針を定めなければならないとされています。また、関係都道府県(平成9年7月政令により北海道を指定)は、基本方針に即して施策に関する基本計画を定めるものとされています。 6指定法人 国土交通大臣及び文部科学大臣は、アイヌ文化の振興等に関する業務を行う民法法人を全国を通じて一に限り指定することができるとされています。 7北海道旧土人保護法等の廃止等 新法の施行に伴い、北海道旧土人保護法及び旭川市旧土人保護地処分法が廃止されました。 |
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基本計画の策定 新法の施行に伴い、北海道は法第6条に基づく関係都道府県として指定を受け、国の定めた基本方針に即して、「アイヌ文化の振興等を図るための施策に関する基本計画」を平成11年3月に策定しました。 [基本計画の概要] 1 計画策定の目的 「アイヌ文化の振興」と「アイヌの伝統等に関する理解の促進」を推進し、アイヌの人たちの民族としての誇りが尊重される社会の実現を図る。 2 計画の性格 ・期間~中長期的な展望とする。 ・内容~今後の北海道におけるアイヌ文化の振興と理解の促進のための基本的方向と必要な施策を示すもの。 3 アイヌ文化の振興等に関する基本的な方針 「アイヌ文化の振興」及び「理解の促進」を図るための施策を推進するに当たっての基本的な方針を、アイヌ文化の現状と課題及び国が示した基本方針を踏まえて、1 アイヌ文化の振興、2 理解の促進の2つとする。 1 アイヌ文化の振興 アイヌ文化を次世代へ継承するための保存・伝承に関する施策と、アイヌ文化を将来に向かって発展させるための振興に関する施策を推進する。 2 理解の促進 道民がアイヌ文化を本道の文化の一つとして理解を深めるための知識の普及啓発に関する施策と、偏見や差別が生じることのないよう理解の促進を図る施策を推進する。 4 アイヌ文化の振興を図るための施策に関する事項 基本方針の一つである「アイヌ文化の振興」について、施策を推進するための基本的方向を、1.アイヌ文化の保存・伝承、2.アイヌ文化の振興とし、それぞれの施策の展開を体系的に整理し、必要な施策を推進する。 1.「アイヌ文化の保存・伝承」の推進施策 ・アイヌ文化の調査研究などの充実 アイヌ文化の体系的な整理分類を進めるとともに、総合的な調査研究の促進に努める。 ・伝承活動の支援 アイヌ語指導者の育成や、伝統的技術の保存のための原材料の確保など伝承活動の支援のための取組の促進を図る。 2.「アイヌ文化の振興」の推進施策 ・体験学習機会の確保 アイヌ文化の体験やアイヌ語学習、工芸品展示会の開催など体験学習機会の確保に努める。 ・文化振興団体への支援 アイヌ文化振興・研究推進機構やウタリ協会をはじめとする各種団体の文化活動が促進されるよう努める。 ・伝統的生活空間の再生 伝統的生活空間の再生整備に向けた調査検討とその実現に向けた取組みに努める。 ・アイヌ語に由来する地名の普及 アイヌ語に由来する地名は貴重な文化であり、その普及の促進を図る。 5 アイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発を図るための施策に関する事項 基本方針の一つである「理解の促進」について、施策を推進するための基本的方向を、1.知識の普及・啓発、2.理解の促進とし、それぞれの施策の展開を体系的に整理し、必要な施策を推進する。 1.「知識の普及・啓発」の推進施策 ・アイヌ民族に関する情報の提供 パンフレット等の作成配布など計画的広報活動による情報の提供に努める。 ・講演会の開催等 開拓記念館などの博物館等施設でのアイヌ文化に関する特別展、講演会の開催などに努める。 2.「理解の促進」の推進施策 ・教育などの充実 学校教育における適切な指導に努めるとともに、理解を深めるための講習や研修機会の確保に努める。 ・交流機会の確保 理解を深めるための体験機会や相互交流の機会の確保に努める。 |
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新法制定に関する経過 <1984(昭和59年)> 5月 北海道ウタリ協会総会において「アイヌ民族に関する法律(案)」を決議 7月 協会は知事と道議会議長に陳情 10月 道はウタリ問題懇話会を設置 <1986(昭和61年)> 9月 中曽根元首相の「単一民族発言」をきっかけに全国的な論議に <1988(昭和63年)> 3月 懇話会は報告書を知事に提出 5月 ウタリ協会総会で「懇話会報告の趣旨」に沿って要請することを決議。知事と道議会議長に再陳情。 8月 知事・道議会・ウタリ協会の三者が一致して国に要請 <1989(平成元年)> 12月 政府は関係省庁により構成する「アイヌ新法問題検討委員会」を設置 <1995(平成7年)> 3月 内閣官房長官の私的諮問機関「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」を設置 <1996(平成8年)> 4月 有識者懇談会は報告書を提出 <1997(平成9年)> 5月 「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」成立 7月 同法施行 |
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○ 「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」条文 |
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