腸管出血性大腸菌による食中毒の予防について

腸管出血性大腸菌による食中毒は一般に、気温が高い初夏から初秋にかけて多発します。

平成29年8月には、関東地方で腸管出血性大腸菌による食中毒が複数発生し、死者も発生しました。

涼しくなっても油断大敵です。「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」や食中毒予防の3原則、菌を「つけない」、「増やさない」、「やっつける」を徹底しましょう。

家庭でできる食中毒予防の6つのポイント

次の6つのポイントに注意して、食中毒を予防しましょう!!

○ポイント1食品の購入:新鮮なものを消費期限を確認して購入しましょう。

○ポイント2家庭での保存:持ち帰ったらすぐに冷蔵庫や冷凍庫に保存しましょう。

○ ポイント3下準備:手を洗い、きれいな調理器具を使いましょう。

○ ポイント4調理:手を洗い、加熱できる食品は十分に加熱(75℃、1分以上)しましょう。

○ ポイント5食事:食べる前に手を洗い、食品は室温に長く放置しないようにしましょう。

○ ポイント6残った食品:きれいな器具容器で保存し、食べる前に十分再加熱しましょう。

【参考】厚生労働省ホームページ(リーフレット)

腸管出血性大腸菌とは?

大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在します。

ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原性大腸菌と呼ばれています。

病原性大腸菌のうち、ベロ毒素(VT)とよばれる毒素を産生する大腸菌を腸管出血性大腸菌といいます。

腸管出血性大腸菌は、菌の成分(「表面抗原」や「べん毛抗原」などと呼ばれています)によりさらにいくつかに分類されています。

中でも代表的なものが、「腸管出血性大腸菌O157」で、そのほかに「O26」や「O111」などが知られています。

腸管出血性大腸菌は、牛などの家畜や人の糞便中に時々見つかります。

家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは、菌を保有する家畜かどうかの判別は困難です。

特徴

・動物の腸管内に生息し、糞便等を介して食品、飲料水を汚染することがあります。

・主に加熱不足の肉(生肉含む)、生野菜などの食品、水を介して感染します。

・少量でも発病することがあります。加熱や消毒処理には比較的弱いです。

症状

・感染後平均3~8日で症状が出ます。

・カゼのような症状のあと、激しい腹痛と大量の新鮮血を伴う血便が見られます。

・重症では溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発し、意識障害に至ることもあります。

予防方法等

・食品を調理するときは、中心部までよく加熱(75℃、1分以上)しましょう。

・野菜類はよく洗浄しましょう。

・肉汁などから、他の食品が汚染を受ける可能性がありますので、生肉を取り扱う場所の近くで、そのまま喫食する食品を取り扱うのはさけましょう。

・調理器具(包丁、まな板等)は、生肉用、野菜用、加熱前、加熱後など食品毎に分ける(または洗浄する)などし、二次汚染対策を十分に行いましょう。

・手洗いをこまめに行いましょう。

・調理器具を十分に洗浄、消毒しましょう。

・食品を保存するときは、低温で保存しましょう。

・焼き肉等の際は、生肉用のトングや専用の箸を用意し、喫食する箸とは分けましょう。

参考

<厚生労働省ホームページ>

<食品安全委員会ホームページ>

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