第2章 障がいの特性と必要な配慮の基本 7 重症心身障がい 重度の身体障がいと重度の知的障がいが重複している障がいです。 食事や水分補給、排せつ、入浴、移動など、日常生活のほとんどすべてにおいて支援が必要です。 障がいの特性 ・姿勢 自力で起き上がることが困難なため、ほとんど寝たままです。 ・移動 自力では困難で、寝返りも困難です。座いでの移動となり車いすなどが必要です。 ・拘縮 麻痺などにより、長期間、自分の意思で手足を動かすことができなくなると、関節の可動範囲が狭くなります。 ・きん緊張 極度に筋肉が緊張し、思うように手足が動かない状態です。 ・コミュニケーション 言語による理解・意思伝達は困難ですが、表現力が弱くても笑顔で応えることができます。   ・肺炎・気管支炎をおこしやすく、てんかんを持っているかたが多いです。 ・痰吸引が必要なかたも多いです。 意思疎通の手段とポイント ・声や身振り、目くばせなどで気持ちを表現します。 配慮のポイント ・車いすやバギー(リクライニング車いす)、ストレッチャー(寝かせたままで移動できる車輪つきのベッド)で移動するので、駐車場や施設内の通路、エレベーター等では広いスペースが必要です。近くを通る時やエレベーターに同乗する際は配慮してください。 家族・支援者からのメッセージ 重症心身障がい児者とは、身体と知的に重い障がいのあるかたで、多くのかたは医療的支援を必要とし、常時人工呼吸器が必要なかたも多く存在します。 このため、周囲のかたとのコミュニケーションをとることが難しいかたもいますが、多くのかたのご理解とご支援により社会参加が可能になり、当事者のかたの人生の励みにも繋がります。 相談・問合せ先 北海道重症心身障がい児(しゃ)を守る会